ご存じ、出光佐三氏の本。出光興産の創立者というよりも、「海賊とよばれた男」のモデル方が有名だろう。日露戦争や関東大震災、世界恐慌、第二次世界大戦、オイルショックなど激動の時代に
石油業界で生き抜いた。
「海賊とよばれた男」を読んで、この人の行動の元となる理念、サムライ魂について、薫風を受けたいと思った。日本にこのような血のたぎる男がいたのかと思うと身震いがした。そして、日本中の男たちが出光氏みたいなサムライだったら、日本も変わるだろうと本気で思った。
「マルクスが日本に生まれていたら」は、出光氏が自らの「和」の思想を語り、社員たちと正面から議論をぶつけあった記録だ。
「人の国」日本と「モノの国」西欧。和を尊ぶ日本人、対立闘争する西欧人。
・・・ぼくは自分の小学校の卒業文集に、「未来は心の時代」とか書いた記憶があるが、ひょっとしたら出光氏みたいな人の受け売りだったのかもしれない。仔細もわからずに言葉を真似してたわけだ。
実はこの歳になっても、出光氏の言う「主義の奴隷になるな。金の奴隷になるな」がよく理解できてない。マルクスについては、皆目理解不能。。
それでも「清貧であれ。贅沢するな」は、両親が出光氏と同じような年齢だったから、小さい頃から両親にやかましく言われてたことを思い出す。見栄で無駄遣いを繰り返している自分が情けなくもあり、耳に痛いばかりではあるが。。
マルクスが日本に生まれていたら・・・。歴史に『もしも』はないが、西洋の後を全力で追いかけてた日本だ。彼もまた全力で革命に取り汲んだのかもしれない。しかし、闘争の日々は進歩を生むことはない。「共産宣言」は、一字一句、日本の状況に合わせて修正されることなく、闘争の種として奉られたように思えてならない。
パラドックスになってしまうのだが、経済という力がない限り、彼の理屈を受け入れる土壌は日本のどこにもなかったように思う。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます