司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

相続登記促進策~「相続テラス」の提言

2018-08-31 20:20:20 | 不動産登記法その他
土地総合研究第26巻第3号(2018年夏)
http://www.lij.jp/pub_t/pubt3_26_3.html

 特集「人口減少社会における土地の管理不全防止を目指す制度の構築」が掲載されている。


小柳春一郎獨協大学法学部教授「相続登記促進策―相続登記義務と資格者・専門家関与強化―」等々,興味深い論考が満載で,ぜひ目を通しておきたい。

 小柳教授は,「相続テラス」を提言されている。これは,斬新である。

「一種の「相続テラス」とでもいうべき、公的な相続援助組織を設け、そこに司法書士などの資格者代理人が関与する仕組みが必要ではないかと考えている。」(上掲小柳論文)
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「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起

2018-08-31 20:09:54 | 消費者問題
「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起 by 消費者庁
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/consumer_policy_information_180831_0001.pdf

「「ケフィアの事業の中心となっているのは、「オーナー制度」と呼ばれる取引です。
 「オーナー制度」とは、ケフィアが消費者と買戻特約付売買契約を締結し、形式上消費者が対象商品のオーナーとなり(契約上ケフィアが消費者から対象商品を買い戻す日(以下「満期」といいます。)の前日までに消費者に所有権が移転)、満期が到来するとケフィアが買い戻すことにより「買戻代金」が消費者に支払われるという取引です。
 オーナー制度の対象商品は、干し柿、メープルシロップ、各種ジュース、ぬかどこ、ヨーグルト等多岐にわたります。取引条件は個々の契約ごとに少々異なる点もありますが、通常、契約から半年程度で満期を迎え、契約時に支払った金額の10%程度を加算した金額の買戻代金が設定されています。」
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平成30年9月8日(土)司法書士による無料電話相談会「全国一斉 子どものための養育費相談会」

2018-08-31 18:41:30 | 家事事件(成年後見等)
平成30年9月8日(土)司法書士による無料電話相談会「全国一斉 子どものための養育費相談会」を開催します
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/news/46156/

◆日  時 : 平成30年9月8日(土)10:00 ~ 16:00
◆電話番号 : 0120-567-301(全国統一フリーダイヤル:通話料無料)
◆相 談 料 : 無料


 京都司法書士会では,本日,この全国一斉養育費相談会の「事前研修」を実施しています。講師は,浦井裕樹先生(大阪司法書士会)。
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「研究会だより~登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会~」(第9回)

2018-08-31 17:05:10 | 不動産登記法その他
 月刊登記情報2018年9月号に,「研究会だより~登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会~」が掲載されている。

 先日(8月2日)開催された第9回会議の概要が紹介されており,「変則型登記の解消」をテーマに検討されたようである。

 なお,下記のサイトに,第5回から第8回までの議事要旨が一挙に掲載された。

cf. 登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会
http://www.kinzai.or.jp/specialty/registration.html
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建物の曳航移転と表示の登記

2018-08-31 16:23:35 | 不動産登記法その他
 月刊登記情報2018年9月号の巻末に,「実務の現場から 建物の滅失原因」がある。

 恥ずかしながら,「へぇ~」ばかり。

「建物滅失の原因は・・・えい行移転など建物が存在する場合を除くと建物全部の(1)取壊し,(2)用途廃止,(3)崩壊,(4)焼失,(5)定着性喪失,(6)震災,(7)重複,(8)一部喪失と取壊し等の併記が考えられる」

 「えい行移転」とは,「曳航」による移転であるが,

「建物を解体せずに、そのままの形状で他の場所へ移転した場合(「えい行移転」と言います)は、滅失登記をしないで、建物の所在の変更登記を行います」(後掲記事)

だそうである。なるほど。

cf. http://law.main.jp/messitsu/messitsufaq0023.html
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上場企業が株式の併合と単元株式の数の変更を同時に行う場合の電子公告

2018-08-31 15:24:32 | 会社法(改正商法等)
 上場企業が株式の併合と単元株式の数の変更を同時に行う場合,株式の併合については会社法第181条第1項の通知,単元株式の数の変更については会社法第195条第2項の通知に代えて,当該通知をすべき事項を公告しなければならない(社債,株式等の振替に関する法律第161条第2項)。

 株式の通知に関する公告は,効力発生日の20日前までに(会社法第182条の4第3項),単元株式の数の変更に関する公告は,定款変更の効力が生じた日以後遅滞なく(会社法第195条第2項),しなければならないとされている。

 ところが,最近,この2つの公告を,同時に(株式併合に関する公告に際して両方とも)行っている事例が散見されている。

 節約志向(?)なのであろうか。甚だ疑問である。
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最近の債権者保護手続の傾向と問題点

2018-08-31 15:23:21 | 会社法(改正商法等)
 月刊登記情報2018年9月号に,土井万二「最近の債権者保護手続の傾向と問題点」が掲載されている。

 官報公告と電子公告の問題点等に関して,コンパクトにまとめられている。ぜひ御一読を。
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京都市空き家等対策協議会(平成30年度)

