日向坂46は絶好調。今回のシングルは素晴らしい出来栄えだ。
前髪を切り過ぎたと落ち込んでいる彼女に対して「ソンナコトナイヨ」と慰める歌だ。それだけでなく、「クラスで一番かわいいよ」とか「どんな君だってときめいてしまうよ」とか「僕は君でなきゃ嫌だ」とか、臆面もなく彼女を持ち上げている。
女子目線で聴くと、ここまでぬけぬけと褒められると悪い気はしないのではないか。日本人はこのようなストレートな表現は苦手とされる。だからこそ、インパクトがあるのではないか。女子は自分を全肯定してほしいのだと思う。理屈ではないのだ。「ソンナコトナイヨ」は魔法の呪文だ。
一方、男子目線で聴くと、こんなこと面と向かって言えるわけないと思う。ましてや彼は高校生だろう。こんなことを平気で口にする高校生などいるわけない。いるとすれば『花より男子』のF4くらいだろう。とすると、これはやはりいつもの片思い妄想ソングなのか。そうに違いない。彼と彼女は付き合っていないし、歌詞の全ての言葉は、彼が心で思っているだけなのだ。そう思うとしっくり来る。
女子目線と男子目線、2通りの聴き方ができる歌なのだ。
ところで、「奈良美智の絵」という歌詞が全く聞き取れなかった。ネットで調べてようやくわかったが、そもそも奈良美智という画家(イラストレーター?)を知らなかったので聞き取れるわけがない。最近の若者は皆知っているのだろうか。でも、彼の絵は見たことがあった。前髪が短い女の子は、不二家のペコちゃん、NHKのチコちゃんの系統だ。その子に似ていると誰かに言われて落ち込むというのは、子どもっぽく見られたくないという女子の感性なのだろう。
画家とその絵が出て来る歌を思い出してみた。ほとんどがアルバム曲だ。
さだまさし『歳時記』には、「そんなちひろの子どもの絵のような君が好きだった」というフレーズがあった。いわさきちひろの淡い水彩画は当時とても人気があった。
太田裕美『あじさい』には、「白い壁にはルノワールの少女」というフレーズがあった。NHK『みんなのうた』の楽曲だった。
ザ・タイガース『モナリザの微笑』には、「壁に飾ったモナリザも微笑みを忘れてる」というフレーズがあった。遠距離恋愛の彼女に会えない寂しさを絵に投影している。
ゆうゆのアルバム曲には『モナリザのいたずら』という曲がある。美術館で出会った彼女の、モナリザのような微笑みにハートを盗まれたといった歌詞だ。これは秋元康作品。
誰もが知っている絵は案外少ない。それを歌のモチーフにするとなると、なかなか難しいのだろう。
日向坂46についての過去記事
『ドレミソラシド』
『キュン』
『ひらがなで恋したい』
前髪を切り過ぎたと落ち込んでいる彼女に対して「ソンナコトナイヨ」と慰める歌だ。それだけでなく、「クラスで一番かわいいよ」とか「どんな君だってときめいてしまうよ」とか「僕は君でなきゃ嫌だ」とか、臆面もなく彼女を持ち上げている。
女子目線で聴くと、ここまでぬけぬけと褒められると悪い気はしないのではないか。日本人はこのようなストレートな表現は苦手とされる。だからこそ、インパクトがあるのではないか。女子は自分を全肯定してほしいのだと思う。理屈ではないのだ。「ソンナコトナイヨ」は魔法の呪文だ。
一方、男子目線で聴くと、こんなこと面と向かって言えるわけないと思う。ましてや彼は高校生だろう。こんなことを平気で口にする高校生などいるわけない。いるとすれば『花より男子』のF4くらいだろう。とすると、これはやはりいつもの片思い妄想ソングなのか。そうに違いない。彼と彼女は付き合っていないし、歌詞の全ての言葉は、彼が心で思っているだけなのだ。そう思うとしっくり来る。
女子目線と男子目線、2通りの聴き方ができる歌なのだ。
ところで、「奈良美智の絵」という歌詞が全く聞き取れなかった。ネットで調べてようやくわかったが、そもそも奈良美智という画家(イラストレーター?)を知らなかったので聞き取れるわけがない。最近の若者は皆知っているのだろうか。でも、彼の絵は見たことがあった。前髪が短い女の子は、不二家のペコちゃん、NHKのチコちゃんの系統だ。その子に似ていると誰かに言われて落ち込むというのは、子どもっぽく見られたくないという女子の感性なのだろう。
画家とその絵が出て来る歌を思い出してみた。ほとんどがアルバム曲だ。
さだまさし『歳時記』には、「そんなちひろの子どもの絵のような君が好きだった」というフレーズがあった。いわさきちひろの淡い水彩画は当時とても人気があった。
太田裕美『あじさい』には、「白い壁にはルノワールの少女」というフレーズがあった。NHK『みんなのうた』の楽曲だった。
ザ・タイガース『モナリザの微笑』には、「壁に飾ったモナリザも微笑みを忘れてる」というフレーズがあった。遠距離恋愛の彼女に会えない寂しさを絵に投影している。
ゆうゆのアルバム曲には『モナリザのいたずら』という曲がある。美術館で出会った彼女の、モナリザのような微笑みにハートを盗まれたといった歌詞だ。これは秋元康作品。
誰もが知っている絵は案外少ない。それを歌のモチーフにするとなると、なかなか難しいのだろう。
日向坂46についての過去記事
『ドレミソラシド』
『キュン』
『ひらがなで恋したい』