司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

文化庁,旧統一教会に過料を検討

2023-09-06 15:35:34 | 法人制度
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE057QX0V00C23A9000000/

 宗教法人法第78条の2第1項柱書前段の規定に基づく「質問権」の行使に対して,答弁をしないことを理由として,過料(法第88条第10号)に処する方向性であるそうだ。

 しかし,10万円以下の過料・・・効き目がないのでは。


宗教法人法
 (報告及び質問)
第78条の2 所轄庁は、宗教法人について次の各号の一に該当する疑いがあると認めるときは、この法律を施行するため必要な限度において、当該宗教法人の業務又は事業の管理運営に関する事項に関し、当該宗教法人に対し報告を求め、又は当該職員に当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者に対し質問させることができる。この場合において、当該職員が質問するために当該宗教法人の施設に立ち入るときは、当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者の同意を得なければならない。
 一 当該宗教法人が行う公益事業以外の事業について第六条第二項の規定に違反する事実があること。
 二 第十四条第一項又は第三十九条第一項の規定による認証をした場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていること。
 三 当該宗教法人について第八十一条第一項第一号から第四号までの一に該当する事由があること
2 前項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させようとする場合においては、所轄庁は、当該所轄庁が文部科学大臣であるときはあらかじめ宗教法人審議会に諮問してその意見を聞き、当該所轄庁が都道府県知事であるときはあらかじめ文部科学大臣を通じて宗教法人審議会の意見を聞かなければならない。
3 前項の場合においては、文部科学大臣は、報告を求め、又は当該職員に質問させる事項及び理由を宗教法人審議会に示して、その意見を聞かなければならない。
4 所轄庁は、第一項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させる場合には、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。
5 第一項の規定により質問する当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者に提示しなければならない。
6 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (解散命令)
第81条 裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。
 一 法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。
 二 第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。
 三 当該宗教法人が第二条第一号に掲げる宗教団体である場合には、礼拝の施設が滅失し、やむを得ない事由がないのにその滅失後二年以上にわたつてその施設を備えないこと。
 四 一年以上にわたつて代表役員及びその代務者を欠いていること。
 五 第十四条第一項又は第三十九条第一項の規定による認証に関する認証書を交付した日から一年を経過している場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていることが判明したこと。
2~7 【略】

第88条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、宗教法人の代表役員、その代務者、仮代表役員又は清算人は、十万円以下の過料に処する。
 一 所轄庁に対し虚偽の記載をした書類を添付してこの法律の規定による認証(第十二条第一項の規定による認証を除く。)の申請をしたとき。
 二 第九条又は第四十三条第三項の規定による届出を怠り、又は虚偽の届出をしたとき。
 三 第二十三条の規定に違反して同条の規定による公告をしないで同条各号に掲げる行為をしたとき。
 四 第二十五条第一項若しくは第二項の規定に違反してこれらの規定に規定する書類若しくは帳簿の作成若しくは備付けを怠り、又は同条第二項各号に掲げる書類若しくは帳簿に虚偽の記載をしたとき。
 五 第二十五条第四項の規定による書類の写しの提出を怠つたとき。
 六 第四十八条第二項又は第四十九条の五第一項の規定による破産手続開始の申立てを怠つたとき。
 七 第四十九条の三第一項又は第四十九条の五第一項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
 八 第五十一条第二項の規定による裁判所の検査を妨げたとき。
 九 第七章第一節の規定による登記をすることを怠つたとき。
 十 第七十八条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
 十一 第七十九条第一項の規定による事業の停止の命令に違反して事業を行つたとき。
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リーガルサポートの定款変更(未成年後見制度に関する事業の追加)について内閣府が変更認定

2023-08-10 10:59:03 | 法人制度
公益認定等委員会
https://www.koeki-info.go.jp/pictis-info/ptd0002!show#prepage2

 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートが平成28年6月の定時社員総会で決議をした定款変更(未成年後見制度に関する事業の追加)について,ようやく公益認定等委員会により「公益認定の基準に適合すると認めるのが相当である」旨の答申がされ,内閣府から変更認定(公益認定法第11条第1項本文)がされたとのことである。

