小沢騒動の続編。
11月5日の読売新聞は、「首相は連立協議を首相と小沢氏のどちらが持ちかけたかについて、「あうんの呼吸という感じだ」と述べるにとどめた。」とした。
5日の毎日新聞は、「もう一つ、中傷報道に抗議する。党首会談に関する新聞、テレビ報道は、報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、強い憤りをもって抗議したい。
私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について「小沢首謀説」なるものまでが公然と報道されています。いずれも全く事実無根です。
朝日新聞、日経新聞等を除きほとんどの報道機関が政府・自民党の報道を垂れ流し、世論操作の一翼を担っているとしか考えられません」とする。
小沢から好意を持たれた、その朝日新聞は、各界の意見を載せ
「おごり? 未熟さ? 小沢氏辞意表明 識者はこう思う」を記事にしている。
同時に、 小沢会見の全文
も掲載している。
夕刊になって、辞任の動向が少し揺たのか揺れていないのか・・・
7日の党首討論は中止。やっぱり、安倍辞任の時と同じパターン。
なお、 小沢騒動の前編はこちら
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(朝刊から)
●だれが連立持ちかけ…「あうんの呼吸」と首相 11月5日 読売
福田首相は5日昼、民主党の小沢代表との党首会談に関し、小沢氏が記者会見で、「首相は『連立ができるなら新テロ対策特別措置法案成立にあえてこだわらない』と述べた」と説明したことについて、「私どもは今の新法案を何とか可決していただき、インド洋での給油活動をぜひやりたいと一貫して考えている」と語り、否定した。
また、小沢氏が、「『国際協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連の安全保障理事会か総会の決議によって設立された、もしくは認められた活動に限る』と首相が確約した」と述べたことについて、「いろいろな話をした。その中にそういう話もあった」とし、約束があったことは認めた。ただ、「国連決議が出たら、何でもかんでもやるといったことになるのかどうか。その辺はよく詰めなくてはならない」と述べ、小沢氏の主張するように国連決議があれば武力行使も可能とする考え方には慎重な姿勢を示した。
首相は、自民、民主両党による連立政権構想について、「今までの話は一応終わったのではないか。今後何が始まるかはまだ分からない」と述べ、事実上白紙となったとの認識を明らかにした。
首相は連立協議を首相と小沢氏のどちらが持ちかけたかについて、「あうんの呼吸という感じだ」と述べるにとどめた。首相官邸で記者団に語った。
これに関連して、町村官房長官は5日午前の記者会見で、「この国会で最大の焦点である新テロ特措法を成立させる意思がなければ、党首会談をこのタイミングでやる意味がない。『法案の成立にこだわらない』と小沢氏が理解されたのは理解に苦しむ」と述べ、明確に否定した。(2007年11月5日14時1分 読売新聞)
● 小沢代表辞意:安保政策転換、政策協議開始に値する 11月5日 毎日
(民主党の小沢一郎代表の会見要旨)に続いての記事。
◇一議員となっても、次の総選挙は全力投球
--今後の政治活動。議員を続けるかどうか、離党の可能性は。
小沢氏 離党するなどということは今言っていないし、今後の政治活動についてはこれからゆっくり考えます。
--大連立にどんなイメージを抱いていたか。
小沢氏 連立というのは、皆さんご承知の連立でほかに二つも三つも解釈はないでしょ。通常通りイメージしています。
--辞意を決意した時点は? この時点で代表を辞すのは、衆院選に向けてマイナスになるが。
小沢氏 辞職願を出そうと考えたのは昨日。今朝、幹事長に届けさせた。私は一議員となっても、次の総選挙については全力で投球する決意は変わりません。ただ、この党首会談を巡って、このような報道が、私の不徳の致すところで繰り返されることは、党にとって決してプラスでない。また、党内的にも、やはりわが党はまだ若いですから、これを機会にみんなで考え議論して、本当に国民の期待に応えられる力強い、本当の意味での民主主義、民主党になっていただきたいというのが私の願望で、そのきっかけになればいいと思いました。
