3月20日、紀伊国屋ホールでの千秋楽を観戦した。当日券だったが、最前列の一番端が残っていてラッキー。舞台の後方が若干見切れたが、役者の表情まで良く見える良席だった。
亡くなったX-JAPANのhideのファンからの投稿メッセージを素材として、hideの歌に勇気づけられて人生を一歩踏み出す若者たちを描いた群像劇だ。
アルバイトも遅刻ばかりで覇気のない生活を送っている主人公。その恋人役が多田。他に会社でトロいと馬鹿にされている会社員、韓国から出稼ぎに来ている工員、学校のラクロス部でウザがられて部をやめた女子高生、医者の許婚がいるのに実はダンサーになりたい女性、双子の姉の遺志を継いでアイドル活動をしているが実はロックバンドをやりたい女子高生、彼らの周囲の人々も含め、総勢30名ほどのキャストがそれぞれの人生を懸命に生きている姿を描く力作だ。
力作だけに、上演時間も2時間30分を超えた。群像劇にありがちだが、それぞれの人物のエピソードが丁寧に描かれ、舞台転換も多いので、少し散漫な印象もあった。むしろ映画やテレビドラマに向いているような素材、演出だと感じた。また、劇中使われていたX-JAPANの楽曲をよく知っていれば、もっと楽しめたのかもしれない。
しかし、生身の役者がその場で演じているという迫力は独特のものがある。映像作品にはないものだ。そういう迫力は感じることができたし、それぞれの人物の小さな一歩を応援したいような気持になれた。「何もしなければ昨日と同じ明日しか来ない」というキーワードも素直に心に残った。
キャストが大人数なのは集客のためでもあるのだろう。キャストそれぞれのファンが観に来ることを期待して、より多くのキャストを起用する。そしてそれぞれに見せ場を用意しなければならない。その結果、時間は長く、印象は散漫になるのは無理からぬところだ。
そんな中、多田愛佳は、主要なキャストとして、立派に役割を果たしていた。健気な女性の役なので、ユニークな個性を発揮できるような場面はなかった。一途で健気な感じはよく出ていた。カーテンコールでもしっかりした内容を話していたし、既に新しい居場所を見つけたのだなと感じた。
HKT48を卒業する彼女の新しい一歩は、図らずもこの演劇のテーマともシンクロしていた。これからも陰ながら応援したい。
亡くなったX-JAPANのhideのファンからの投稿メッセージを素材として、hideの歌に勇気づけられて人生を一歩踏み出す若者たちを描いた群像劇だ。
アルバイトも遅刻ばかりで覇気のない生活を送っている主人公。その恋人役が多田。他に会社でトロいと馬鹿にされている会社員、韓国から出稼ぎに来ている工員、学校のラクロス部でウザがられて部をやめた女子高生、医者の許婚がいるのに実はダンサーになりたい女性、双子の姉の遺志を継いでアイドル活動をしているが実はロックバンドをやりたい女子高生、彼らの周囲の人々も含め、総勢30名ほどのキャストがそれぞれの人生を懸命に生きている姿を描く力作だ。
力作だけに、上演時間も2時間30分を超えた。群像劇にありがちだが、それぞれの人物のエピソードが丁寧に描かれ、舞台転換も多いので、少し散漫な印象もあった。むしろ映画やテレビドラマに向いているような素材、演出だと感じた。また、劇中使われていたX-JAPANの楽曲をよく知っていれば、もっと楽しめたのかもしれない。
しかし、生身の役者がその場で演じているという迫力は独特のものがある。映像作品にはないものだ。そういう迫力は感じることができたし、それぞれの人物の小さな一歩を応援したいような気持になれた。「何もしなければ昨日と同じ明日しか来ない」というキーワードも素直に心に残った。
キャストが大人数なのは集客のためでもあるのだろう。キャストそれぞれのファンが観に来ることを期待して、より多くのキャストを起用する。そしてそれぞれに見せ場を用意しなければならない。その結果、時間は長く、印象は散漫になるのは無理からぬところだ。
そんな中、多田愛佳は、主要なキャストとして、立派に役割を果たしていた。健気な女性の役なので、ユニークな個性を発揮できるような場面はなかった。一途で健気な感じはよく出ていた。カーテンコールでもしっかりした内容を話していたし、既に新しい居場所を見つけたのだなと感じた。
HKT48を卒業する彼女の新しい一歩は、図らずもこの演劇のテーマともシンクロしていた。これからも陰ながら応援したい。