鈴木仁志「民法改正の真実」(講談社)
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2181614&x=B
近々パブコメが行われる予定の債権法改正に関して,「司法占領」(講談社)の著者による手厳しい批判の書である。特に,重要であると思われる指摘は,
・ 積み上げられた判例規範の多くが死活不明の状態となり,わが国は,予見性(予測可能性)の拠りどころをいまだ確立していない発展途上国に近い状態に逆戻りすることとなる。
・ 旧民法と新民法の併存状態が長期間生ずることとなる。国民は,内容の大きく異なる膨大な分量の新旧両法の二重ルールをいずれも理解しなければならない。
法改正には,「経過措置」が付きものである。ある場合には,新法が適用され,ある場合には,「なお従前の例による」等により,旧法が適用される。借地借家法の下での,旧借地法及び旧借家法の併存状況を例にして,新旧両法の併存状態という重い負担を抱え続けることとなり,一般国民にとって,決して「わかりやすい民法」にはならない,と説く。
債権法改正に御関心のおありの向きには,ぜひ御一読をお薦めする。
【余談】
規制改革会議の福井秀夫委員と安念潤司委員は,債権法改正のプロセスに極めて批判的だったそうである。なんだか意外である。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2181614&x=B
近々パブコメが行われる予定の債権法改正に関して,「司法占領」(講談社)の著者による手厳しい批判の書である。特に,重要であると思われる指摘は,
・ 積み上げられた判例規範の多くが死活不明の状態となり,わが国は,予見性(予測可能性)の拠りどころをいまだ確立していない発展途上国に近い状態に逆戻りすることとなる。
・ 旧民法と新民法の併存状態が長期間生ずることとなる。国民は,内容の大きく異なる膨大な分量の新旧両法の二重ルールをいずれも理解しなければならない。
法改正には,「経過措置」が付きものである。ある場合には,新法が適用され,ある場合には,「なお従前の例による」等により,旧法が適用される。借地借家法の下での,旧借地法及び旧借家法の併存状況を例にして,新旧両法の併存状態という重い負担を抱え続けることとなり,一般国民にとって,決して「わかりやすい民法」にはならない,と説く。
債権法改正に御関心のおありの向きには,ぜひ御一読をお薦めする。
【余談】
規制改革会議の福井秀夫委員と安念潤司委員は,債権法改正のプロセスに極めて批判的だったそうである。なんだか意外である。