--これまで批判を続けてきた自民、公明と手を組むのは、国民の理解を得られると思ったか。
小沢氏 生活第一と我々が国民に約束したその政策が、協議によって現実のものになるなら、大変いいことと思います。国民にとって必要な政策を実行するための政治でしょ。それが実行されないでいたんでは、政治の意味がない。参院で過半数に近い議席を与えられたことによって、形はどうあれ、国民にとって必要な大事な政策が実行されるならば、大変結構なことだと私は思います。
--民主党は何が力量不足か。衆院選前の辞任は、参院選で投票した有権者への裏切りでは。
小沢氏 政権担当能力が本当にあんのかとか、あらゆる面でまだ今一歩という感じ。また、私に関しては、国民の皆さんに、こういうことになったことを申し訳なく思っていますが、事実無根の中傷報道がなされていたんでは、私がいることが党にマイナスになると判断した結果です。
--役員会での反対は予想していなかったのか。説得できるとしていたならば、見込み違いは。
小沢氏 見込み違いだとか、思惑を持っていたわけではない。国連の活動以外は、自衛隊、軍隊を海外に派遣しないというのは、今までの政府の憲法解釈の大転換だ。私がずっと主張してきたことだ。安易な軍隊の海外派遣はどのような結果を国民にもたらすか。歴史をひもとけばわかる。二度と過ちは繰り返さないためにも、国連を中心にみんなと平和を守っていく。そのために日本は最大限の努力、貢献をしなくてはいけないと言い続けてきた。国民生活の安定と安全のために大事だと思い、私個人としては大転換を福田総理が認めた一事をもっても政策協議に入ることはいいんじゃないかと思った。毎日新聞 2007年11月4日 20時16分
● 小沢代表辞意:会見で「中傷報道」とメディア批判も 11月5日 毎日
「けじめをつける」「中傷報道で党のイメージダウンとなる」。自民党との「大連立」構想、そしてそれが失敗に終わると、突然、代表を退くという小沢一郎・民主党代表の手法に、世間は2度驚かされた。辞意会見では民主党に対し「力量不足」と不満を漏らし、「中傷」と報道に矛先を向けた。トップに翻弄(ほんろう)される民主党の地方組織からは怒りや戸惑いの声が上がっている。【日下部聡、杉本修作、吉井理記】
予定より30分遅れの午後4時半、東京・永田町の民主党本部の記者会見場に入ってきた小沢代表は、笑顔で「(報道陣が)ずいぶんいるなあ」とつぶやきながらマイクの前に立った。余裕すら感じられる表情だった。
用意した文書を読み上げる形で大連立構想について「私が選んだ役員に否定されたことは不信任を受けたに等しい」と辞任の理由を説明。さらに、「『本当に政権担当能力があるのか』という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢にある」と、思いのままにならない党に対する不満も強調した。
表情が一層険しく変わったのは、会見が始まって約7分後だった。
「もう一つ!」--小沢氏は声を張り上げ、「中傷報道に厳重に抗議する」と続けた。
党首会談や連立構想を小沢氏側から持ちかけたとの情報が報道されたことについて、「私を政治的に抹殺し……」「民主主義の危機」など、激しい言葉を連ねた。
「有権者への裏切り行為ではないか」との質問には、「国民の皆さんには申し訳ない」と反省を見せたと思うと、「事実無根の中傷報道がなされていたので、私がいることが党のためにマイナスになると判断した結果でございます」。
いつしか、辞任の理由が、混乱を招いた責任から、メディア報道へと移っていた。さらに、「政権担当能力が本当にあるのか」「あらゆる面で今一歩」と、不満を繰り返した。
まだ四、五人の記者が手を挙げているにもかかわらず、記者会見は約20分で打ち切られた。
民主党本部は混乱に包まれた。会見後、鳩山由紀夫幹事長は「民主党がここまで来たのは小沢代表のおかげ。何とか思いとどまっていただきたい」と硬い表情で語り、党本部に入った羽田孜元首相は報道陣の問いかけに答えず、役員室にこもった。赤松広隆選対委員長は沈んだ声で「残念ですね」と一言残し、党本部を後にした。
一方、小沢氏に近い石関貴史衆院議員は「(福田康夫首相との)協議内容を党に持ち帰ったのは代表として当然。党内の誤った非難が小沢代表を辞任に追い込んだ」と小沢氏を擁護した。毎日新聞 2007年11月4日
● おごり? 未熟さ? 小沢氏辞意表明 識者はこう思う 11月5日 朝日
