司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「社外取締役の在り方に関する実務指針」

2020-07-31 19:48:30 | 会社法(改正商法等)
「社外取締役の在り方に関する実務指針」を策定しました by 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200731004/20200731004.html

「コーポレートガバナンス改革を形式から実質へと深化させるためには、その中核となる社外取締役がより実質的な役割を果たし、その機能を発揮することが重要であるとの問題意識から、経済産業省では、2019年11月から2020年1月にかけて、社外取締役の活動実態や課題を把握するため、東京証券取引所1部・2部上場企業の社外取締役を対象にアンケート調査を実施するとともに、社外取締役42名に対するインタビューを行い、ベストプラクティスを収集・整理しました。
 これらの調査結果を踏まえ、令和2年5月からコーポレート・ガバナンス・システム研究会(第2期)(座長:神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授。以下、「本研究会」という)を再開し、社外取締役としての役割認識や心構え、具体的な取組及び会社側のサポート体制などのベストプラクティスについて議論し、その成果をまとめる形で「社外取締役の在り方に関する実務指針」を策定しました。」
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企業による大量の電子確定日付付与の利用

2020-07-31 19:40:54 | 法務省&法務局関係
日付情報の付与(確定日付の付与)の請求 by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/DENSHIKOSHO/denshikosho1-3.html

「電子的な情報に,指定公証人が日付情報を付し,これに電子署名をすると,この情報は「確定日付ある証書」とみなされます(民法施行法第5条第1項及び第2項)。」

 最近,次のような利用例が増えているそうだ。

1.不動産賃貸借契約書
 全国に多数のチェーン店を有する不動産会社が,全国から送付されてくる膨大な数の不動産賃貸借契約書について,神ベースで保存すると,多額の倉庫料を要するので,電子確定日付を取得した上,データとして保存する(その段階で紙の不動産賃貸借契約書は廃棄する。)ために,不動産賃貸借契約書をPDF化したものについて,電子確定日付付与の嘱託をするというもの。

2.住宅ローン(フラット35等)の電子契約書
 金融機関が,全国各地の住宅ローンの債務者,連帯保証人,物上保証人等である個人に対し,当該金融機関が使用しているのと同じ種類の電子署名を新たに取得させた上,自らも電子署名し,債務者等にもその電子署名(いずれも法務省が認めている以外の電子署名)をさせた住宅ローンの電子契約書について,電子確定日付付与の嘱託をするというもの。

 というわけで,令和2年8月3日から,日本公証人連合会が「電子確定日付センター」の運用を開始するらしい。

 電子確定日付付与の嘱託は,全国いずれの公証人役場においてもすることができるが,大量の嘱託を同時に行う場合には,一部特定の公証人役場に対して行って欲しい,というものである。


民法施行法
第五条 証書ハ左ノ場合ニ限リ確定日付アルモノトス
 一 公正証書ナルトキハ其日付ヲ以テ確定日付トス
 二 登記所又ハ公証人役場ニ於テ私署証書ニ日付アル印章ヲ押捺シタルトキハ其印章ノ日付ヲ以テ確定日付トス
 三 私署証書ノ署名者中ニ死亡シタル者アルトキハ其死亡ノ日ヨリ確定日付アルモノトス
 四 確定日付アル証書中ニ私署証書ヲ引用シタルトキハ其証書ノ日付ヲ以テ引用シタル私署証書ノ確定日付トス
 五 官庁又ハ公署ニ於テ私署証書ニ或事項ヲ記入シ之ニ日付ヲ記載シタルトキハ其日付ヲ以テ其証書ノ確定日付トス
 六 郵便認証司(郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第五十九条第一項ニ規定スル郵便認証司ヲ謂フ)ガ同法第五十八条第一号ニ規定スル内容証明ノ取扱ニ係ル認証ヲ為シタルトキハ同号ノ規定ニ従ヒテ記載シタル日付ヲ以テ確定日付トス
2 指定公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第七条ノ二第一項ニ規定スル指定公証人ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ガ其設ケタル公証人役場ニ於テ請求ニ基キ法務省令ノ定ムル方法ニ依リ電磁的記録(電子的方式、磁気的方式其他人ノ知覚ヲ以テ認識スルコト能ハザル方式(以下電磁的方式ト称ス)ニ依リ作ラルル記録ニシテ電子計算機ニ依ル情報処理ノ用ニ供セラルルモノヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ記録セラレタル情報ニ日付ヲ内容トスル情報(以下日付情報ト称ス)ヲ電磁的方式ニ依リ付シタルトキハ当該電磁的記録ニ記録セラレタル情報ハ確定日付アル証書ト看做ス但公務員ガ職務上作成シタル電磁的記録以外ノモノニ付シタルトキニ限ル
3 前項ノ場合ニ於テハ日付情報ノ日付ヲ以テ確定日付トス
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法制審議会民法(親子法制)部会第9回会議

