司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

研修会「和歌山訴訟を振り返る」の参加リポート

2016-06-30 17:31:43 | 司法書士(改正不動産登記法等)
業務研修会「和歌山訴訟を振り返る」に参加してきた(研修ログ)by ミナトノキズナ
http://office-pre2.com/judicial-scrivener/business-of-court/wakayama-lawsuit-2/

 兵庫県司法書士会&近司連研修会「和歌山訴訟を振り返る」の参加リポート。講師は,谷嘉浩さん(大阪会)。筆者は,岡田英司さん(兵庫県会)。

 和歌山訴訟の最高裁判決に関する最速の研修&リポートで,参考になります。
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登記官による職権共同相続登記

2016-06-30 16:31:28 | 不動産登記法その他
 月刊登記情報2016年7月号の巻頭言「法窓一言」に,新井克美「登記官による職権共同相続登記」がある。

 新井氏は,法務省OB(元横浜地方法務局長)の元公証人であるようであるが,「土地の所有者不明化」や「迷子の土地」問題等の対策として,市町村長の申出(地方自治法381条7項参照)等に基づき,登記官が職権により戸籍謄本等を収集し,共同相続登記を行うこと等を提唱されている。

 すばらしい! 「未来につなぐ相続登記」への積極的提言である。


【追記】
 上記の「地方自治法381条7項」は,原文ママであるが,「地方自治法」は誤りであり,正しくは「地方税法」である。

地方税法
 (固定資産課税台帳の登録事項)
第381条 【略】
2~6 【略】
7 市町村長は、登記簿に登記されるべき土地又は家屋が登記されていないため、又は地目その他登記されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合においては、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。この場合において、当該登記所は、その申出を相当と認めるときは、遅滞なく、その申出に係る登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとり、その申出を相当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨を市町村長に通知しなければならない。
8・9 【略】
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親子会社間の法律事務の取扱いについて(弁護士法第72条関係)

2016-06-30 16:09:01 | 会社法(改正商法等)
親子会社間の法律事務の取扱いについて(弁護士法第72条関係)by 法務省
http://www.moj.go.jp/housei/shihouseido/housei10_00134.html

 法務省が,「「規制改革実施計画」(平成28年6月2日閣議決定)において,親子会社間における有償での法律事務の取扱いにつき,法務省として,弁護士法第72条の規制対象となる範囲・態様に関する予測可能性を確保するという観点から検討を行い,必要な措置を講ずることとされ」たことから,検討結果を公表。


「株式会社である親子会社間の法律事務の取扱いに関し,例えば,以下の例に挙げるような親会社の子会社に対する行為については,それが反復的かつ対価を伴うものであったとしても,他に同条の趣旨(最高裁判所昭和46年7月14日大法廷判決・刑集25巻5号690頁参照)に反する事情(紛争介入目的で親子会社関係を作出した等)がない限り,同条に違反するものではないとされる場合が多いと考えられる。」

cf. 「規制改革実施計画」(平成28年6月2日閣議決定)
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/160602/item1.pdf

平成27年10月28日付け「親会社による子会社への法律指導は適法?」

平成16年9月18日付け「弁護士法第72条と有償法務サービス」

 親会社の法務部員等が,グループ子会社の株主総会議事録等を一手に作成して,かつ,登記申請の代理人として登記申請するケースがままあるやに聞き及んでいるが,この行為に,上記「法務省の考え方」の射程は及ぶず,司法書士法違反であると言うべきであろう。
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地面師

2016-06-30 15:55:47 | 不動産登記法その他
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H7K_30062016CC0000/

 虚偽の所有権移転登記を経て,第三者に転売し,買主から9億円を詐取したもの。

 こういう事件に巻き込まれないようにしたいですね。
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登記官吏の務め

2016-06-30 15:09:37 | いろいろ
 明治時代の登記制度の草創期(明治37年頃)に,「登記」という雑誌の第1号に掲載されていた梅謙次郎博士の論説である。原文は,もちろん文語体であるが,判じやすいように,現代語表記にして掲載する。


 登記の制は,各国同じからざる所はあれども,今日の文明国にして全くこの制を採用しないものはないと言ってよかろうと思う。その然る所以は,ある法律上の事項を第三者に知らしむる方法として比較的便利にして確実なるものであるからである。したがって,法律は,その事項の速やかに登記せられんことを望むを常としておって,ために過料その他の制裁を附しているものもあり,然らずもその登記の後にあらざれば一定の効力を生ぜぬものとしていることは各国皆同様である。然らば登記の申請があったならば,登記官吏たる者は,最も速やかに登記をせねばならぬことはもちろんであるが,なお登記の誤載又はその謄本,抄本の誤写のないように注意しなければならぬ。蓋し,その誤謬によって利害関係人は,ややもすれば多大の損害を被るおそれがあるからである。これが特に法律において登記官吏の責任を規定する所以である(不動産登記法第13条,船舶登記規則第1条,非訟事件手続法第125条,同第157条)。