 私も,当時の社員総会(福岡市で開催)に現実出席しており,この度の認定については,感慨深い。

 関係された皆様,おめでとうございます。


公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
 (変更の認定)
第11条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。
 一 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る。)又は主たる事務所若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む。)
 二 公益目的事業の種類又は内容の変更
 三 収益事業等の内容の変更
2 前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。
3 前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
4 第五条及び第六条(第二号を除く。)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号(吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号及び第三号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。
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一般社団法人等登記規則第3条における商業登記規則の各規定の準用と読替え

2023-08-09 09:46:34 | 法人制度
 一般社団法人等登記規則第3条には,商業登記規則の数多の規定の準用規定(同条前段)と,その読替規定(同条後段)が置かれている。

 しかし,準用規定の全てについて読替規定があるわけではない。

 この点については,一般社団法人等登記規則においては,引用条項の読替えが自明のものや,事項の対応関係が明らかなものについては,それぞれ当然に読み替えられるものとされており,それ以外のものについて,読替規定が置かれているとのことである(江原健志編「一般社団・財団法人法の法人登記実務」(テイハン)239頁参照)。

 読替規定のないものの多くは,「事項の対応関係が明らかなもの」ということのようである。

 同書巻末の商業登記規則読替表では,「当然読替」と「読替規定があるもの」が明瞭に区別されているので,可能であれば,御参照を。
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労働者協同組合の動画ページをオープン

2023-07-20 19:54:29 | 法人制度
「知りたい!労働者協同組合法」動画一覧
https://www.roukyouhou.mhlw.go.jp/movies

「特設サイト「知りたい!労働者協同組合法」に、労働者協同組合に関する動画をまとめたページを新設しました。」
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「法人登記実務から見た労働者協同組合の運営」

2023-07-19 11:02:24 | 法人制度
立花宏・西山義裕「法人登記実務から見た労働者協同組合の運営」(中央経済社)
https://www.biz-book.jp/isbn/978-4-502-46881-0

 令和4年10月からスタートしている労働者協同組合制度に関する概説書。

cf. 知りたい!労働者協同組合法 by 厚生労働省
https://www.roukyouhou.mhlw.go.jp/
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日本バドミントン協会,評議員の改選時期を勘違い

2023-07-08 10:21:39 | 法人制度
デイリー記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/59a398992af3b7670d930388ef4d08c9f2fbe1cc

「評議員改選について、令和5年6月18日の定時評議員会で任期満了となる全評議員の改選を行うべきところ、手続きが行われていないままであることが発覚したと発表した。組織全体が次の改選時期を令和7年の定時評議員会であると誤認していた。」(上掲記事)

 ガバナンスコードの随所に,「理事、評議員が同時改選となる令和7年6⽉に向け」等の記載があることから,確かに勘違いしていた模様。

cf. ガバナンスコード
https://www.badminton.or.jp/governanceCode/docs/governanceCode_20230215.pdf

定款
https://www.badminton.or.jp/nba/teikan202303.html

「うっかり徒過した」であれば,「あるある」のケースであるが,「組織全体が誤認」ということになると,正に「こんなことが本当に起こりえるのか」といえる事態。

 上記ガバナンスコードには美辞麗句が並んでいるが,名目だけで,全く履践できていなかったようである。

 ガバナンスコードの25によれば,

[原則6]法務、会計等の体制を構築すべきである
(1)法律、税務、会計等の専⾨家のサポートを⽇常的に受けることができる体制を構築すること
【審査基準 (1)について】
・本部⻑会議、理事会等には、顧問弁護⼠も出席し、また、公認会計⼠や社会保険労務⼠等においても必要な事案についてはその内容の適否について事前に検証を⾏っている。
【審査基準(2)について】
・法律に関しては顧問弁護⼠と常時相談できる体制を、また税務会計に関しては監査法⼈、公認会計⼠、社会保険労務⼠のサポートを⽇常的に受けることができる体制を構築している。

とあるが,機能していなかったということである。

 一般的には,優秀な事務局職員がいれば,このような失態は起こり得ないが。

 何がきっかけで,改選を徒過したことが発覚したのかは不明(おそらくは,理事等の改選の登記を申請した際に,登記所から指摘があったのであろう。)であるが,「司法書士のサポートを⽇常的に受けることができる体制を構築すること」もガバナンスコードに掲げる必要があるのではないか。
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「一般/公益 社団・財団法人 議事録モデル文例集」

