愛知県では、先日の鉄鋼スラグの問題に続いて、瀬戸市の廃棄物処理会社「海青」が、産業廃棄物の汚泥を不適正に処理し、埋め戻し材として販売したことがとりあげられている。愛知県は、同社の埋め戻し材「再生土」は産業廃棄物に当たるとの見方を強め、行政処分に向けた最終手続きに入るという。
要は、速やかな撤去と業の許可の取消など。
鉄鋼スラグの続報にもリンク。 ▲鉄鋼スラグへの取り組み(その3)
今朝の中日新聞は、愛知県が30日から鉄鋼スラグ問題で14業者に立ち入り調査を始めたことを報道している(一番下でリンク)。
三重県に続いて、愛知県も大丈夫なのかな?
一昨日、石原産業の子会社の石原テクノ系の材料の問題で北海道の人から照会が来た・・
あちこちで・・
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(まず、業者のデータに)
トータルリサイクルカンパニー海青:KAISEI
第1、第2中間処理場に「管理型」の最終処分場を備えた国内唯一のトータルプラントとして、工事現場や工場から排出される汚泥を処理します。もちろん汚泥といえども貴重な資源の一つ。そのまま処分するのではなく、最終的に再生土や焼成骨材、砂としてほぼ100%の割合で再生させ、社会へ還元しています。
事業案内
以下、 Q&A から一部を引用
●御社が処理できる品目にはどのようなものがありますか?
汚泥、廃プラスチック類の中間処理、汚泥、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の最終処分ができます。
●御社にお願いする一番大きなメリットはなんですか?
当社では受入れる廃棄物をリサイクル最優先で処理致しますので、環境負荷の低減・循環型社会の実現に貢献します。また、収集運搬から中間処理・最終処分までお客様をトータルにサポート致します。
●環境に関する支援・アドバイスはいただけますか?
当社は廃棄物処理業者の立場から豊富な経験と実績をもとにゼロエミッションの提言など全面的にサポートさせていただきます。
●建設汚泥か発生土かの判断はどうすればよいですか?
あくまで発生時の性状により判断され、工法によって一律に定まっているものではありません。セメントミルクやベントナイトの含有量も判断基準とはなりません。したがって、発生時に泥状であれば乾燥し、硬化しても汚泥として取り扱われます。
●汚泥の明確な判断基準はありませんか?
含水率が高く粒子の微細な泥状の掘削物が汚泥の定義です。判断するのは排出事業者ですが、掘削物を標準ダンプトラックに山積みできず、またその上を人が歩けない状態(コーン指数が概ね200KN/ m²以下又は一軸圧縮強度が概ね50KN/ m²以下)のものが汚泥に該当します。
●どのような汚泥でも処理できますか?
基本的には無機性の建設汚泥を扱っていますが、性質によっては工場系汚泥等も受け入れています。プラント周辺の環境を考慮し、臭いのある有機性汚泥はお断りしています。
●汚染土壌をどのように無害化処理するのですか?
当社の施設では加熱処理(1,000℃)により、汚染物質を分解・抽出し、無害化を図ります。
●汚染土壌の処理に伴ない、除去された有害物質はどうなるのですか?
排ガス処理設備で回収して分析を行い、産業廃棄物として適性に処理します。
●汚染土壌が無害化処理されたかどうかの確認はどのようにしますか。もし、無害化が確認されなかった場合はどうなりますか?
自社分析室にて分析し、無害化を確認します。無害化が確認されなかった場合は、自社の管理型最終処分場にて埋立て処分をします。
●無害化された土は、どのような用途に使用しますか?
園芸資材や建築資材として販売します。
●汚染土壌の調査や撤去作業はお願いできますか?