2020-07-31 18:45:05 | 民法改正
法制審議会民法(親子法制)部会第9回会議(令和2年7月21日開催)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00022.html

 第9回会議が開催され,「民法第772条の嫡出推定規定等の見直し(二読)」について議論がされたようである。
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「改正司法書士法の施行にあたって~社会の期待に応え,その使命を果たす」

2020-07-31 18:41:20 | 司法書士(改正不動産登記法等)
改正司法書士法の施行にあたって~社会の期待に応え,その使命を果たす
https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement/51207/

 明日(8月1日),改正司法書士法が施行されるにあたっての日司連会長声明である。
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「株式会社TOKIO」登記簿が閲覧可能に

2020-07-30 12:46:08 | 会社法(改正商法等)
J-CASTニュース
https://www.j-cast.com/2020/07/29391046.html?p=all

 別にジャニーズに興味があるわけではないが・・。

「株式会社TOKIOの登記簿を確認すると、設立は7月22日、資本金は1000万、本店所在地はジャニーズ事務所と同じとなっている。
代表取締役は、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子・代表取締役社長が就任し、城島さん、国分さん、松岡さんが取締役に名を連ねる。城島さんは代表権のない取締役社長ということになる。」(上掲記事)

ということらしい。

「代表権のない取締役社長」ね。住所を表に出さないためでしょうか。

 法人番号公表サイトを見ると,「株式会社TOKIO」は,既に同名の会社が何社も登記されているようだ。
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個人情報保護委員会が,破産者等に関する情報を掲載するウェブサイトに停止命令

2020-07-30 10:52:12 | 消費者問題
個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について by 個人情報保護委員会
https://www.ppc.go.jp/news/press/2020/200729kouhou/

「個人情報保護委員会は、本日(7月29日)、多数の破産者等の個人情報をウェブサイトに違法に掲載している2事業者に対し、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第42条第2項に基づき、当該ウェブサイトを直ちに停止等するよう命令を行いました。なお、当該2事業者の所在をいずれも知ることができなかったため、公示送達の手法により行いました。」

「本命令の対応期限(本年8月27日)までに具体的な対応がなされない場合は、同法第84条の罰則適用を求めて刑事告発することを予定している。 」

cf. 讀賣新聞記事
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200729-OYT1T50372/
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「法人の実質的支配者把握で法務省研究会、商業登記所における 把握促進策の検討を取りまとめ」

2020-07-29 15:59:41 | 会社法(改正商法等)
商事法務ポータル
https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=12467142

「商業登記所における法人の実質的支配者情報の把握促進に関する研究会」の議論の取りまとめについて,詳細な解説である。

 全文を読むことができるのは,商事法務ポータル会員のみであるが。
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野村不動産,不動産の売買契約を電子化へ

2020-07-29 14:48:29 | 不動産登記法その他
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61951460X20C20A7TJ2000/

「野村不動産は今冬から新築分譲マンションや一戸建ての売買契約の手続きを電子化する。IT(情報技術)サービスを活用して書類をシステムで管理し、電子での署名やなつ印も可能にする。不動産大手初で、顧客の負担を減らし契約業務を効率化する。」(上掲記事)

 不動産会社からすれば,全ての契約を電子化することができれば,便宜であろうが,一般の消費者である買い手に,これに対応することができる層が果たしてどの程度あるのか。

 ニワトリが先か,卵が先か,なのかもしれないが。

 とまれ,司法書士としても,電子化に対応することが可能である依頼者層が今後徐々に増えて行くことを想定しておかねばなるまい。

 不動産登記の申請をする場合にその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない添付情報が電磁的記録として作成されている場合の電子署名についても,近い将来,規制緩和がされることになるのであろうか。
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「無配でも優待」? 有名無実の株主平等原則?

2020-07-29 14:38:36 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62000130Y0A720C2000000/

 株主優待制度の現状が,株主平等原則に違反している(容認できる程度を越えている)という趣旨の記事である。
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「破産情報のオンライン拡散問題への対策」

2020-07-29 11:48:41 | 消費者問題
破産情報のオンライン拡散問題への対策 by 衆議院議員松平浩一
https://www.matsudaira-office.jp/archives/178

「破産者マップ」「モンスターマップ」の問題について,深く掘り下げられている。

 ところで,

「なお、本稿執筆時点において、後継サイトの一つに、筆者(衆議院議員・松平浩一)が関係しているかのような記載があるが、サイト運営者と筆者には一切関係が無い。推察するに、筆者の国会、SNSでの発言や、後述のような活動(役所への申入れ)を快く思わないサイト運営者の意趣返しであろう。」(上掲記事)

