一昨年から提唱されて、自治体が過払い金を滞納者の財産として差し押さえ、徴収率アップと多重債務者の生活再建につなげる動きが広がっている。
今回、提訴に踏み切る公共団体があるという。
今朝の毎日新聞一面に出ていたイチオシのニュース。
過払い金というのは、要は高金利で業者が違法にとっていた分を借り主本人の分として戻させるべきお金。
これをサラ金業者から行政が積極的に回収をはかるわけだ。
過払いの真実を知らずに、業者の悪質な取立てに真面目にお金を「返していた当事者」。だから、滞納も蓄積する方向。そこで、発想の転換を、ということ。
インターネットで拾ってみた。
神奈川県では、差し押さえから滞納整理して、なお、おつりが出て、当事者に返還したとか。
全国で初の差し押さえは今年春の芦屋市。全国から問い合わせがたくさんきているという。
市民の立場に立って動いたら市民も役所も利益・・なんてケース、珍しいような珍しくないような・・ともかく、それでこそホント
前からうちの役所に話しているけど、
「滞納者の分を差し押さえるなん、そんなことは・・」 という雰囲気だったけど。
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● 過払い金:貸金業者相手に自治体が初の取り立て提訴へ 毎日 8月30日
茨城租税債権管理機構(管理者、串田武久茨城県竜ケ崎市長)は近く、大手消費者金融を相手取り、税金滞納者が借金返済で過剰に支払った利息(過払い金)を取り立てる民事訴訟を起こす。自治体が過払い金を滞納者の財産として差し押さえ、徴収率アップと多重債務者の生活再建につなげる動きが広がっているが、提訴に踏み切るのは全国初。
同機構は地方税の徴収を広域的に進めるため、茨城県の全市町村が参加し01年に設立された。滞納状況を調べる中で、ある滞納者が大手消費者金融に利息を過払いしていると判明。この業者に4月、過払い分約160万円の差し押さえを通知した。しかし業者は「過払い金は存在しない」として同機構に異議を申し立て、6月に却下された後も支払いに応じないため、提訴を決めた。30日の同機構議会で正式に承認される見通し。
貸金業者への過払い金の差し押さえは今年3月、兵庫県芦屋市が全国で初めて踏み切った。10年前から市民税などを滞納していた夫婦が、5社に計約410万円の利息を払い過ぎていると判明。差し押さえ後に3社は市に計約125万円を支払ったが、2社は応じず、提訴を検討している。同市ではこのほか、国民健康保険料の滞納でも商工ローンなど2社の過払い金を差し押さえている。
芦屋市によると、これまで約60の地方公共団体から差し押さえに関する問い合わせがあった。同市を含む6団体が計14の貸金業者に差し押さえを通知、うち7社が取り立てに応じているという。
総務省によると、地方税滞納残高は05年度末現在で2兆376億円。同省自治税務局は「地方財政が悪化する中、過払いに注目して徴収率を上げるのはいい取り組みだ」と話している。【磯崎由美、若井耕司】
【ことば】過払い金 貸金業者の多くは利息制限法(上限15~20%)と出資法(同29.2%)の中間にあたるグレーゾーン金利で融資してきたが、昨年1月の最高裁判決で、利息制限法を超える金利は支払う必要がないとの判断が示されて以降、超過分にあたる過払い金の返還請求が急増した。消費者金融大手4社の今年4~6月期の返還総額は684億円と前年同期の2.5倍になっている。
毎日新聞 2007年8月30日 3時00分
● 過払い金で自治体初提訴へ 茨城、滞納税に充てる目的 中日 8月30日
2007年8月30日 13時19分
茨城県内の全市町村でつくる一部事務組合「茨城租税債権管理機構」が、税金滞納者が法定利息を超えて大手消費者金融「武富士」に支払ったグレーゾーン金利による「過払い金」約160万円の債権を差し押さえた上で、武富士側に返還を求める訴訟を起こすことが30日、分かった。
同機構によると「過払い金はこの滞納者が保有する唯一の債権で、回収して滞納した税金に充てることは妥当」としている。過払い金をめぐり、自治体側が金融業者を訴える訴訟は全国で初めてという。
同機構は4月、この滞納者の過払い金請求権を差し押さえ、武富士に支払いを求めたが拒否されたという。武富士の広報担当者は「弁護士と協議して対応する」としている。(共同)
● 過払い金利で税滞納帳消し、おつり 神奈川の県税事務所 朝日 7月5日
税金を滞納した中古車販売会社が商工ローンに払い過ぎていた金利約1435万円を、神奈川県南県税事務所が取り戻し、税金の滞納額約1000万円に充てたうえ、それでも余った約435万円を会社に返したことが4日、分かった。県の担当者は「会社からすれば、滞納していた税金がなくなった上、お金まで戻ってきた。非常に珍しいケースだ」と話している。
県税務課によると、税金を滞納していたのは横浜市内の中古車販売会社。00年ごろから自動車税と法人県民税を滞納していた。
この会社は商工ローン4社から運転資金を借り入れていたが、グレーゾーン金利分を過払いしていたことが県税事務所の調査で分かった。県税事務所は3~4月に、会社が過払い分を返還請求できる権利を差し押さえた後、5月中旬までに4社から払い戻しを受け、税金の滞納分に充てるなどした。この会社は商工ローンに金利を払い過ぎていることに気づいていなかったという。
同課によると、自治体が金利の過払い分を差し押さえた例は全国でも珍しいという。
● 芦屋市が消費者金融過払い金債権差し押さえ 多重債務の市税滞納者、全国初 iza 3月19日
市税滞納者が消費者金融「プロミス」などに支払っている利息の過払い金をめぐり、兵庫県芦屋市が、同社などに対して滞納債権として差し押さえることが19日、わかった。過払い金を差し押さえて滞納税に充当するのは全国でも例がないといい、今後、他の自治体にも同様の動きが広がるとみられる。
市収税課によると、差し押さえるのは市内で自営業を営む40、50代の夫婦の過払い金。約10年前から個人市民税や固定資産税の返済が滞り、延滞金なども含めると約150万円にのぼっていた。
この夫婦が今年2月に同市の納税相談に訪れた際に、資金繰りのために消費者金融や信販会社など計5社から金を借りており多重債務に陥っていることが判明。借入期間も長期間に渡っているため、過払い金が相当額あることがわかった。
プロミスには19日午後に神戸市内の支店を訪れ60万円を差し押さえる。他社も近日中に差し押さえる方針。
過払い金は、債務者が消費者金融などから利息制限法(上限20%)の利率を超える利息で借り入れし、返済が終わったのに返済を続けたために払いすぎた金。
最高裁が昨年1月、同法を超えるいわゆるグレーゾーン金利の返済について「借り手の意思で払ったものではない」と判断。各地で過払い金の返還請求訴訟が相次いでいる。
市収税課は「今後も同様のケースがあれば順次差し押さえを実施したい」と話している。
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