 以上は,誠に知れ切った話で,登記官吏は,皆心得ている所であろうが,茲にそれほど知れ切らないことで登記官吏が往々誤ることがあるから,これを一言しようと思う。そもそも登記は法律に従ってこれをなすのであるから,法律に違った登記をなしてくれとの申請はこれを却下しなければならぬというのが普通の道理であるように見える。故に,登記官吏は,ややもすれば自己の判断によって登記の申請を違法としてこれを却下するようであるが,これは,大いに区別を要する問題である。元来登記は,一の非訟事件であって(裁判所構成法第15条第2号,同条第3号,非訟事件手続法第117条以下,同第139条以下),利害関係人の間で十分相互の利益を弁護した上でこれをなすものでもなく,また登記が法律上無効なるものを有効とする効力を有するものでもないから,登記官吏は,濫りに登記事項の内容に立ち入ってその有効,無効を断定して登記の申請を受理し,又は却下する職権を有するものではない。唯形式上適法のものはその実質の如何にかかわらずこれを受理して登記せねばならぬ。されば不動産登記法第49条にも明らかに「登記官吏は,左の場合に限り・・・申請を却下することを要す」として,その場合を限定しているのである(船舶登記規則第1条にもこれを準用している。)。而してその場合は,皆形式上の欠点ある場合のみであると言ってよろしい。なるほどその第2号に「事件が登記すべきものにあらざる」とあるから,およそ違法の登記の申請は皆これを却下すべきであるという者があるかも知れぬがこれはやはり形式上「登記すべきものにあらざる」事件をいうので,例えば使用貸借を登記してくれと申請する者があっても,使用貸借の登記はこれをなすべき欄が登記簿にないから(不動産登記法第16条,同第17条,船舶登記規則第6条),これを却下する外はない。然れども地役権が公の秩序に反するという理由によってその登記を拒むことはできない(民法第280条)。また非訟事件手続法第151条第1項には「登記所は,登記の申請が商法又は本章の規定に適せざるときは・・・これを却下すべし」とあって(非訟事件手続法第125条にこれを法人及び夫婦財産契約の登記に準用せり),商業登記についてはおよそ商法に違った登記の申請は皆これを却下すべきもののように見えるけれども,私はそうでないと思う。例えば,会社の商号の登記を申請する場合に,その商号に「合名会社」,「合資会社」,「株式会社」又は「株式合資会社」の文字を附せないときは,形式上違法であるから(商法第17条),その申請を却下すべきであるが,会社の取締役又は監査役の登記を申請する場合においてその選挙が有効であるか無効であるかということのごときは,よろしく登記官吏の探求すべき問題でなくして,いやしくもその選挙に関する書類が具備している以上は(非訟事件手続法第187条第2項第6号,同条第9号,同第188条第2項),必ず登記をしなければならぬ。これらのことを誤解している登記官吏もないではないようであるから,茲に「登記官吏の務め」なる標題を掲げて一言したのである。
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取締役権利義務者に関する登記はいかが(その2)

2016-06-30 00:27:40 | 会社法(改正商法等)
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO0424229029062016DTA000/

 上場企業の定時株主総会で,会社提案の取締役選任議案が否決。従来の取締役が取締役権利義務者となった。

 やはり,「取締役権利義務者」に関する登記制度が必要では?

cf. 平成24年12月18日付け「取締役権利義務者に関する登記はいかが」
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ダイハツ&トヨタの株式交換

2016-06-30 00:08:13 | 会社法(改正商法等)
産経新聞記事
http://www.sankei.com/west/news/160629/wst1606290119-n1.html

 ダイハツが,トヨタの100%子会社に。
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相続法制の見直しについて(法務大臣の所見)

2016-06-29 23:23:08 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(平成28年6月28日(火))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00792.html

【記者】
 法制審議会の民法(相続関係)部会が21日,相続で自宅退去を迫られる可能性のある配偶者の居住権保護などを柱とした中間試案をまとめました。大臣の御所見をお聞かせください。

【大臣】
 相続法制の見直しについて調査審議をしている法制審議会民法(相続関係)部会において,今月(平成28年6月)21日,配偶者の居住権を保護するための方策を含む中間試案の取りまとめがなされました。
 今後,中間試案をパブリック・コメントの手続に付し,国民各層の幅広い意見を募った上,本年秋以降に調査審議が再開されるものと理解しています。この相続法制の見直しは,国民生活に重大な影響を与える問題であるので,パブリック・コメントの手続を通じて寄せられた意見を踏まえ,活発な議論が行われることを期待しています。

