tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

バリ/パダンバイの人々

2009-07-26 20:29:49 | 日記

 
 
 
 

クタなどの繁華街に行くと白タクや物売りがいて、よく声をかけられる。だが、いらない時はキッパリと断れば、そんなにしつこく付きまとわれることはない。態度が曖昧であれば付きまとってくるようだ。
そして、睨みつけて断るのは大抵、日本人。西洋人は少なくとも、人としてのコミニュケーションがある。

不思議なのは、バリの物乞いの女性。たいていは、みすぼらしい服を着て幼児を連れている。お金の無心を子供にやらせている女性も居る。
そういう姿を見るにつけ、たまたま豊かな国ニッポンに生まれてきたぼくは暗い気持ちになってしまう。その女性から視線をそらしてしまうわざるを得ない。
ところが現地の人たちは、自分の懐がさみしくてもお金を恵むのだ。それを見ていると、なんとも複雑な思いに駆られてしまう。
現地で仲良くなったバリ人に聞くと、幼い子と一緒に物乞いするのは、バリ島の東部に伝統的に続く一種の修行のようなものらしい。つまりは托鉢。そうした人たちにお金を施すことで、今度は自分が神様から助けてもらえるのだと言う。

パタンバイでは、炎天下何時間も、さほど多くはない海岸付近のワルンを歩いて回って、観光客にサングラスを売ろうとする老人を見た。サングラスを1個売っても、儲けは100円にもならないだろう。しかも、何日も売れている様子はない。
たしかに、インドネシアでは家族や親類を大切にし、事あれば全員で支える。その上、バリ島では、町でも村でも地域ごとの共同体の意識が強く、夫を亡くした妻と幼い子供が何人居ても、その共同体が家族同様に支える。だから、もう一年以上も仕事がないという家族でも、さして深刻な表情もせずに暮らしていかれるらしい。
そういうシステムであることを頭で理解するんだが、炎天下に売れないサングラスのショーケースを持ち歩く老人をみていると、なぜかやりきれない気持ちがこみあげてくる。

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