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いきいきセカンドステージ 【寺町 知正さん】
土作り3年 自然の理で 2007年11月21日
南北の気候差の大きい県内のやや南寄りの山県市近辺では、11月中旬はタマネギ苗の定植やエンドウなどの種まきなどが残る。飛騨からは赤カブ漬けの便りが届く頃。もっとも、これら地域ごとの作業も、地球温暖化の影響で、古老や先輩農家の経験より後ろにずれているようだ。
これからの冬場、地域や作物に関係なく共通する課題は土づくり。小さい規模では畑のやりくりも必要になってくる。今から収穫を進めていくと、順番に場所が空く。その空いている冬の間に土作りをしたい。有機質肥料を土に混ぜて次の作付けの準備をする。
農薬などに頼らずに野菜をおいしく作るには、肥えた土を使う。作付け直前の施肥は避けるという原則を心得ておきたい。春にあわてて土に肥料を混ぜ、直後に作付けするようでは、病気や虫を招待しているようなもの。作付け直前に肥料を畑の全面に混ぜ込んで作る手法は最悪だ。
たいていの菜っ葉類や根菜類は、栽培の後半は肥料をやらないのがおいしくするコツ。イモ類は早い時期でも肥料をやると味が落ちる。まだ肥えた土になっていない場合は、直前の肥料に頼るより早めの追肥でしのぐ方が無難だろう。
「土作り3年」と言われる。
土が肥えていない場合や追肥をする場合には、堆肥(たい・ひ)を土の上に置くのがコツだ。こうすれば雑草の防止にも保温にもなるし、作物の根に悪影響を与えない。季節がめぐり、次の野菜の作付けの時には、土になじんで優良な素材として土の中に入っていく。
実は、これは手抜きの土作りなのだが、自然の理とサイクルにかなう形で手抜きをすることが楽しい畑仕事、豊かな田舎暮らしの基本だと思う。 |