当社は環境大臣より指定調査機関の指定を受けていますので、調査から掘削工事・運搬・処理まで一括工事が可能です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●「海青」の埋め戻し材を産廃認定へ 愛知県が行政処分手続き 中日 8月30日
愛知県瀬戸市の廃棄物処理会社「海青」が、産業廃棄物の汚泥を不適正に処理し、埋め戻し材として販売したとされる問題で、同県は、同社の埋め戻し材「再生土」は産業廃棄物に当たるとの見方を強め、行政処分に向けた最終手続きに入った。
近く同社から事情を聴き、処分内容を最終判断する。産廃と認定されれば、産廃収集・運搬許可取り消しなどの処分となる可能性がある。
関係者によると、海青は一昨年以降、大手鉄鋼メーカーと、精錬炉などから出る汚泥について、海青所有の瀬戸市内の最終処分場に埋めるとの処理契約を結んだ。メーカーに提出された産廃管理票(マニフェスト)は、すべて最終処分場に埋め立てたと報告していた。
しかし、実際には、汚泥処理量約三万二千トンのうち、処分場への搬入は全体の七割だけで、残りは建設残土や建設汚泥などを混入させた「再生土」として販売。昨夏から年末にかけ、運搬業者や施工業者を通じ愛知県豊田、岡崎両市内の造成地に埋められたという。
県の調査によると、豊田市への埋め立ては、「再生土」をトラック一台分約五百円で販売する一方、海青側が運搬費として一回約五千円を支払う「逆有償」の疑いが確認された。
さらに埋められた「再生土」からは市の調査で有害物質のシアン化合物が検出された経緯もあり、県は「総合的に判断すると再生土は商品ではなく、産業廃棄物」との見方を強めた。
海青は三十日にも、豊田市に対して市内の再生土の自主撤去計画を提出。十月にも撤去が始まる見通しという。
海青は「逆有償」を否定する反論書を同県に提出しており、杉原盛秀社長(39)は中日新聞の取材に「(再生土の代金を超える)運搬料を払った事実は一切ない」と主張。その上で「県が『疑わしきは、撤去する』という姿勢は尊重する。県の指導には従う」と話した。
● 瀬戸の産廃業者 能力超え 汚泥引き受け 毎月3000トン 1日処理 数トン限界 読売 2007年3月30日
愛知県瀬戸市の産廃処理会社「海青」が、工場汚泥を県への申請と異なる方法で処理し、埋め戻し材として埋め立てていた問題で、同社は、高温処理するとしていたプラントの処理能力を超える大量の汚泥処理を引き受けていたことが、29日分かった。県では、同社から来月12日までに改善策の提出を求める。
県への申請では同社は、工場汚泥などを脱水後、自社のプラントで1000度程度で燃焼させ、埋め戻し材に加工するとしていた。ところが実際は、建設汚泥を混ぜるなど簡易な処理で済ませていた。関係者によると、プラントの1日の処理能力は数トン程度しかなかったが、同社では、大手鉄鋼会社のJFEスチールの工場汚泥を昨年3月~11月まで、毎月約3000トン弱受け入れていた。
また、同社は工場汚泥を1トンあたり1万2000~1万7000円で請け負い、同県豊田市の造成地では、工事業者にトラック1台(7トン)あたり500円で販売する一方で、同4900円を運搬費として支払っていた。県では、同社が処理能力を超えていることを知りながら、利益の上がる工場汚泥などを受け入れていた可能性があると見ている。再生土が持ち込まれた造成地のある同県岡崎市は29日、職員約10人を派遣して現地調査を行った。
(2007年3月30日 読売新聞)
● 野積みスラグ周辺 基準超す化学物質 愛西など専門家調査 読売 8月24日
愛知県蟹江町の産業廃棄物中間処理会社が製造した「鉄鋼スラグ」が野積みされている愛西市など県内5か所の周辺のたまり水から、環境基準を超える化学物質を粕谷志郎・岐阜大教授が検出したことが、23日わかった。このスラグは路盤材などに利用されており、リサイクル資材に認定している県が成分調査を始めた。
スラグは、製鋼の工程で石灰石などが溶融する副産物。粕谷教授が先月中旬、愛西市議の依頼で調査した結果、過剰摂取すると中枢神経障害などの原因になるとされるホウ素(環境基準1リットル中1ミリ・グラム以下)を5か所すべてで11~280ミリ・グラム検出。このほかにも3~1か所で3種類の化学物質を検出した。
粕谷教授は、「状況から化学物質がスラグから由来していることは明らか」と主張。一方、同社は、「引き取り時、販売時とも成分検査をしており、環境基準を超える化学物質は検出されていない」と反論している。
(2007年8月24日 読売新聞)
● 14業者に立ち入り調査 鉄鋼スラグ問題で愛知県 中日 8月31日
2007年8月31日 07時41分
愛知県弥富市などで野積み保管された鉄鋼スラグの溶出液から環境基準を超す鉛やホウ素などが検出されたとされる問題で、愛知県は30日、野積み保管している同県蟹江町の産業廃棄物の中間処理会社「共同建設」のほかに、県内で別の鉄鋼スラグを扱っている可能性のある同業者14社にも立ち入り調査を始めた。
対象は、鉄鋼スラグなど、鉱石から金属を製錬する際にできる副産物の鉱さいを処理する許可を持つ、県内の産業廃棄物の中間処理業者。鉄鋼スラグの処理方法や保管状況などを確認し、周辺の環境への影響が出ていないかどうかも調べる。
共同建設は、製鉄会社などから引き受けた廃棄物の鉄鋼スラグを加工し、路盤材や埋め戻し材などとして販売。しかし、破砕などの処理をした鉄鋼スラグを6カ月以上、雨や風にさらす工程(エージング)を工場外の複数の敷地で実施しており、県はこの完成前の鉄鋼スラグを産業廃棄物と判断。廃棄物処理法に基づく適切な保管をするよう指導する方針を固めている。
同県は同様な事例がないかを調査する必要があると判断。29日に地方事務所の担当者に、9月上旬をめどに結果を報告するよう指示した。
共同建設については、県はすでに立ち入り調査を数回にわたって実施。野積み保管されている鉄鋼スラグのサンプルの成分分析や溶出試験を行っており、9月上旬にも調査結果が出る見通し。
(中日新聞)
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