今日のある新聞の1面見出し。「米大統領 オバマ氏」「初の黒人47歳、大勝」「8年ぶり民主政権」「『変革』実現へ結束促す」、同じ面の解説では「迷える大国指導力期待」と超特大文字が並ぶ。
社説では「傷ついた大国どう再生」とし「新政権に負の遺産」「不満の渦 地殻変動」と幾つかの課題記事が連なる。他の面も米大統領のニュースが載る。
「マケイン氏 大敗」「長い旅が終わった」と共和党候補の記事は僅か。「選挙戦 落ちればみんな ただの人」と笑わせた噺家がいたがまさにそのとおりの扱いだ。
勝利宣言の中継を見た。カットなしの演説を初めて聞いた。その上手さは故ケネディー大統領以来との報道そのものだった。演説内容は同時通訳で知るわけだが、言葉が分からなくても「うまい」と思わせる。
大統領としての資質や力量はこれから評されるが「何かやってくれそうだ」という期待感を持たせる。わが国の総理以下各閣僚の演説、いや朗読とは桁違いで比較にならない。
オバマ氏の訴えた「チェンジ」、新自由主義のもたらした矛盾と難問をどう転換し超大国としての舵を進めるのか注目したい。また、人種差別を乗り越えた米国民の歴史的な1歩がチェンジを支える力になるだろう。
アメリカ国民はオバマ氏に「イエス ウイ キャン」と答えた。何をやってくれるのか、世界が期待をしながら見守っている。