フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

Il fait doux

2009-02-08 17:46:25 | Weblog
Il fait doux           あったかいね
Le printemps approche     もう春がすぐそこに
Voulez-vous venir avec moi?   いっしょに出かけようよ
D'accord.            うん、いいね。
フランス語って並べるだけで詩になるね。そんな気がする。僕は,やっと-er動詞の活用が空で言えるようになったくらいだけど。本当によう覚えないんだよこの歳になると。冗談抜きで。全体の流れとかは何となく掴んでいくけど歳の功で。細かい決まりごとって性格も手伝ってか苦手です。でも、春のような陽射しが2,3日続いてくると身も心もウキウキとなってショウタンとパンプの病室で話したことを思い出した。ショウタンは,僕の姪でパンプの一番のお気に入りのお世話係。ノンビリとした優しい子で「おばぁちゃん」とショウタンが声をかけるとパンプは,起き上がらんばかりに喜ぶんだ。「治ったら,パンプが一番落ち着ける場所に置いてあげたいね」と言う話を二人でしてたらハワイのデイサービス、いや、コンドミニアムがいいねなんて話になって。「パンプはきっとムームーが似合うから」とか、みんなで移住するかとかまで飛躍して、二人の頭の中はハワイアンが流れていた。何故,元気な時に思わなかったのだろうハワイくらい連れて行って上げれたのにと思いつつ何でも前向き一家は、犬と猫をどうするかまで話が盛り上がってしまって、病院のお帰りチャイムを忘れてた。暖かいと楽しいこと思いつくんだね。
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Tony Tony

2009-02-07 05:01:03 | Weblog
如月の月がきれいに出ている。望月のその如月の頃と言うのは,今で言う3月終わりかそのあたりのことかな。毎年2月のこのころになると赤木圭一郎が亡くなった月だなと思う。まだ,自分達のまわりにバレンタインデーなんかなかった頃、ちょうど2月14日にあのゴーカートでの事故は起こったんだ。だから,ファンにとっては,2月14日は特別な日なんだけど、バレンタインに消されてしまった。だけど、いまだにファンクラブはあるし、10年位前には、野呂圭介さんが、企画展を開いてくれもした。ここには、強烈なファンがいるらしい。僕は、Tonyとおなじで、ツルんで何かするタイプではないからファンクラブには入ってないけど、「たった一つのことが好きだ」と言うタイプだから、一人でこつこつやっている。昔,歌にありましたね、「頑なまでの一筋の道,愚か者だと笑いますか・・・」と
愚か者なんでしょう。でも,未だにあれくらいの存在感を持った若者に出遭ったことはありませんから。
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C'est delicieux

2009-02-06 19:15:21 | Weblog
人の愉しみは最後は食べることに尽きるのでしょうか。パンプも確かに食べることは好きですが、それほど執着してる感じはありません。でも、執着している人もいるんです。シンゴヤージュという初老の男がそうです。50代で胃癌の為半分胃を摘出しました。その手術の次の日、カステラを1本食べて医者からギネスもんだと言われた男です。とにかく、太っていて、動くのが面倒だとばかり食べてばかりいました。そのうち足が腫れて歩けなくなって丁度パンプと同じ時期に入院しました。ところが、あまりに太っているもんだから、点滴の針が通らないというか、静脈まで行き着かない。だから、病院でも手の打ちようがない。しょうがないから、1日1500キロカロリーの食事で管理してたけど家に電話して,食い物持ってこいの催促ばかり。家人が断ると「もう、紙でも食べるケン」とのたまう始末。それでも,少し良くなって退院というか、退院させられたというか。家のものも心を鬼にして1日1600キロカロリーで押さえるように工夫してるとのことらしいが、今日メールがあって、この間の、節分の折、鬼は外,福はうちと撒いたマメを片っ端から口に放り込んでニッカリとしてたらしい。頭の中、おいしいで出来ているんでしょう
か。これは、パンプの娘婿、つまり,僕の姉のご主人なんですけどね。今,最高の困る人なんです。このところ相談が良く来ます。さすがの、パンプ一家も困ってます。裕福な家庭で育った人なのに何故なんでしょう。心の闇があるのでしょうか?それとも,脳が狂っただけ?後のほうが納得が行くキャラなんですけど。西のシンゴヤ-ジュか,東のパンプかとお互いキャラでは、負けてないのですが・・・・。
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美味しかった!

