「要は,条項ごとに効力発生時期が異なる場合の定款変更がパッケージとして議案とされるときは,条項ごとの効力発生時期を明瞭に区分する形で,附則を定めるべきということである。
しかしながら,会社以外の各種法人の定款変更の実務においては,上記のとおり,認可を要するものと要しないものとがパッケージ議案となる場合においても,無思慮に,「この定款は,平成 年 月 日から施行する」(※日付は,ブランク。)又は「この定款は,認可の日から施行する」といった附則の定め方がされる例が散見される。
このような定め方をすると,議案の全体として(本来認可等を要しない軽微な事項についても),効力の発生時期が「認可の日(認可書到達の日)」ということになってしまう。」
cf.
平成28年10月26日付け「定款変更における附則の定め方(補遺の補遺)」
今般,社会福祉法人において,法改正に対応して一斉に定款変更の認可申請がされているが,その効力発生時期については,平成29年3月31日までに認可がされることを前提として,附則に「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」旨を定める内容となっている。
よって,「認可を要する事項」についても,「認可を要しない軽微な事項」についても,その効力の発生時期は,総体として,「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」ことになる。
ところで,定款変更の内容として,法改正とは無関係の,例えば,目的等(目的及び事業)の変更が含まれていることもあるが,このような規定の変更についても,効力発生時期は,別段の定めがない限り,上記のとおり平成29年4月1日である。
ところが,法改正に無関係の事項であるからという理由(?)で,「認可の日から効力を生ずる」として,認可後2週間以内に登記申請をせよ,と指導している自治体が少なからずあるという噂が・・・。
明らかな誤解であるので,定款変更によって登記事項に変更がある場合には,適切に(平成29年4月1日以降に,「平成29年4月1日変更」として)登記申請をすべきである。