みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

速く弾くための2つの練習

2005年10月02日 | ピアノ
青柳いづみこさんの「ピアニストから見たピアニスト」を少しずつ、読み進めてる。
リヒテルの章で、リヒテルの練習方法について、次の一文があって、なるほどと思う。

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スピードスケートの清水宏保は、500m35秒台と34秒台ではまるで感触が違う、世界が違う、と言っている。生徒にゆっくり練習するように言うと、筋肉の動きまでゆっくりしてしまう。それでは、本来のスピードの中で筋肉と対話することができない。こういうときは、いったん無理を承知で「ほんとうのテンポ」で弾いてみるといい。そのあとでゆっくり練習する。「ほんとうのテンポ」での動きをきざみつけてから、タッチのスピードは変えず、全体のテンポだけ遅くする。
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そうなのだ。今まで、上級者の方から「速く弾けるようになるためには、ゆっくり弾くのを繰り返すこと!」とアドバイスをもらうことが多くて、今一つ、しっくり来てなかったのだ。思うに、速いスピードを経験したことのある上級者は、この一文にあったように、速く弾く時の感覚が、身に備わっていて、ゆっくり弾きでも効果があるのだと思う。
でも、ほんとうに、自分が一度も経験したことのない未知の速く弾く感覚は、ゆっくり弾きだけでは、到達できないのだと思う。
一度、無理を承知で、本来のスピードで弾いてみて、どのくらいの瞬発力、敏捷性が必要になってくるのか、最初にイメージできておくことが、必要なのだと思う。その上で、ゆっくり弾きをする。

自分の先生は、ハノンやチェルニーは、とにかく速く弾くことを要求されて、いつも閉口していたのだけど、やっぱり自分の限界を少しでも引き上げる速く弾く練習は、必要だなぁ。(短距離走者が、いつもゆっくり練習していても、タイムはアップしない)
速く弾けるようになるための
 ・速く弾く練習と
 ・ゆっくり弾く練習

の意味が、ようやく理解できた気がする。
コメント
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