平成19年4月23日付「合併等を行う場合の登録免許税についての省令の一部改正」で報じたところであるが、登記実務上重要な改正であるので、詳細に触れることとする。平成19年5月1日申請のものから改正後の規則が適用されるので、要注意である。
平成19年5月1日以降に申請する吸収合併の登記において、吸収合併存続会社の資本金の額が増加する場合の登録免許税については、改正後登録免許税法施行規則第12条第2項のとおりに計算する必要があり、添付書面として、同第7項に定める内容を記載した書類が要求される。また、第2項の規定による計算については、吸収合併契約の基礎となった額によるものとされている(同第8項)。
新設合併により株式会社又は合同会社を設立する場合、組織変更により株式会社又は合同会社を設立する場合等においても、同様の計算及び添付書面が要求されている。
改正登録免許税法施行規則は、平成19年4月23日に公布されており、平成19年5月1日施行である。
http://kanpou.npb.go.jp/20070423/20070423h04569/20070423h045690002f.html
登録免許税法施行規則第12条
第2項
法別表第一第二十四号(一)ヘに規定する財務省令で定めるものは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める額とする。
一 吸収合併により株式会社又は合同会社の資本金の額が増加する場合 イに掲げる額にロに掲げる割合を乗じて計算した額(二以上の会社が吸収合併により消滅する場合にあつては、当該消滅する各会社のイに掲げる額にロに掲げる割合を乗じて計算した額の合計額)
イ 吸収合併により消滅する会社の当該消滅の直前における資本金の額(当該消滅する会社が合名会社又は合資会社である場合にあつては、900万円)
ロ (1)に掲げる額から(2)に掲げる額を控除した額(当該控除した額が零を下回る場合にあつては、零)が(1)に掲げる額のうちに占める割合
(1)吸収合併により消滅する会社の当該消滅の直前における資産の額から負債の額を控除した額(当該控除した額がイに掲げる額以下である場合にあつては、イに掲げる額)
(2)吸収合併後存続する株式会社又は合同会社が当該吸収合併に際して当該吸収合併により消滅する会社の株主又は社員に対して交付する財産(当該吸収合併後存続する株式会社の株式(当該株式会社が有していた自己の株式を除く。)及び合同会社の持分を除く。)の価額
二 【略】
第7項
法別表第一第二十四号(一)ヘの吸収合併による株式会社又は合同会社の資本金の増加の登記を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した書類(当該吸収合併後存続する株式会社又は合同会社の代表者が証明したものに限る。)を当該登記の申請書に添付しなければならない。
一 吸収合併により消滅する会社の当該消滅の直前における資産の額及び負債の額
二 吸収合併後存続する株式会社又は合同会社が当該吸収合併に際して当該吸収合併により消滅する各会社の株主又は社員に対して交付する財産(当該吸収合併後存続する株式会社の株式及び合同会社の持分を除く。)の価額
三 前号の交付する財産のうち当該吸収合併後存続する株式会社が有していた自己の株式の価額
第8項
第1項又は第2項の規定による計算は、会社法(平成17年法律第86号)第753条第1項(株式会社を設立する新設合併契約)若しくは第755条第1項(持分会社を設立する新設合併契約)に規定する新設合併契約若しくは同法第749条第1項(株式会社が存続する吸収合併契約)若しくは第751条第1項(持分会社が存続する吸収合併契約)に規定する吸収合併契約又は同法第744条第1項(株式会社の組織変更計画)若しくは第746条第1項(持分会社の組織変更計画)に規定する組織変更計画の基礎となつた額(これらの契約又は計画に変更があつた場合には、当該変更後の契約又は計画の基礎となつた額)によるものとする。
附則
1 この省令は、平成19年5月1日から施行する。
2 第1条の規定による改正後の登録免許税法施行規則第12条第1項、第2項及び第5項から第8項までの規定は、この省令の施行の日後に受ける登記について適用し、同日前に受けた登記については、なお従前の例による。
3 【略】