2023-06-30 21:53:54 | 法人制度
内藤卓・岡田高紀・日高啓太郎著「一般/公益 社団・財団法人 議事録モデル文例集」(新日本法規)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100273

 本日,発刊となりました。

「WEB会議や書面決議など、近時の動向を踏まえた1冊!」
「法人の運営上必要となる決議事項をケースとして取り上げ、[モデル文例]を豊富に掲載」

というわけで,是非御活用ください。
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投資事業有限責任組合契約の登記に関する通達

2023-06-12 19:26:52 | 法人制度
「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)」(令和5年6月12日付け法務省民商第113号法務省民事局長通達)が発出されている。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00098.html#02

○ 投資事業有限責任組合契約の登記
 改正省令施行後において、有限責任事業組合を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合契約の効力発生の登記の申請は、投資事業有限責任組合契約書に当該有限責任事業組合を当該無限責任組合員として記載している場合に限り、受理して差し支えない。また、無限責任組合員が清算人となる場合において、有限責任事業組合を清算人とする投資事業有限責任組合の清算人の登記の申請も、受理して差し支えない。
 なお、有限責任事業組合の組合員が無限責任組合員として登記されている投資事業有限責任組合が、当該有限責任事業組合を無限責任組合員として記載している投資事業有限責任組合契約書を添付して、当該有限責任事業組合を無限責任組合員とする登記の更正の申請があったときは、登記に錯誤があるときに当たるとして、受理して差し支えない。この場合において、当該投資事業有限責任組合契約書が申請した登記所に保存されているときは、更正の申請書には、その旨を記載することにより、当該書面を添付することを要しない(投登規第8条が準用する商登規第98条)。
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新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議(最終報告)

2023-06-02 18:02:14 | 法人制度
新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議 最終報告
https://www.koeki-info.go.jp/regulation/koueki_meeting.html

「当会議は、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(令和4年6月7日閣議決定)及び「経済財政運営と改革の基本方針 2022」(令和4年6月7日閣議決定)に基づき、民間による社会的課題解決に向けた公益的活動を一層活性化し「新しい資本主義」の実現に
資する観点から、公益認定の基準を始め現行の公益法人制度の在り方を見直し、制度改正及び運用改善の方向性について検討を行うため、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)の下、令和4年 10 月4日に第1回を開催し、法人の実情に関するヒアリングや国民からの幅広い意見募集を行いつつ、合計 11 回にわたり議論を重ねてきた。
 本報告は、昨年 12 月の「中間報告」を踏まえて、更に具体的な検討を進めた結果を取りまとめたものであり、今後、本報告に沿って、法制化を始めとする改革が着実に進められるよう期待する。」

「法人の経営判断で、社会的課題への機動的な取組を可能に」「透明性と法人自らのガバナンスの向上で、国民からの信頼・支援を獲得」等が示されている。

「法人による自律的ガバナンスの充実」は,重要である。例えば,司法書士界にも求められるべきものであろう。
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リーガルサポートの定款変更と「電子提供措置」

2023-05-31 19:41:32 | 法人制度
 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートが6月17日に予定されている定時社員総会において,定款の一部を変更して「電子提供措置をとる旨の定款の定め」を設ける議案が上程されるようだ。

 リーガルサポートは,いわゆる「議決権行使書制度」や「電磁的方法による議決権の行使制度」を今後も採用しない方針(?)であるようであり,この場合の電子提供措置に関する取扱いについては,次のとおりとなると考えられる。


一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
 (電子提供措置)
第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。
 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項
 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項
 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項
 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領
 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項
 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項
2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。

 (社員総会の招集の通知等の特則)
第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。
2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。
3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。
4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。

 (書面交付請求)
第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。
2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。
4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。
※ 会社法第325条の5第3項と同旨の規定は,一般社団法人法には存しない。

 (電子提供措置の中断)
第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。
 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。
 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。
 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。
 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。

 (社員総会の招集の決定)
第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 社員総会の日時及び場所
 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項
 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令(※施行規則第4条)で定める事項
2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。