■英雄が失敗する典型的パターン 〈政治評論家の森田実氏〉
首相との事実上の約束を守れなかったのだから、責任をとるのは当然だ。ただ、会見を見ていて「小沢さんは分かってないなあ」と思った。国民が彼に不信を持つのは、「政権交代をする」と言い続けて参院選で支持を集めたのに、違う方法をとろうとしたから。これでは国民を欺くことになってしまう。そもそも首相と2人だけで会談したのはなぜか。「密室政治」「独断専行」と言われても仕方がない。
もしも党代表を辞めないまま政権が交代していれば、間違った人物が権力を持ってしまうところだった。もっとちゃんとやってくれると期待していたが、参院選の成功がおごりに転じた。英雄が失敗する典型的なパターンだ。
■よく考えた上での動きとは思えず 〈橋爪大三郎・東工大教授・社会学〉
今回の小沢代表の動きは不可解だった。小選挙区制・二大政党制なのだから、衆参院のねじれで膠着(こうちゃく)状態になれば、総選挙で野党が政権交代を目指すのが筋だ。普通、大連立は、第3党がキャスチングボートを握るのを嫌い第1党と第2党が組むものだが、今回の大連立はそうとは思えず、よく考えた上での動きとは思えない。
民主党は政権担当能力を証明するために堂々と国会で論戦を続けていくべきだった。総選挙で負けたとしても、負けっぷりがよければその次にチャンスがあったはずだ。小沢代表の行動は、日本の政党政治はまだ未熟だという印象を国民に与えたのではないか。
■行動力や決断力、見せたかった? 〈佐藤綾子・日大芸術学部研究所教授・心理学・パフォーマンス学〉
辞任会見でもなお、小沢氏は大きな声で語尾を強め、あえて挑戦的な言い方をした。参院で第1党になったことの自信や強気の表れだろう。福田首相との党首会談をめぐる混乱の責任をとって党代表を辞任するというのは、安倍前首相が辞めたときと違って大義名分が成り立つ。このままでは党内がまとまらないと判断し、自ら花道をつくって格好よく辞めてみせた。党内や国民に対し、自らに行動力や決断力があり、荒業ができるということを見せたかったのだろう。
小沢氏は今後、党内にとどまって隠然と力を蓄え、選挙を戦える態勢を整えるのではないか。
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(夕刊から)
● 小沢代表辞意:7日の党首討論は中止 11月5日 毎日
小沢一郎民主党代表の辞意表明を受け与野党は5日、自民、公明両党が国対委員長会談を開いたほか、自民、民主両党も国対委員長が電話で協議するなど国会の対応に追われた。小沢氏の進退を見極めた上で今後の日程を調整する。
自民党の大島理森、民主党の山岡賢次両国対委員長は5日午前、電話で協議し、7日に予定していた福田康夫首相と小沢氏による国会での党首討論について、山岡氏が大島氏に「開催は無理だ」との見通しを伝えた。政治資金規正法の改正を巡る与野党協議は、予定通り5日午後に開くことで一致した。
新テロ対策特別措置法案を審議する衆院テロ防止・イラク支援特別委員会は5日午前、海上自衛隊のインド洋での給油量の誤りに気づきながら報告を怠ったとして海上幕僚監部の寺岡正善・元防衛課長を参考人招致する予定だったが、寺岡氏が招致に応じず、午前中の委員会開催は見送られた。午後は有識者を招いての参考人質疑を予定通り行う。【小林多美子】毎日新聞 2007年11月5日 12時45分
● 小沢代表辞意:翻意困難との見方強まる…緊急役員会で協議 11月5日 毎日
民主党は5日午後1時過ぎから党本部で緊急役員会を開き、小沢一郎代表の辞意表明を受けた対応の協議を始めた。役員会では小沢氏慰留を確認するとみられるが、翻意は困難との見方が強まっている。鳩山由紀夫幹事長は同日午前、東京都内で記者団に対し、小沢氏の辞意は固いとの見方を示したうえで自民党との大連立構想を否定、自衛隊派遣に限定した協議は検討対象との認識を示した。後継代表選びは両院議員総会での選出を念頭に進める考えを表明した。
小沢氏は4日、代表を辞める考えを示したが、鳩山氏らが慰留したため執行部に進退を委ねた形になっている。小沢氏は連立を前提とした政策協議を主張しており、党内では連立を容認しなければ小沢氏は留任しないとの見方が強い。小沢氏が欠席して開く役員会は同氏慰留を確認するものの、連立協議入りは困難との認識を再確認するとみられる。
