今回のツアーの中核をなすのは、「ひもの体験」。参加者それぞれが、全身に塩をかぶって風にあたる・・・ではなくて、昔ながらの「ひものを味わう」のが趣旨だ。
っていうか、「ひもの体験」とあったので、パンフレットの中身を確かめもせず、朝獲れの魚を開いて干すのを体験するのかなと思っていたが、全然違っていた。
ひものはまず、塩を振ることで表面が脱水され味が濃縮する。もちろん、塩分を高くし脱水することで雑菌の繁殖を抑えることができる。そして、風乾し熟成により、魚肉を形成するタンパク質が分解され、「旨味」と呼ばれるアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、イノシン酸など)が生成する。人間の舌においてアミノ酸を主に反応する細胞「旨味受容体」により、旨味が認識されることになる。
食品がもともと持っている酵素の力で、たんぱく質の構造を壊して、アミノ酸へ変換するのは「自己消化」。例えば、刺身があまり新鮮すぎると味がもの足りないのは、アミノ酸等の旨味成分が少ないこと。これがしめてから12〜24時間経ったころにアミノ酸等の旨味成分が多くなり、より美味しくなる。
ということを、ひもの屋さんの美人三姉妹の一人、あいこさんから教わった。和食は「味」だけでなく、見た目も大切だ。あいこさんの北陸弁は耳にもやさしい。
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