司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

国有地の取得に関する架空話(うまい話)にご注意!!

2017-02-28 21:38:49 | 不動産登記法その他
国有地の取得に関する架空話(うまい話)にご注意!! by 財務省
http://www.mof.go.jp/caution/kokuyuchi_20130918.html

「国有地は、原則として一般競争入札で売却します。財務省の職員が、個別に国有地について、随意契約できるような働きかけを行い、個人や特定の民間企業に対し、直接随意契約で売り払うことは、一切ありません。」
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タクシー運転手の定額残業代の定めが公序良俗に反するか否か(最高裁判決)

2017-02-28 18:50:41 | 労働問題
最高裁平成29年2月28日第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86544

【裁判要旨】
歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則における定めが公序良俗に反し無効であるとした原審の判断に違法があるとされた事例

「労働基準法37条は,労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていないことに鑑みると,労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に,当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの,当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し,無効であると解することはできないというべきである。」

 いわゆる「国際自動車事件」であるが,最高裁は,「公序良俗に反し,無効であると解することはできない」と判示している。

cf. http://www.daiichi.gr.jp/publication/makieya/p-2016s/p-08/
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「不動産登記記録例集」の改訂

2017-02-28 18:04:49 | 不動産登記法その他
「不動産登記記録例集」(テイハン)
http://www.teihan.co.jp/new/newtitle1702.htm

「平成28年6月8日付け法務省民二第386号民事局長通達により平成21年2月20日付け法務省民二第500号民事局長通達が全部改正されました。本書は,改正後の通達を収録したものです」

 「平成28年6月8日付け法務省民二第386号民事局長通達」なるものが発出されていたとは・・・。

 「民事月報」にも掲載されていないようだが・・・。

cf. 不動産登記記録例について(通達)(平成21年2月20日法務省民二第500号)
http://www.e-profession.net/touki/index.php?%C9%D4%C6%B0%BB%BA%C5%D0%B5%AD%B5%AD%CF%BF%CE%E3%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6(%C4%CC%C3%A3)(%CA%BF%C0%AE21%C7%AF2%B7%EE20%C6%FC%CB%A1%CC%B3%BE%CA%CC%B1%C6%F3%C2%E8500%B9%E6)
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私道の用に供されている宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度の判断の方法(最高裁判決)

2017-02-28 14:11:55 | 不動産登記法その他
最高裁平成29年2月28日第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86540

【裁判要旨】
私道の用に供されている宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度の判断の方法

「相続税に係る財産の評価において,私道の用に供されている宅地につき客観的交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を,建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく,そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は,私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず,当該宅地の位置関係,形状等や道路としての利用状況,これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし,当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か,また,その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきである。」
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新株発行無効判決が確定した場合の登記嘱託書

2017-02-28 13:09:41 | 会社法(改正商法等)
1.登記の事由 ○○地方裁判所平成○年(ワ)第○○号新株発行無効請求事件判決確定(平成○年○月○日)
1.登記すべき事項 平成△年△月△日普通株式○株の新株発行の無効
1.登録免許税 金2万円
1.添付書類 判決謄本 1通

 新株発行無効判決が確定したときは,それに関する登記は,裁判所書記官の嘱託によってされる(会社法第937条第1項第1号ロ)。

 登録免許税は,金2万円である(登録免許税法別表第一24号(一)ナ)。
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森友学園問題 「錯誤」登記をめぐる謎

2017-02-27 21:22:29 | 不動産登記法その他
郷原信郎が斬る
https://nobuogohara.wordpress.com/2017/02/27/%E6%A3%AE%E5%8F%8B%E5%AD%A6%E5%9C%92%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%80%E3%80%8C%E9%8C%AF%E8%AA%A4%E3%80%8D%E7%99%BB%E8%A8%98%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AC%8E/

 国から新関西国際空港株式会社への「平成24年7月1日現物出資」を原因とする不動産の所有権の移転の登記が「錯誤」により抹消されているそうだ。

 新関西国際空港株式会社は,平成24年4月1日設立であり,上記現物出資は,いわゆる募集株式の発行によるものである。同社の有価証券報告書にもその旨の記載がある。

1 商業登記について
 不動産の現物出資であり,会社法第207条の適用があるから,裁判所が選任する検査役による調査等の手続が必要となる。

 いわゆる相応の手続を踏んで,募集株式の発行による変更の登記が管轄登記所に申請されて,登記官による慎重な審査を経て,登記が完了したものであるはずである。

 その現物出資の一部が錯誤により無効というのであれば,新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したということであろうか?

 この場合,資本金の額は減少しない(会社計算規則第25条第2項第1号)が,発行済株式の総数は,その分減少するはずであるが,その旨の更正の登記はされたのであろうか?