鳩山氏は「大連立を前提としたらすべてが狂う。党内でまとめていくことは不可能だ」と述べ、小沢氏の主張する「大連立」構想を否定。そのうえで「(小沢氏の)翻意は容易ではない」と指摘した。小沢氏が党の政権担当能力不足を連立の理由に挙げたことには「一党の党首が自分の党を未熟だ、選挙に勝てないと言われると、今まで努力した方々には大変つらい話になる」と不快感を示した。
新テロ対策特別措置法案について党は5日の国対幹部の会合で反対する方針を再確認した。ただ、鳩山氏は「自衛隊の海外派遣問題に関しての(政府・与党との)協議は必要なので、これに限った形の政策協議について議員の皆さんがどう考えるかだ」と述べ、連立を前提としない自衛隊派遣問題に限定した協議は検討対象と認めた。小沢氏に近い議員にはこれを翻意の説得材料と期待する見方もある。
党内には次期代表を巡る動きも出ている。5日午前、旧社会党系グループによる会合では菅直人代表代行が暫定的に職務を代行すべきだとの意見が大勢を占めた。鳩山氏は「暫定的というよりも、代表選挙になると思う。新しい代表ができるだけ速やかに選出されるような手段をとるべきだ」と述べ、小沢氏辞任が確定した場合、時間を置かず新代表を選出すべきだ、との考えを示した。党員投票によらない両院議員総会を念頭に置いた発言とみられる。後任には岡田克也副代表らの名が挙がっている。【大貫智子】
● 民主、小沢代表を慰留へ…緊急役員会で決定 11月5日 読売
民主党は5日午後、党本部で緊急役員会を開き、4日の記者会見で辞意を表明した小沢代表を引き続き慰留する方針を決めた。(2007年11月5日15時34分 読売新聞)
● 小沢氏慰留で民主、政策協議に含み 連立なしが条件 11月5日 朝日 2007年11月05日13時10分
民主党は5日午後1時から党本部で役員会を開き、小沢代表の辞職願への対応の協議に入った。鳩山由紀夫幹事長らは小沢氏に翻意を求めており、慰留方針について役員らの了承をとりつけたい意向だ。小沢氏が求める連立協議については「連立を前提とすべきではない」との意見が大勢で、鳩山氏らは連立と切り離し、自衛隊海外派遣などテーマ別政策協議に限り小沢氏の主張を受け入れる方針。小沢氏が辞意を撤回するとの観測も党内の一部に浮上している。
小沢代表が欠席するなか、開かれた民主党の臨時役員会。右から鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行、輿石東参院議員会長=5日午後1時5分、東京・永田町の同党本部で
鳩山氏、菅直人代表代行、輿石東参院議員会長らは5日朝、電話で連絡をとりあい、(1)連立政権を前提とした政策協議は認められない(2)安全保障など個別テーマごとの政策協議は受け入れる――との慰留方針を確認した。
鳩山氏は5日朝、都内で記者団に「自衛隊海外派遣に関して協議することは国益を考えた場合に必要だ」と小沢氏の主張に一定の理解を示した。一方で「大連立を前提にして党内をまとめることは不可能」と語った。別の党幹部も5日朝、「役員会で全会一致で慰留を確認したい」と強調した。小沢氏が軟化しつつあるとの情報もあり、山岡賢次国会対策委員長は5日午前、国対役員に「これまで通り代表は続投する方向だ」と伝えた。
ただ、いったん会見で辞意を宣言した小沢氏が慰留に応じることは難しいとの見方は根強い。小沢氏に近い党幹部は5日朝、「一度決めたことは固い。辞めると思う」と語った。役員会メンバーの一人は「小沢代表は許せない。会見で選挙に勝てないと言った人間を大将にすることはあり得ない」と語り、慰留は困難との見通しを示した。
小沢氏が慰留を固辞した場合の次期代表選びについては、鳩山氏は「政治を停滞させてはいけない。暫定的と言うよりも、新代表がすみやかに選出されるような手段をとるべきだ」と語り、ただちに代表選を実施することが望ましいとの考えを示した。一方、今国会会期中は代表ポストを空席とし、国会閉会後に代表選に踏み切るべきだとの案も浮上している。
● 小沢代表辞意:「慰留」で役員会一致 民主党 11月5日 毎日
民主党は5日午後、党本部で役員会を開き、辞意を表明した小沢一郎代表を慰留することで一致した。小沢氏の主張する自民党との大連立は慰留の前提としないが、安全保障など個別テーマごとの政策協議は受け入れることも確認した。
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