2009-02-05 18:51:31 | Weblog
昨日、急なことでしたが、氷をパクッと食べたのが良かったのかどうか、耳鼻咽喉科の先生から「嚥下も問題ないようだから,明日のお昼から食事を始めましょう」と許可が下りた。「やったー」みんな,喜んだ。そして次の日のお昼、仕事が空いていた自分とショータンが見守る中、正確には、看護師さんや介護師さん総勢6名の見守る中パンプの37日ぶりの食事が始まった。ティファニーで朝食をではないけれど、部屋で食べるものだと思っていたら、皆がいるスペースにテーブルを構えてくれての食事だった。


メニューは、白粥、ペースト状のものを固めたサトイモ、かぼちゃ、ほうれん草だった。食膳を前にしてパンプは、緊張気味。でもご馳走を前にした子供のようにうれしそうだった。もう,自分で食べるということは忘れていたけど、看護師さんが白粥をスプーンで掬ってパンプの口に運ぶと思ってたよりゆっくりと食べた。


そして「おいしい」と笑顔で言った。その笑顔に皆は,感動した。37日間、もう味わう事は、ないのかもしれないと思ってただけに、自分も,ショータンもパンプ以上にうれしかった。僕らが、あんまりうれしがるので、看護師さんたちも一緒になって盛り上げてくれた。ありがとうみんなってすべての人に言いたい気分だった。
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pigeon

2009-02-04 19:29:37 | Weblog
今日は、3月中旬並みの暖かさだというのでTシャツにベスト薄いパーカーというイデタチデ梅見がてら公園のベンチに座ってインドの労働者のようにチャイとフランスパンでランチしてました。ナンとカレーがあればすっかりインドなんだけど今日は,チャイだけしか持ってこなかった。両隣のベンチでもおばさんがパンをほうばってます。それまでは、あまりきてなかったのに、真ん中のベンチに座ってパンを食べ始めるとくるわくるわ鳩がくる。これ,餌やると始末が悪くなるぞと思って無視していたら、隣のチョット若い目のおばさんが、パンのかけらを小さな群れに投げた。そしたら、あとからあとから鳩が飛んできて大きな群れになった。おまけにスズメも5羽くらいきて大盛況。しかたがないのでバケットをちぎって自分もやることにした。そしたらなんと手乗りで食べるんだ。


パン屑をいれた手をかざすと乗ってくるやつがいて別のが乗ってくると喧嘩を始めるものだから手のひらのパン屑は全部落ちて下にいた手に乗るのは遠慮しとこうという輩に食われてしまった。


まるで人の社会と同じだなと思った。結構鳩って気が荒いんだね。いいかげんにして、ポットからお湯を注いでチャイを作ってゆっくりと飲んでいるとシナモンと紅茶の香りがリラックスさせてくれる。それにしても、お昼の時間,公園には、お年寄りが多いな。亀の甲羅干しのように日向ぼっこをしている。簡単な昼食と思ってる自分よりももっと簡単な昼食を独りでとっているのには驚いた。孤独を愉しむようには見えないのだが、それでも,梅の花は、満足を与えてくれるのだろうか。
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梅は咲いたし氷をパクッと

2009-02-03 10:15:27 | Weblog
梅ほころぶです。この情感豊な表現他の言語にはないのではと思ってしまいます。梅の花を見れば日本人なら自然とこの言葉が浮かんでくるのではないでしょうか。