【記者】
 高齢化社会など昨今の社会情勢を踏まえ,検討されているということですが,実際の社会を見ると法律婚だけではなく,事実婚の方も増えているという現状もありますが,そうした現状も踏まえた上での見直しなのでしょうか,御所見をお願いします。

【大臣】
 先ほどもお答えしたとおり,今後パブリック・コメントの手続を通じて,国民各層の幅広い意見を募り,国民の皆様から寄せられた意見を踏まえた上で,本年秋以降に調査審議が再開される予定と考えています。相続法制の見直しについては,今,御質問がありました内容等も踏まえて,様々な御意見があるものと思われますが,法制審議会に諮問をした立場にある者としては,まずは法制審議会における議論の状況を見守ってまいりたいと考えています。
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募集株式の発行手続における二段階の決議と条件付割当決議(その2)

2016-06-29 23:02:38 | 会社法(改正商法等)
 公開会社でない株式会社&取締役会設置会社における募集株式の発行手続の流れの原則は,次のとおり。

(1)増資の発案
(2)取締役会決議(株主総会の招集)
(3)株主総会決議(募集株式の発行の決議)
(4)申込みの勧誘
(5)引受人からの申込み
(6)取締役会決議(割当ての決議)
(7)払込み

 (1)の時点で引受人が決まっている場合もあろうが,その場合は,事実の流れに沿えば,次のとおりの手続も可能である。

(1)増資の発案
(2)引受人からの条件付き申込み
(3)取締役会決議(株主総会の招集&条件付き割当ての決議)
(4)株主総会決議(募集株式の発行の決議)
(5)払込み

 事実の経緯が上記のとおりであれば,そのとおりに添付書面を作成すればよいのである。

 同様のケースで,取締役会設置会社でない株式会社においては,

(1)増資の発案
(2)引受人からの条件付き申込み
(3)株主総会決議(募集株式の発行の決議&割当ての決議)
(4)払込み

という流れも可能である。

 (3)の株主総会決議(募集株式の発行の決議&割当ての決議)を「条件付き」云々で議論するよりも,(2)の申込証の内容を,事実通りに「条件付き」にすればよいだけである。

 添付書面は,登記原因たる事実を証するものであり,手続の流れが会社法の原則と相違する場合には,例外として許容されることが一見明らかとなるように,「条件付き」等,事実のとおりに作成することになるのである。

cf. 平成28年6月28日付け「募集株式の発行手続における二段階の決議と条件付割当決議」
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株主総会の集中日

2016-06-29 21:58:47 | 会社法(改正商法等)
産経新聞記事
http://www.sankei.com/economy/news/160629/ecn1606290044-n1.html

 本日は,今年の集中日でした。

「東証のコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)の導入から2年目に入り、主要取引先などの関係者でない、独立した社外取締役を複数選任する企業は東証1部上場企業の4分の3を超える見込みだ。」(上掲記事)

cf. 平成22年3月22日付け「独立役員は,1名でよいのか」
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自民党改憲草案を読む-いかなる「立憲主義」なのか?

2016-06-29 19:22:19 | いろいろ
自由と平和のための京大有志の会
http://www.kyotounivfreedom.com/speech/script/20160609yamamuro/

 山室信一氏の講演録。
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法テラス「被災者法律相談援助について」

2016-06-29 14:59:47 | 熊本・大分大震災関係
法テラス「被災者法律相談援助について」
http://www.houterasu.or.jp/news/houterasu_info/160628.html

「平成28年7月から、平成28年(2016年)熊本地震で被災された方々が「被災者法律相談援助」の対象となりました。」
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平成28年熊本地震に関する【法律Q&A】

2016-06-28 19:30:59 | 熊本・大分大震災関係
平成28年熊本地震に関する【法律Q&A】by 熊本日日新聞
http://this.kiji.is/120332913544955380

 熊本県弁護士会所属の弁護士による回答である。
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創業家と企業統治の在り方

2016-06-28 19:26:53 | 会社法(改正商法等)
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK28H2V_Y6A620C1000000/?dg=1&nf=1

 出光創業家と,出光興産&昭和シェルの合併に関する記事である。

 ノーと言える議決権を保有しているからこそのキャスティング・ボート。
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日税連「平成29年度税制改正に関する建議書」

2016-06-28 18:29:09 | 税務関係
「平成29年度税制改正に関する建議書」について by 日税連
http://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/p160627/

〇 本建議書における重要建議項目
 本建議書では、次の4点について特に強く主張したい。

(1)「災害税制に関する基本法」の立法化について
(2)中小法人税制について
  ⅰ 外形標準課税は中小法人に適用すべきではない
  ⅱ 繰越欠損金の控除限度額の縮減は中小法人に適用すべきではない
(3)消費税制について
(4)取引相場のない株式等の評価の適正化について
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