2018-08-31 15:00:53 | 空き家問題&所有者不明土地問題
京都市空き家等対策協議会(平成30年度)
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000241953.html

 8月28日(火)に開催された。上記で,会議資料等が公開されている。
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法務省平成31年度概算要求

2018-08-30 23:30:16 | 法務省&法務局関係
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34789690Q8A830C1PP8000/

 記事では,入国在留管理庁の創設の関係が大きく取り上げられているが,「経済再生加速化のための経済・社会基盤の整備」として,登記関係も大幅増である。

〇 所有者不明土地問題への対応及び地図整備体制の強化等
① 長期相続登記未了土地を始めとする所有者不明土地の解消に向けた取組等
② 法定相続情報証明制度等の円滑な運用等を始めとする相続手続の円滑化・相続登記の促進
③ 登記所備付地図整備事業の推進等による土地利用の情報基盤の整備

cf. 平成31年度概算要求
http://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00078.html
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民法第772条の違憲訴訟で,大阪高裁は合憲(2)

2018-08-30 23:20:58 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34808870Q8A830C1EA1000/

 ちょっと詳しい記事です。
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テレビ付き賃貸のNHK受信料訴訟,最高裁でNHKが勝訴

2018-08-30 23:17:38 | 民事訴訟等
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34784630Q8A830C1CR8000/

「受信料の返還を命じた一審・東京地裁判決を取り消し、NHKの逆転勝訴とした二審・東京高裁判決が確定した。」(上掲記事)

 上告棄却で,NHKが勝訴。妥当でしょうね。
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遺言執行者と指定されていた者が成年被後見人である場合

2018-08-30 22:59:12 | 民法改正
 遺言により遺言執行者と指定されていた者が,相続開始の時点では,成年被後見人である場合があり得る。


1.欠格事由
 成年被後見人であることは,欠格事由(民法第1009条)には該当しない。

 しかし,遺言者が被後見人であることを承知の上で指定したわけではないので,そういった意味では疑問が残る。

民法
 (遺言執行者の欠格事由)
第1009条 未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。


2.就職の承諾
 就職の承諾(現在の民法第1007条。改正後の第1007条第1項)については,成年後見人が,成年被後見人を代理して,成年被後見人の同意を得て,承諾することになろう。

 (遺言執行者の任務の開始)
第1007条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。


3.職務の執行
 遺言執行者の職務は,成年被後見人本人が行う。成年後見人は,代理することはできない。


4.復任権
 相続法改正後においては,現実的には,成年被後見人は,復任権(改正後の民法第1016条第1項本文)を行使して,委任を受けた司法書士や弁護士等が職務を行うことになるであろう。

改正後民法
 (遺言執行者の復任権)
第1016条 遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
2 前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任を負う。


5.辞任
 遺言執行者の辞任の意思表示(民法第1019条第2項)は,成年被後見人及び成年後見人のいずれもすることができると考えられる。

民法
 (遺言執行者の解任及び辞任)
第1019条 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。


6.委任の終了
 余談ながら,遺言執行者の地位にある者について,成年後見開始の審判がされたときは,委任の終了(民法第653条第3号)ということになる。家庭裁判所に遺言執行者の選任申立てがされることになる(民法第1010条)。家庭裁判所は,退任した者(成年被後見人)を改めて遺言執行者に選任することができる。

民法
 (委任の終了事由)
第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
 一 委任者又は受任者の死亡
 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

 (遺言執行者の選任)
第1010条 遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。
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会社の代表者の住所を登記事項証明書の記載事項から外す議論,どうなる?

2018-08-30 21:46:34 | 会社法(改正商法等)
zakzak
https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180828/eco1808280005-n2.html

「商取引の際に、相手方の会社社長宅に担保が付いているか確認するケースもある。日本司法書士会連合会はおおむね賛成としつつ、「住所は特に中小企業の取引では重要な情報」と指摘。「株式会社制度を利用する者の社会的責任と個人情報保護を比較考慮すると、現在の方法を変更しない選択肢も有力だ」と、慎重な議論を求める。」(上掲記事)

 日司連の意見が紹介されていますね。

 法制審議会の議論も終盤戦。さて,どうなる?

 ちなみに,「比較衡量」です・・。

cf. 「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見書
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/opinion/45502/
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民法第772条の違憲訴訟で,大阪高裁は合憲

2018-08-30 21:10:45 | 民法改正
中日新聞記事
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018083001001057.html

 民法第772条の違憲訴訟で,大阪高裁は,合憲と判断。


民法
 (嫡出の推定)
第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

 (嫡出の否認)
第774条 第772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
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法務省,親子法制の見直しへ,研究会を設置

2018-08-30 08:56:23 | 民法改正
毎日新聞記事
https://mainichi.jp/articles/20180830/k00/00m/040/155000c

「出生届が出されず戸籍に記載のない「無戸籍者」の解消に向け、法務省は10月にも、民法見直しを検討する有識者研究会を発足させる。」(上掲記事)

 法務大臣の閣議後記者会見で出ていた話がスタートするようである。

cf. 平成30年7月19日付け「法務大臣閣議後記者会見の概要「離婚後の共同親権制度に関する質疑について」」
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