2019年09月08日 中国新聞セレクト「ひといき」掲載
朝、小学生の登校がピークになる時間、玄関を出て元気な姿を見る。家の前は裏通りの小さなつじだが、3方向から児童の列が合流して表通りへ向かう地点になっている。
それがある時、外に出てみたら、複数の高学年の女児がしゃがんで大きな声を出していた。その中心で男児が横たわっていた。
裏通りでも車は多い。急ぎ駆け寄ると、男児に音識はあり、ほっとした。
訳を聞くと、ふざけ合っていて、誰かの手荷物が当たり倒れたという。
「どこか痛いか」
「耳の中が痛い」
私は「養護の先生に連絡しなさい」と児童たちに言った。女児の一人が「分かりました」と答え、皆で男児を立たせて表通りへ向かった。
「養護の先生」と言ったのには理由がある。養護教諭のいる良い光景を覚えているからだ。
何年か前、わが家の前で自転車の女児が転倒した。口から出血していたのでお世話させてもらった。その子の家族には連絡がつかなかった。小学校に連絡すると、校長と養護教諭がすぐ駆け付けた。それまで女児はめそめそしていたが、養護教諭が声を掛けた瞬間、大きな声で泣きだした。
これこそ先生の力だと思い知った。教諭は口中を確認し 「歯科医に相談します」と言って頭を下げられた。女児と手をつなぎ、学校へ戻っていったI。
翌朝、また児童の元気な姿を見た。私もまた元気をもらった。
朝、小学生の登校がピークになる時間、玄関を出て元気な姿を見る。家の前は裏通りの小さなつじだが、3方向から児童の列が合流して表通りへ向かう地点になっている。
それがある時、外に出てみたら、複数の高学年の女児がしゃがんで大きな声を出していた。その中心で男児が横たわっていた。
裏通りでも車は多い。急ぎ駆け寄ると、男児に音識はあり、ほっとした。
訳を聞くと、ふざけ合っていて、誰かの手荷物が当たり倒れたという。
「どこか痛いか」
「耳の中が痛い」
私は「養護の先生に連絡しなさい」と児童たちに言った。女児の一人が「分かりました」と答え、皆で男児を立たせて表通りへ向かった。
「養護の先生」と言ったのには理由がある。養護教諭のいる良い光景を覚えているからだ。
何年か前、わが家の前で自転車の女児が転倒した。口から出血していたのでお世話させてもらった。その子の家族には連絡がつかなかった。小学校に連絡すると、校長と養護教諭がすぐ駆け付けた。それまで女児はめそめそしていたが、養護教諭が声を掛けた瞬間、大きな声で泣きだした。
これこそ先生の力だと思い知った。教諭は口中を確認し 「歯科医に相談します」と言って頭を下げられた。女児と手をつなぎ、学校へ戻っていったI。
翌朝、また児童の元気な姿を見た。私もまた元気をもらった。