フェロシルトの不法投棄で、自治体がリサイクル認定をすれば再利用できるという制度の問題が明らかになったのは一昨年。
2005.12.12 ◆リサイクル認定制度の全国の行方
この制度は各地で住民との軋轢(あつれき)を生んでいる。
九州・熊本の石炭灰のことに触れたのは、つい3日前
九州電力の石炭灰で埋め立て。熊本県苓北町
「産業廃棄物を減らす」という至上命題のもと、名目をつけて「再利用」すれば『処分』すべき分は減るから、国などは各県に「お任せ」で推奨している。
事実を深く『見たくない』自治体の場合は、さらに、業者に「お任せ」。
フェロシルト問題の発覚で、各県が制度の点検を行ったはずだった。
ところが・・三重県のフェロシルト問題から制度の欠陥を十分に知っているはずの愛知県で、問題が明らかになった。
● 愛知県の制度にリンク
愛知県リサイクル資材評価制度 平成19年8月10日(金)
愛知 リサイクル資材評価制度のしくみ(流れ)(WORD形式:14KB)
8月10日現在のあいくる材全リストはこちら
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● 鉄鋼スラグから有害物質溶出 愛知県認定のリサイクル資材 中日 8月23日
愛知県の愛西市や飛島村などの5カ所で野積み保管されている鉄鋼スラグの溶出水に、環境基準を大幅に超える鉛やホウ素などの化学物質が含まれていることが22日、粕谷志郎・岐阜大教授(環境生態学)の調査で分かった。鉄鋼スラグは同県からリサイクル資材として認定を受け、公共工事でアスファルト舗装の路盤材などに使われており、粕谷教授は「環境への影響など、さらに詳しい調査が必要」と指摘している。
鉄鋼スラグは、くず鉄などを高炉や電炉で再生するときに出る副産物。路盤材やコンクリート製品の骨材として利用されている。愛知県は02年、廃棄物を資源再生させるため県リサイクル資材評価制度(あいくる)を制定。同県蟹江町の産業廃棄物中間処理会社が作る鉄鋼スラグを、リサイクル資材に認定した。
この中間処理会社や愛西市の別の会社も、同市などで鉄鋼スラグを野積み保管している。粕谷教授は、その5カ所の敷地から流れ出る水を採取、分析した。
その結果、いずれも人体に悪影響を与える有害物質4種類を検出。ホウ素は5カ所すべてから1リットル当たり11-280ミリグラム(環境基準1ミリグラム)と、最高で環境基準値の約280倍だった。セレンは3カ所で0・27-0・65ミリグラム(同0・01ミリグラム)、鉛は1カ所で0・34ミリグラム(同0・01ミリグラム)といずれも基準値の数十倍に上った。また、検出限界以下の参考値ながら、ヒ素は3カ所で0・059-0・36ミリグラム(同0・01ミリグラム)。
同県建設企画課は「『あいくる』の認定時に、化学物質の溶出がないか検査結果を業者から提出させているが、もとは廃棄物。品質管理を徹底する必要がある」と話している。同県資源循環推進課は「リサイクルが隠れみのになってはいけない。環境基準を超えるものは、『あいくる』とは認められない」と厳しい姿勢を見せている。
粕谷教授は「鉄鋼スラグには、さまざまな有害物質が含まれている可能性が高い。検査を業者任せにするべきでない」と話している。
(中日新聞)
● 鉄鋼スラグ問題でサンプル調査を開始 愛知県「基準超過なら指導」 中日 8月23日 夕刊
愛知県の愛西市や飛島村などで野積み保管されている鉄鋼スラグの溶出水から、環境基準を大幅に超える鉛やホウ素などの化学物質が検出された問題で、県は二十三日、野積み場所や、鉄鋼スラグを加工販売している同県蟹江町の産業廃棄物中間処理会社でサンプル調査を始めた。県は「環境基準の超過を確認すれば、防止対策などを指導する」としている。
同県廃棄物監視指導室によると、鉄鋼スラグが野積み保管されているのは同県弥富市、津島市、飛島村、愛西市の農地など六カ所。このほか弥富市の一カ所で過去に野積みされていたが、現在はないという。工場からサンプルを抜き取り、分析を始めた。調査は六カ所と弥富市にある中間処理会社の工場の計七カ所から採取した九サンプルを分析。加工過程や野積みされた経緯なども調べる。
また、県は鉄鋼スラグを原料にし、この産廃中間処理会社が加工している路盤材を、二〇〇三年にリサイクル資材に認定した。県は「野積みされている鉄鋼スラグが、県認定のものか不明。今後調査する」と話した。これまで会社側が提出した公的な検査機関の三回の調査や、県が今年二月に実施した工場のサンプルの抜き取り調査でも問題はなかったという。
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