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ドラマ『伝説のお母さん』を最終回まで観る。前田敦子の新たな代表作。(ときめき研究家)

2020-03-22 18:10:56 | ときめき研究家
NHKの深夜ドラマ『伝説のお母さん』を第2回まで見た段階で記事を書いたが、最終回まで興味深く見た。育児と仕事との両立の困難さをしっかり描き切っていた。

社会的なテーマをロールプレイングゲームの舞台を借りて柔らかく見せるのは、NHKらしい手法だった。『チコちゃんに叱られる』『突撃!カネオくん』などのクイズ形式の教養番組や『ブラタモリ』などもそうだが、「面白さ」を貪欲に追及していないのがいい。視聴率など気にしていない風の、力の抜けた作りが、かえって興味を引く。『伝説のお母さん』もそんなテイストだった。前田敦子のわかりやすい演技も、その狙いに沿っていて、ハマり役だったと思う。例示した番組にとって岡村隆史や有吉弘之やタモリがそうであるように、『伝説のお母さん』には前田敦子が欠かせなかった。

生後8か月の娘を抱えて、魔王退治という大仕事に臨むメグ(前田敦子)の前には幾多の困難が待ち受ける。社会には「結婚したら子供を持つのは当然」「育児は女性がするもの」「母親がそばにいないとかわいそう」「職場に子どもを連れて来るのは非常識」といった旧態然とした意識が蔓延している。メグ自身も無意識にそういう固定観念にとらわれていて、うまく両立できないことに悩む。何より、彼女を一番助けなければならない夫のモブがダメ男で、主体的に育児や家事に取り組むという姿勢が見られない。
しかし、最終回になってようやくモブの考えも変わりはじめ、「手伝う」「協力する」のではなく「一緒に育児をする」という意識になるのだ。

翻って現実社会を見ると、ドラマと同じような状況だろう。
子育てしながら働く女性は多いし、育児休職とか短時間勤務といった支援制度を導入している企業も多い。昨今は男性の育児休職取得が推奨されている。しかし、希望する保育所になかなか入れなかったり、職場では長時間労働が横行していたり、何より古い価値観から全く変わっていない人もまだまだ沢山いる。選択的夫婦別姓に対して感情的な反対論が根強いのもその表れだろう。

同じNHKの朝ドラ『なつぞら』でも、育児と仕事の両立に奮闘する女性たちが描かれていた。渡辺麻友が演じた茜は、2人の娘を出産し、一時は仕事を離れたものの、どうしてもやりたい仕事ができたら親の援助も受けながら短時間勤務で職場復帰した。昭和40年代の話だが、非常に柔軟な働き方を選択したと思う。

メグは伝説の魔法使い、茜はアニメーターという特別な技能を持っていた。そういう人だけでなく、一般的な職場で働く会社員も、仕事は続けたいし、続けないと生活していけないのも現実だ。
現実社会の多くの女性が、いや女性だけでなく男性も、メグや茜と同様に、時に困難に立ち向かいながら、したたかに仕事と育児を両立できる社会を実現させたいと思う。


前田敦子の出演ドラマ・映画の感想はこちら
『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
『苦役列車』
『クロユリ団地』
『もらとりあむタマ子』
『さよなら歌舞伎町』
『イニシエーションラブ』
『ど根性ガエル』
『毒島ゆり子のせきらら日記』
『旅の終わり、世界のはじまり』

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