NMB48『Don’t look back!』は山田菜々の卒業CDと言っていいくらい、彼女中心である。
タイトル曲『Don’t look back!』は山田菜々がセンター。ソロ曲『みんな、大好き』があり、1期生全員による『卒業旅行』もある。破格の優遇だが、NMB48からの卒業としてはこれまでで一番の大物で、貢献も大きいということだろう。
『Don’t look back!』。
格好良く、隙のない曲だ。
タイトルからは『前しか向かねえ』の姉妹曲とも言える。その曲で送り出された大島優子に匹敵するくらい、山田菜々はNMB48にとって重要な存在だったのだろう。
NMB48の曲としては『高嶺の林檎』や『てっぺんとったんで』と同系統で、上昇志向を赤裸々に歌った曲だ。振り向かず、前だけ向いて突き進め、という暑苦しい歌だが、NMB48には良く似合っている。
ピアノの美しいイントロから、緊密なサウンドが展開し、非常に完成度の高い曲だ。山本彩にリードされるように一気に歌いきる。現時点でのMNB48の1つの到達点と言えるだろう。
『ニーチェ先輩』(浪速鉄砲隊其之六)。
面白い曲だ。
秋元康の蘊蓄シリーズとも言うべき『ユングやフロイトの場合』『ここがロドスだ、ここで跳べ』はあまり好きではないが、この曲はいい。
ニーチェの名言「汝が深淵を覗き込む時、深淵もまた汝を覗いている」をうまく料理している。「私が彼を見つめていると、彼もまた私を好きになる」という解釈、間違っていますか?と歌っているが、全然間違っていない。哲学とは世界を自らに引きつけて思索することだと思うので、自分の最も切実な恋のヒントをニーチェの言葉に見出す行為は正に哲学だろう。
歌い出しのAメロ(「教室の」)のメロディーが、『偶然の十字路』のサビ(「ぐうぜんのー」)と同じだ。牧歌的な学園ソングの香りがして好ましい。奇しくも、『ニーチェ先輩』の彼も『偶然の十字路』の彼女も、自転車通学だ。
『恋愛ペテン師』(チームN)。
完成度の高い歌だ。
スパイ映画の音楽のような、狭いライブハウスのジャズバンドのような、バタ臭い音楽が緊密だ。多田愛佳『へそが曲がる』と似たサウンドだ。途中1カ所スピードダウンする場所(「腕の中に抱かれるたび」という所)があって、曲のメリハリになっている。
口先だけの不誠実な男に、何回騙されても許してしまうという駄目な女の歌だ。そんな男には早々に見切りをつければいいと思うのだが、それができない女もいるのだ。小泉今日子も「女の子って少しダメな方がいいの」(『渚のはいから人魚』)と歌っている。
「幽体離脱」というお気に入りワードを久々に使っている。『君と僕の関係』『ちょうだいダーリン』『初恋バタフライ』と立て続けに使って食傷気味だったが、これくらい間が開くと懐かしい感じがしていい。
アイドルの歌う歌としては非常にレベルが高い歌だと思うが、上手にこなしていると思う。
『ロマンティックスノー』(チームBⅡ)。
ハッピーな歌だ。
スノーボードの初心者なのに友達グループに誘われて来てみたが、全然滑れなくて楽しくない。そこに不意に彼が現れて・・・というありがちな筋書きの歌詞だが、結構共感できる。
松田聖子の『真冬の恋人たち』は、スケートが苦手な女の子の歌だが、その本歌取りとも言えるだろう。
スキー場の歌と言えば、同じ松田聖子の『白い恋人』、南野陽子の『リフトの下で逢いましょう』などを思い出す。
スキー場に来なければ「今頃ユーチューブを見てた」というのが現代的。
『ハート、叫ぶ。』(チームM)。
のどかな曲だ。
恋をすると今までと違う自分になるという、『らしくない』の続編のような歌詞。
オールデイズ風のおっとりした曲調に、掛け合い風の歌詞がマッチして、ほのぼのとした気持ちになる。
『卒業旅行』。
山本彩がいつものドスの効いた声で歌い出す。続いて山田菜々が、気が抜けるようなとぼけた声でつなぐ。それだけでNMB48の曲だし、この曲の世界がくっきりと形を見せる。
在籍する1期生が全て参加しているということで、正に卒業式の合唱のようだ。
「停車中の小さな駅は 何を待っているのでしょう」。山田菜々の卒業は、小さな駅でのしばしの停車だと歌っている。
人生を列車の旅に見立てた歌詞は、うしろゆびさされ組のラストシングル『かしこ』を連想させる。
『みんな、大好き』。
山田菜々のソロ曲。
aiko風のサビ部分(「みんなー だいすきだよー」)が印象的。彼女の声は一度聞いたら忘れない特徴的な声だ。これは大きな武器だ。卒業後も芸能活動を続けるのだと思うが、武器を生かして活躍してほしい。