 (社員総会の招集の通知)
第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。
2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合
3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録する当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとること)を請求することができる。ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。
2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則
 (招集の決定事項)
第四条 法第三十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
 一 法第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項(定款にロ及びハに掲げる事項についての定めがある場合又はこれらの事項の決定を理事に委任する旨を決定した場合における当該事項を除く。)
  イ 第五条第一項の規定により社員総会参考書類(法第四十一条第一項に規定する社員総会参考書類をいう。以下この款において同じ。)に記載すべき事項
  ロ 特定の時(社員総会の日時以前の時であって、法第三十九条第一項ただし書の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって書面による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時
  ハ 特定の時(社員総会の日時以前の時であって、法第三十九条第一項ただし書の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって電磁的方法(法第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。以下同じ。)による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時
 二 法第五十条第一項の規定による代理人による議決権の行使について、代理権(代理人の資格を含む。)を証明する方法、代理人の数その他代理人による議決権の行使に関する事項を定めるとき(定款に当該事項についての定めがある場合を除く。)は、その事項
 三 第一号に規定する場合以外の場合において、次に掲げる事項が社員総会の目的である事項であるときは、当該事項に係る議案の概要(議案が確定していない場合にあっては、その旨)
  イ 役員等(法第百十一条第一項に規定する役員等をいう。以下この節及び第八十六条第二号において同じ。)の選任
  ロ 役員等の報酬等(法第八十九条に規定する報酬等をいう。第五十八条第二号において同じ。)
  ハ 事業の全部の譲渡
  ニ 定款の変更
  ホ 合併
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「一般/公益 社団・財団法人 議事録モデル文例集」

2023-05-30 11:49:41 | 法人制度
内藤卓・岡田高紀・日高啓太郎著「一般/公益 社団・財団法人 議事録モデル文例集」(新日本法規)
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100273?s=09

 近刊(7月くらいの予定)です。
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墓埋法第10条の規定による許可取消しを求める原告適格

2023-05-09 23:37:39 | 法人制度
最高裁令和5年5月9日第3小法廷判決
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92062

【判示事項】
 墓地、埋葬等に関する法律10条の規定により大阪市長がした納骨堂の経営又はその施設の変更に係る許可について、当該納骨堂の所在地からおおむね300m以内の場所に敷地がある人家に居住する者は、その取消しを求める原告適格を有する
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宗教法人法を問う

2023-05-09 23:14:43 | 法人制度
産経新聞記事
https://www.sankei.com/tag/topic/affairs_123/

 特集「宗教法人法を問う」(上・中・下)の連載である。

「十数基の墓石は境内から参道へと追いやられた」(下)

 改葬には,市町村長の許可が必要で,また許可の申請のためには「墓地使用者等の改葬についての承諾書又はこれに対抗することができる裁判の謄本」(「墓地,埋葬等に関する法律」第5条第1項,同法施行規則第2条第2項第2号)が必要なのであるが,

「必要な墓地埋葬法上の許可を取っておらず」(下)

であるらしい。
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活動の実態のない「不活動宗教法人」の整理

2023-04-28 12:13:50 | 法人制度
讀賣新聞記事
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230426-OYT1T50158/

「文化庁は4月26日、都道府県に対し、活動の実態のない「不活動宗教法人」の整理を迅速に進めるよう要請した。」(上掲記事)

 永年の課題である。

 また,適切な事業承継(後継者探し)についても,考える必要があるのではないか。
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改正私立学校法が成立

2023-04-27 01:10:48 | 法人制度
産経新聞記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/392bc39caf1bd41749390503eb60a3e2f649a4d3

「学校法人のガバナンス(組織統治)を強化する改正私立学校法が26日、参院本会議で可決、成立した。」(上掲記事)

 改正の趣旨は,

「我が国の公教育を支える私立学校が、社会の信頼を得て、一層発展していくため、社会の要請に応え得る実効性のあるガバナンス改革を推進するための制度改正を行う。
 幅広い関係者の意見の反映、逸脱した業務執行の防止を図るため、理事、監事、評議員及び会計監査人の資格、選任及び解任の手続等並びに理事会及び評議員会の職務及び運営等の学校法人の管理運営制度に関する規定や、理事等の特別背任罪等の罰則について定める。」

というものである。

cf. 私立学校法の一部を改正する法律案
https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_00041.html
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