
今月は二つの写真展を鑑賞した。ひとつは「日本の祭り」。退職されて帰省された自称「写真愛好家」という近所の方。帰省された写真を拝見する機会がうまれおつき合いいただいている。現役時代に東北から九州まで、著名な祭りを撮り続けてこられた作品が紹介されている。回を重ね8回目、日本ならではの伝統を感じる祭フアンも多い。
今回は「任生の花田植え」と「阿月神明祭」。前者はユネスコ無形文化遺産に登録されている広島県北広島町の花田植。太鼓や笛の囃子に合わせて田植え歌を歌いながら稲を植える光景が色んなアングルで撮ってある。複数回の事前取材で撮り方を熟慮し本撮りという。30数枚に写るどの顔も伝統継承の喜びが伺える。後者は400年近い歴史を誇る柳井市での祭。大鉾に火を放つクライマックスは老若男女皆が歓声を上げる。
二つ目は「野鳥写真展」。長く続いていた三人展が発展して現在に至る。会の名称が「華写か(かしゃ)人」、シャッター音をもじった名称がいい。今回も北は北海道から沖縄まで、さらにオーストラリアの貴重な鳥たちなど90点余りを鑑賞した。連写で700枚撮ったなかの1枚など、撮るだけでなく野鳥の生態を研究し理解して撮られている。撮られた野鳥も幸せと思う。
今回の展示で面白い試みがされていた。野鳥の名前表記はこれまでカタカタ表示でされていた。今回は一部の表記に漢字が併記されて、難しい漢字だと思いながら、何となく野鳥への親しみが変わった。一部をご紹介したい。蒼鷺(アオサギ)、赤翡翠(アカショウビン)、野鶲(ノビタキ)、山翡翠(ヤマセミ)、水鶏(クイナ)、鸇(サシバ)、郭公(カッコウ)、黄鶲(キビタキ)などなどあり、漢字の意味と野鳥との関係はこれからの学習テーマーとしよう。鳥たちの生きる姿は人と変わらない。