タイトル曲『Don’t look back!』は山田菜々がセンター。ソロ曲『みんな、大好き』があり、1期生全員による『卒業旅行』もある。破格の優遇だが、NMB48からの卒業としてはこれまでで一番の大物で、貢献も大きいということだろう。
『Don’t look back!』。
格好良く、隙のない曲だ。
タイトルからは『前しか向かねえ』の姉妹曲とも言える。その曲で送り出された大島優子に匹敵するくらい、山田菜々はNMB48にとって重要な存在だったのだろう。
NMB48の曲としては『高嶺の林檎』や『てっぺんとったんで』と同系統で、上昇志向を赤裸々に歌った曲だ。振り向かず、前だけ向いて突き進め、という暑苦しい歌だが、NMB48には良く似合っている。
ピアノの美しいイントロから、緊密なサウンドが展開し、非常に完成度の高い曲だ。山本彩にリードされるように一気に歌いきる。現時点でのMNB48の1つの到達点と言えるだろう。
『ニーチェ先輩』(浪速鉄砲隊其之六)。
面白い曲だ。
秋元康の蘊蓄シリーズとも言うべき『ユングやフロイトの場合』『ここがロドスだ、ここで跳べ』はあまり好きではないが、この曲はいい。
ニーチェの名言「汝が深淵を覗き込む時、深淵もまた汝を覗いている」をうまく料理している。「私が彼を見つめていると、彼もまた私を好きになる」という解釈、間違っていますか?と歌っているが、全然間違っていない。哲学とは世界を自らに引きつけて思索することだと思うので、自分の最も切実な恋のヒントをニーチェの言葉に見出す行為は正に哲学だろう。
歌い出しのAメロ(「教室の」)のメロディーが、『偶然の十字路』のサビ(「ぐうぜんのー」)と同じだ。牧歌的な学園ソングの香りがして好ましい。奇しくも、『ニーチェ先輩』の彼も『偶然の十字路』の彼女も、自転車通学だ。
『恋愛ペテン師』(チームN)。
完成度の高い歌だ。
スパイ映画の音楽のような、狭いライブハウスのジャズバンドのような、バタ臭い音楽が緊密だ。多田愛佳『へそが曲がる』と似たサウンドだ。途中1カ所スピードダウンする場所(「腕の中に抱かれるたび」という所)があって、曲のメリハリになっている。
口先だけの不誠実な男に、何回騙されても許してしまうという駄目な女の歌だ。そんな男には早々に見切りをつければいいと思うのだが、それができない女もいるのだ。小泉今日子も「女の子って少しダメな方がいいの」(『渚のはいから人魚』)と歌っている。
「幽体離脱」というお気に入りワードを久々に使っている。『君と僕の関係』『ちょうだいダーリン』『初恋バタフライ』と立て続けに使って食傷気味だったが、これくらい間が開くと懐かしい感じがしていい。
アイドルの歌う歌としては非常にレベルが高い歌だと思うが、上手にこなしていると思う。
『ロマンティックスノー』(チームBⅡ)。
ハッピーな歌だ。
スノーボードの初心者なのに友達グループに誘われて来てみたが、全然滑れなくて楽しくない。そこに不意に彼が現れて・・・というありがちな筋書きの歌詞だが、結構共感できる。
松田聖子の『真冬の恋人たち』は、スケートが苦手な女の子の歌だが、その本歌取りとも言えるだろう。
スキー場の歌と言えば、同じ松田聖子の『白い恋人』、南野陽子の『リフトの下で逢いましょう』などを思い出す。
スキー場に来なければ「今頃ユーチューブを見てた」というのが現代的。
『ハート、叫ぶ。』(チームM)。
のどかな曲だ。
恋をすると今までと違う自分になるという、『らしくない』の続編のような歌詞。
オールデイズ風のおっとりした曲調に、掛け合い風の歌詞がマッチして、ほのぼのとした気持ちになる。
『卒業旅行』。
山本彩がいつものドスの効いた声で歌い出す。続いて山田菜々が、気が抜けるようなとぼけた声でつなぐ。それだけでNMB48の曲だし、この曲の世界がくっきりと形を見せる。
在籍する1期生が全て参加しているということで、正に卒業式の合唱のようだ。
「停車中の小さな駅は 何を待っているのでしょう」。山田菜々の卒業は、小さな駅でのしばしの停車だと歌っている。
人生を列車の旅に見立てた歌詞は、うしろゆびさされ組のラストシングル『かしこ』を連想させる。
『みんな、大好き』。
山田菜々のソロ曲。
aiko風のサビ部分(「みんなー だいすきだよー」)が印象的。彼女の声は一度聞いたら忘れない特徴的な声だ。これは大きな武器だ。卒業後も芸能活動を続けるのだと思うが、武器を生かして活躍してほしい。