英語ではbegin to open ですからキミ達には情感というものがないのかと言いたくなりますね。そんな人達が世界の中心にいて経済やら文化やら宗教やらを押し付けているんだものうまくいかなくて当たり前なのかも知れません。例えば,最近やけに目にし,耳につくreligionと言う言葉、明治の人が苦肉の策で便宜上仏教用語から「宗教」という文字を当てただけらしい。だから,日本人は、無宗教といわれても当たり前なんだって。第一、一神教なんか、理解の他だもの。やはり八百万の神がいて悟りを開くのが日本人らしいもの。神様も仏様もお友達にしてしまうパンプ。今日から咀嚼訓練のリハビリが始まりました。竹串のような竹ではないのかもしれないけどその先に氷をキャンディ状にくっ付けたもので口の筋肉の動きを見るそうです。はじめ口の端に置かれると「冷たい」と言ってたパンプ、介護士さんが油断してる隙にパックッと氷に喰らいついた。これには、介護士さんもあせって「放して」とか言ってましたけど最後は、あきらめて「意欲がありますね」だって。氷はパンプの口の中で溶けてしまいました。
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檸檬の店

2009-02-02 10:05:54 | Weblog
梶井基次郎の「檸檬」に出てくる主人公が檸檬を買った店、京,寺町二条下がるの「八百卯」が,廃業となりました。あの檸檬のひんやりとした感覚、いまでも思い出せるのに。「檸檬」は大好きな本の一つで檸檬という漢字が書けるだけですごいインテリになった気分がして若かった自分をいたく満足させてくれた。実際、八百卯へは,檸檬を買いにいったことがあった。その檸檬をもって丸善へも入った。丸善も基次郎が仕掛けた檸檬爆弾で2005年に閉店となった。そして、八百卯もまた。あの界隈の雰囲気好きだったな。ちょうどその近くに老舗の子でが文学が好きな友達がいて梶井基次郎が、檸檬で書いた店は、ここだと教えてくれたんだ。夕方の客が去ってからの時間がこの店は、よかった。そこらへんから基次郎が懐手をしたまま現れそうな感じだった。空想できる静かな愉しさをこの本で知ったような気がして、マウンテンパーカーやコートのポケットには檸檬の文庫本をいつも入れていた時があった。今は、何故かシェイクスピアになってるけど。だから,檸檬って漢字が書けなくなったのかな。八百卯がなくなるのは寂しいが、実際体験できたことは、一つの想い出として良かったと思う。基次郎の下駄の音が遠ざかっていく。
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パンプが歩いた。

2009-02-01 01:20:48 | Weblog
誰も,そんな事が現実だとは思ってもいなかった。リハビリは,ベッドの上で体に寝返りをうたせたり、足を曲げたりするだけだったから。この、2,3日前くらいからベッドのフチに腰を掛ける練習をしてたけど。1ヶ月も寝たきりの92歳の老人だから、足の筋肉は萎え歩行は、まだまだ時間がかかるだろうとみんな思っていた。ところが,この老人は、ベッドに腰掛けようとした際にベッドからスルリと滑り落ち介護士さんの横をツツッと歩いて通り抜けた。これには、みんなビックリ。「歩けるんだ」との声も出なかった。まるで,奇跡か魔女みたい。慌てて,ベッドに腰掛けさせたら「ああ,お腹がすいた」とのたまう。「咀嚼訓練もそろそろ始めましょうか。先生に聞いてみます」と介護士さん。パンプは、天井を見上げはっきりした声で「ひこうきにのって」と言った。ひこうきじゃなく、パンプが乗るのは,箒でしょうと思っていると、また、「ひこうきにのって」と言った。ひこうきに乗ってどうするの?と聞くと「アメリカへビールを買いに行こう」といったので、大爆笑だった。アルコールは一滴も飲めないのに発想が面白い。ビールなんかアメリカに行かなくても近所のスーパーにありますからと思いつつも痛快。このアグレッシブさが元気の秘訣なんでしょうか。西の魔女は死んだけど南の魔女は、不死身です。
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