 最近の登記所の傾向として,単純に「間違ってました!」では,更正の登記の申請は受理されないはずである。

 とまれ,国自ら公正証書原本等不実記録罪,ということは,さすがにないでしょう。


2 不動産登記について
 不動産の所有権の移転の登記を「錯誤」により抹消の登記を申請する場合においても,その登記の申請書には,いわゆる登記原因証明情報を添付しなければならない。

 この点,平成16年改正前不動産登記法の時代は,「錯誤」による抹消の登記の申請は,申請書副本を添付して,いわゆる登記原因証書の添付なしで行われていた。

 しかし,同改正後は,登記原因証明情報を添付しなければならないものとされ,登記官による慎重な審査が行われている(はずである)。

 申請書に添付された登記原因証明情報には,上記のとおり,新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したということが記載されているのであろうか?

 善解すれば,現物出資する不動産を取り違えた?

 とまれ,こうゆう事情については,速やかに開示すべきではないだろうか。

cf. 登記事項証明書の写真
https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=jog7ng90b-760#_760
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株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効(最高裁決定)

2017-02-24 18:47:13 | 会社法(改正商法等)
最高裁平成29年2月21日第3小法廷決定
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86527

【裁判要旨】
取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である

 従来の実務にお墨付き。
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社会福祉法等の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(通知)

2017-02-24 10:39:35 | 法人制度
 「社会福祉法等の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(通知)」(平成29年2月23日付け法務省民商第29号法務省民事局商事課長通知)が発出されている。

cf. 商業・法人登記関係の主な通達等
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00098.html
<目次>
1 商業・法人登記全般に関する通達
2 各種法人の登記に関する通達
3 外国人・海外居住者による登記に関する通達


 存外に早かったですね。

 経過措置のポイントは,下記で。

cf. 平成28年6月3日付け「改正社会福祉法と経過措置」


 「通知」で注意する点は,下記のとおりでしょうか。

〇 理事長の変更の登記について
 なお,社会福祉法人の会計年度は,4月1日に始まり,翌年3月31日に終わるものとされている(法第45条の23第2項)こと,また,毎会計年度終了後3月以内に,各会計年度に係る計算書類等を作成し(法第45条の27第2項),当該計算書類等について理事会及び定時評議員会の承認を受けた上で,所轄庁に届け出なければならない(法第59条第1号)ことから,施行日以後最初の定時評議員会については,平成29年6月までに招集されることになる。
 したがって,同月末日までに,当該定時評議員会が招集されず,後任の理事が選任されなかった場合であっても,改正法の施行の際現に在任する社会福祉法人の理事の任期は,定時評議員会が開催されるべき日又は期間の末日までとなる(昭和38年5月18日付け民事甲第1356号民事局長回答参照)。

〇 資産の総額の変更の登記についての経過措置
 (改正による)登記期間の伸長は,平成28年4月1日以後に開始する事業年度末日現在によりする資産の総額の変更の登記について適用し,同月1日前に開始した事業年度末日現在によりする資産の総額の変更の登記については,なお従前の例によるとされた(整備政令附則第2項)。


記録例の2頁目は,わかりづらいですね。

時系列に

丙川春子(※元代表者)
乙野次郎(※制限付代表者)
乙野の代表権の制限
甲野太郎(※新代表者)

の順ではないのでしょうか?
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事業再生シンポジウム「特定調停による事業再生の多様な展開」

2017-02-23 18:33:46 | 会社法(改正商法等)
事業再生シンポジウム「特定調停による事業再生の多様な展開」
http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2017/170223.html

 本日は,上記シンポジウムを聴講しました。

 「事業者の廃業・清算を支援する手法としての特定調停スキーム」がメインであり,既存の会社は,事業譲渡後に特別清算を行う事例です。

 「ツールボックス」である会社法を活用すれば,より多様な展開を図ることができるように思いました。


cf. 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(平成11年12月17日法律第158号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO158.html

特定調停 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E8%AA%BF%E5%81%9C

日弁連
・ 「事業者の廃業・清算を支援する手法としての特定調停スキーム利用の手引き」の策定
・ 金融円滑化法終了への対応策としての「特定調停スキームの利用の手引き」
・ 「経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務整理の手法としての特定調停スキーム利用の手引き」
http://www.nichibenren.or.jp/news/year/2017/141226.html

金融庁
「経営者保証に関するガイドライン」の積極的な活用について
http://www.fsa.go.jp/policy/hoshou_jirei/index.html
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定款変更における附則の定め方(補遺の補遺)

2017-02-22 07:54:12 | 法人制度
「要は,条項ごとに効力発生時期が異なる場合の定款変更がパッケージとして議案とされるときは,条項ごとの効力発生時期を明瞭に区分する形で,附則を定めるべきということである。

 しかしながら,会社以外の各種法人の定款変更の実務においては,上記のとおり,認可を要するものと要しないものとがパッケージ議案となる場合においても,無思慮に,「この定款は,平成  年  月  日から施行する」(※日付は,ブランク。)又は「この定款は,認可の日から施行する」といった附則の定め方がされる例が散見される。

