「生と死を考えるセミナー」、第20回目の今年は大江健三郎が講演
ナレーションもテロップも効果音も全て排した観察映画を創作し続けている想田和弘監督。その第二作『精神』を見た衝撃は、今も続いている。
そして、その映画『精神』の撮影舞台となったのが、精神科診療所「こらーる岡山」。その「こらーる岡山診療所」内にある精神障害者の作業所「パステル」の配達する「山の牛乳」を、映画『精神』のご縁もあり今も飲んでいる。
想田和弘監督は現在、劇作家の平田オリザさんと青年団を被写体に第3弾『演劇(仮題)』を秋の完成をめざして編集中であり、日本では来年の公開をめざしていると聞く。
さて、ずいぶんと前置きが長くなったが、「こらーる岡山」に事務局が置かれている「岡山・生と死を考える会」が、毎年開催し続けている「生と死を考えるセミナー」は今年20回目の節目となる。「20周年記念セミナー」は、6月20日(日)に開催される。
その「セミナー」の講師として、第一部は「生と死を考える会」会長でもあるの高木孝子ノートルダム清心女子大学学長、そして第二部には作家の大江健三郎氏が登場する。とても内容のある講演会となることは間違いない。私も既にチケットを入手し、当日をとても楽しみにしている。
ところで、私は若い頃に大江健三郎氏の小説『個人的な体験』、『ヒロシマノート』(岩波新書)、エッセイ集『厳粛な綱渡り』等を読んで感動し、現在では大江健三郎の全著作を書棚に並べている。私が定年後にしたかったことの一つは、大江健三郎全小説・全10卷を創として全著作を通読することだったが、未だ読み始めることすらできていない。
毎日が日曜日でも、結構時間がなく、日々が流れるように過ぎてゆく。流されゆく日々にあがらって、意志的に生きていかねばと反省の日々だ。その意味でも、「第20回生と死を考えるセミナー」に参加して、まさに「生きるとは」を学びたいと考えている。