おしゃべり目玉の貫太郎さんご夫妻やALS患者の方々の生き様に感動
貫太郎は、生きたまま、自分の身体のなかに閉じ込められている。
全身の運動機能を失い、話せない、歩けない。
身体が全く動かない。
いや、できないことを並べるより、できることを探したほうがいい。
目玉でしゃべり、目玉で嘆き、目玉で怒り、そして目玉で人を笑わせる。
医者からは数週間の生命と言われた。
万一生命をとりとめたとしても、植物状態になると言われた。
けれど、その貫太郎が、今では人を笑わせるのだ。
私を、家族を、友人を。
鈴木公子著『おしゃべり目玉の貫太郎』の「はじめに」の一文だ。この本をを読んで、その力強い生き様に感動するとともに、大いに励まされた。
貫太郎さんは、ゴルフのプレイ中に、崖から落ちてコンクリートの側溝で頭を強打し、「ロックトイン症候群」という病名をもらった。昨日「ALS」関連の本と書いたが、「ALS」という難病に冒されたわけではないが、「閉じ込め」という点では、同一の症状を呈することとなる。
閉じ込め症候群 locked-in syndrome
意識障害はないが、運動機能が完全に麻痺した状態をいう。脳底動脈血栓症による脳幹梗塞で、随意運動の遠心路 が障害されたものである。 眼球運動は維持されており、眼開閉により意思疎通が可能である。
さて「閉じ込め」により、妻公子さんの支えを受けて、目玉だけが動くことを力として意志を伝え、ついには2人でヨーロッパまで旅行をしたりもする。公子さんは書いている。「『奥さんはえらい、こんな重度な障害を持ってる旦那さんから逃げ出さずに』と言われるが、『私は〈えらい〉から逃げ出さないのではない。逃げるほうが恐いと思っている。動けない人を置き去りにして、楽しい日々が送れるだろうか。逃げるより、正面から向かっていくほうが、じつはずっと楽なのだ』」と。
それにしても、「ALS」に冒された方々が、僅かに動くこめかみなどを利用してパソコン「伝えの心」をうち、HPやブログを開設されている。スゴイ意志力だ。そうした方々の病気との向かい合い方を学び、私も様々なことに逃げないで、正面から向かって生きていこうと思う。
そんなHPの一つ、「さくら会」(在宅ALS患者の介護を支援している)のHPの表紙に書かれている言葉を紹介する
もうヤダッ!!
(ホヤホヤの患者さんに)
あなたがALSと告知されたら 強くなれとは言いません
しっかりハッキリなさいませ でも甘えてはいけません
あなたがALSでも、そうでなくっても あなたが病気になっただけで
きっと明日は来るのだから 病気はあなたじゃないのです
しっかりなさいね大人でしょ 病気はあなたの一部だけれど
けっして全部じゃないのだから
ハイとイイエをはっきりさせて
周囲を楽にさせましょう
私はグズが嫌いです