「化学調味料」という言葉は、今は使われていない。原料・製法について表現が不適当という理由からだ。
現在、うま味調味料として使われているアミノ酸系のグルタミン酸ナトリウムや核酸系のイノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムのいずれも、安全性が確認された食品添加物だ。
例えば、味の素の主成分であるL-グルタミン酸ナトリウムは、当初は小麦などのでんぷんから抽出されていた。現在は廃糖蜜やでんぷんなどの糖質原料をもとに「微生物による発酵法」で安価に大量生産されている。石油原料からL-グルタミン酸ナトリウムを精製する技術が数十年前にあったことは事実だが、コストや品質の問題などがあって、とうの昔に中止されている。これを元に、味の素=化学調味料は『買ってはいけない』との風評が立ち、消費者の不安が煽られた。
「出汁を引く」。かつお節・昆布・煮干しを使った和風だしは日本の食文化だ。ただし、素材の旨味を自然に「引き出す」には、手間暇がかかる。食品添加物としてのうま味は、「うま味調味料」として利用されている。安く、そして、手軽に料理にうま味を加えることができる。
ぼく個人としては、「うま味調味料」を使った料理に、何の反論もない。旨ければ、そして、手軽に楽しめるのなら、それでいいと思う。第一、料理の時間の節約ができる。それでも利益を求めるため、企業により大量生産される食材については肯定はしない。大量生産、そして、長期保存のために用いられる保存料は、食品添加物として安全性が認められてはいるものの、自分の舌がその刺激に反応する。苦さなどの刺激は毒物であることを体が本能的に反応する。
あい子さんのところのひものは、「うま味調味料」さえ使っていない古くからの味だ。だから、手間がかかる上に少ししか作れず、ほとんど地産地消の儲けはわずかだ。
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