秋空に誘われ、また家内の言いつけもあり久しぶりに花の苗の植付けや草抜きをした。さわやかな日ざしもあり思いのほか作業は進み、今日の作業はこれで終りにしようと、もみじの木の根っこ周りの草を抜きを始めた。
しばらくして薄暗くなり始めた。夕暮れにはもう少し時間があるはずだが、と思いながら枝の間から見上げた空に雲が一面に出ている。
白で厚ての四角い板のような雲が敷き詰た庭石のように並んで空を広く覆っている。ひつじ雲だ。日の傾きかけた西の方の一点は白く輝いている。夕焼けにはまだ早い時間だ。
ひつじ雲はまだら雲、むら雲ともいい、高積雲の1種で高度数㌔付近に発生する白い塊状の雲のことをいう、と説明がある。また、雲や隙間の形が、列をなして並んだように見えることが多いという。
地上からは見方によっては空の、いや自然の芸術にも見える。その裏側では、寒気団内部での争いの影響や、寒気団上部に暖気が接するなどと、発生の過程には激しい営みがある。そのためこの雲は「何か不吉な出来事の前兆雲」と、名前とはかけ離れたうわさ雲という。
地上でも表面は繕われて見えても、裏の駆け引きが分からぬまま、知らされぬままに進むことが多い。6割近くの人が賛成しない定額給付金、身近では米空母の艦載機移駐にともなう米軍住宅用地の問題がある。
寒くなってセーターを裏表に着ても着なおせる。でも為政者の裏表で困り泣くのは弱い庶民だ。民が富んで国が富む、米100俵で藩を再興した例もある。税の使途はよく見ておこう。
(写真:空に浮いた自然の芸術「ひつじ雲」)