 このような定め方をすると,議案の全体として(本来認可等を要しない軽微な事項についても),効力の発生時期が「認可の日(認可書到達の日)」ということになってしまう。」

cf. 平成28年10月26日付け「定款変更における附則の定め方(補遺の補遺)」


 今般,社会福祉法人において,法改正に対応して一斉に定款変更の認可申請がされているが,その効力発生時期については,平成29年3月31日までに認可がされることを前提として,附則に「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」旨を定める内容となっている。

 よって,「認可を要する事項」についても,「認可を要しない軽微な事項」についても,その効力の発生時期は,総体として,「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」ことになる。

 ところで,定款変更の内容として,法改正とは無関係の,例えば,目的等(目的及び事業)の変更が含まれていることもあるが,このような規定の変更についても,効力発生時期は,別段の定めがない限り,上記のとおり平成29年4月1日である。

 ところが,法改正に無関係の事項であるからという理由(?)で,「認可の日から効力を生ずる」として,認可後2週間以内に登記申請をせよ,と指導している自治体が少なからずあるという噂が・・・。

 明らかな誤解であるので,定款変更によって登記事項に変更がある場合には,適切に(平成29年4月1日以降に,「平成29年4月1日変更」として)登記申請をすべきである。
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社会福祉法人における定款変更認可前における評議員の選任について

2017-02-22 07:28:56 | 法人制度
定款変更認可前における評議員の選任について by 京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000200375.html

「国においては,本来,所轄庁による定款変更の認可後に行う必要がある評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定について,制度改正に伴う今年度の手続に限り,定款変更の認可を前提として,認可前に行うことも差し支えないこととする旨の取扱いの見直しが行われましたので,お知らせいたします。」(上掲)

 今更(^^)。仮に認可後であっても,定款変更の効力発生は,平成29年4月1日であるのだから,同日前に変更後の定款規定に従う手続は,本来背理である。

 とまれ,お墨付きが出たということで。


問12-4 新評議員選任のために必要な理事会は、①定款変更手続きのための理事会、②定款変更認可後の評議員選任・解任委員会設置等のための理事会であり、少なくとも2回開催することが必要なのか。【8/22付けブロック別担当者会議FAQ問3同旨(修正)】

(答)
1.定款変更認可後に②の理事会を開くことが適当であるが、定款変更の認可を前提として、評議員選任・解任委員会設置に係る議案を①と同じ理事会で審議することも可能である。

2.ただし、評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定については、所轄庁の定款変更の認可後でなければならないが適当であるが、制度改正に伴う今年度の手続に限り、例えば、定款変更の申請後一定期間を経過しても所轄庁の認可がない等、平成 29年3月31日までに新たな評議員の選任を行うことが困難な場合には、定款変更の認可を前提として、認可前に評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定を行うことも差し支えない(評議員に関する定款上の規定が法令及び通知等に違反している場合を除く)。
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インターネットの虚偽広告で,消費者契約の取消し可能

2017-02-22 07:05:23 | 消費者問題
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HGW_R20C17A2CR0000/

「消費者庁は20日、チラシやインターネットといった不特定多数に向けた広告に虚偽があれば、消費者が契約を取り消せることもあり得るとの見解を、消費者契約法の解説書に盛り込んで改訂した。」(上掲記事)

cf. 消費者庁HP「消費者契約法逐条解説」
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/annotations.html

平成29年1月24日付け「クロレラチラシ配布差止等請求事件(最高裁判決)」
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「事業者の廃業・清算を支援する手法としての特定調停スキーム利用の手引き」

2017-02-21 22:09:07 | 会社法(改正商法等)
「事業者の廃業・清算を支援する手法としての特定調停スキーム利用の手引き」の策定について by 日弁連
http://www.nichibenren.or.jp/news/year/2017/141226.html

「昨今は中小事業者の再生だけでなく円滑な廃業・清算のニーズが高まっていることを受けて、日本弁護士連合会は最高裁判所等の関係機関と協議し、新たに廃業支援型の特定調停スキームの手引き書を策定いたしました。

 廃業支援型の特定調停スキームは、特定調停手続の活用により、事業の継続が困難で金融機関に過大な債務を負っている事業者について、経営者保証に関するガイドラインの適用により保証債務を処理することも含めて、債務免除を含めた債務の抜本的な整理を行い、かかる事業者を円滑に廃業・清算させて、経営者や保証人の再起支援等を図る制度です。」
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名義貸しのクレジット契約~割賦販売法による取消し可能

2017-02-21 22:02:48 | 消費者問題
最高裁平成29年2月21日第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86517

【裁判要旨】
個別信用購入あっせんにおいて,販売業者が名義上の購入者となることを依頼する際にした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例

cf. 産経新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170221-00000540-san-soci

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法制審議会-民事執行法部会

2017-02-21 00:20:08 | 民法改正
法制審議会-民事執行法部会
http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00295.html

 こちらも,既に第4回会議まで開催されているが,議事録は,未だ。情報公開が遅過ぎ~。
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