 不可解な記載だと思っていたが,無関係であるそうだ。

「破産者マップの後継サイトについては現行法の枠内のみで対処することは困難な面がある。このことから、2020年2月17日、筆者は全国青年司法書士協議会の方々とともに関係省庁(法務省、個人情報保護委員会、内閣府、国立印刷局)と最高裁判所に「破産者等の個人情報に配慮した対応及び法整備を求める申入書」を提出した。」(上掲記事)

 全青司の皆さんも,活動されてたんですね。

cf. 破産者等の個人情報に配慮した対応及び法整備を求める申入書 by 全青司
http://www.zenseishi.com/opinion/2020-02-17-01.html

令和2年7月29日付け「破産者に関する情報等をまとめて掲載しているサイトに個人情報保護委員会が停止命令へ」
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破産者に関する情報等をまとめて掲載しているサイトに個人情報保護委員会が停止命令へ

2020-07-29 08:36:11 | 消費者問題
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62015710Y0A720C2MM8000/

「政府の個人情報保護委員会は破産者の氏名や住所などの個人情報をインターネット上で公開しているサイトに対し、運営の停止命令を出す方針を固めた。本人の同意なく個人情報をサイトに掲載したことなどが、個人情報保護法に違反すると判断した。個人情報保護委が停止命令を出すのは今回が初めて。」(上掲記事)

 おそらくモンスターマップのことだと思われるが,よいことである。

 この春以降,個人情報を掲載されてしまった方々から,「ブログを見た。何とかできないのか?」という電話による問い合わせが私の所にも複数件あったぐらいであり,やはり大きな問題となっていて,今回の動きとなったようである。

cf. 平成31年3月23日付け「破産者マップ」その後

平成31年3月19日付け「破産者マップ」は,プライバシーの侵害か
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「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」報告書

2020-07-28 19:23:22 | 会社法(改正商法等)
新時代の株主総会プロセスの在り方研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/shin_sokai_process/index.html

「経済産業省は、株主総会当日の新たな電子的手段の活用の在り方及び近年の内外の制度整備や実務の積み重ねを踏まえたさらなる対話のための環境整備等について検討するため、2019年8月に「新時代の株主総会プロセスの在り方に関する研究会」設置し、この度、報告書を取りまとめました。」

 公益社団法人商事法務研究会では,WEBセミナーで,上記報告書の解説会を行っているようである。
https://www.shojihomu.or.jp/article?articleId=12424135
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「視線入力装置」付きのパソコンを使って遺言書を作成

2020-07-28 17:53:01 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61975580Y0A720C2000000/

 話題の嘱託殺人事件の被害者が,遺言書を作成していたという。

「センサーが目の動きを感知し,画面上の文字盤で文章を作成できる「視線入力装置」付きのパソコンを使って書き,印刷したとみられる。」(上掲記事)

 このようなこともできるんですね。

 法律上は,残念ながら,無効であるが・・・。

 このような場合,民法第969条の2第1項の類推適用により,公正証書遺言を作成することが認められるようである(能見善久・加藤新太郎編「論点体系 判例民法11 相続(第3版)」(第一法規)339頁)。

民法
 (公正証書遺言の方式の特則)
第969条の2 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
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社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン(案)

2020-07-23 02:03:27 | 法人制度
社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン(案)の御意見募集(パブリックコメント)について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495200152&Mode=0

策定の趣旨
○ 成長戦略フォローアップ(令和元年6月21日閣議決定)において「希望する法人が、大規模化や協働化に円滑に取り組めるよう、(中略)2019年度中を目途に、好事例の収集やガイドラインの策定等を行う。」と示されたこと及び社会福祉法人の事業展開等に関する検討会報告書(令和元年12月)において「希望する法人向けのガイドライン策定を進めるべき」と示されたことを踏まえ、令和元年度社会福祉推進事業「社会福祉法人の事業拡大等に関する調査研究事業」において、経営者向けガイドライン案及び実務担当者向けマニュアル案を検討した。
○ 同推進事業でとりまとめられたガイドラインを元に、「社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン(案)」を策定する。

cf. 令和2年2月6日付け「社会福祉法人の合併等の再編が増えている」

 意見募集は,令和2年8月20日(木)まで。
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不動産登記規則等の一部を改正する省令案

2020-07-23 01:46:31 | 不動産登記法その他
不動産登記規則等の一部を改正する省令案の概要に関する意見募集
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080222&Mode=0

○ 改正の趣旨
 令和2年3月31日に公布された土地基本法等の一部を改正する法律(令和2年法律第12号。以下「改正法」という。)のうち,不動産登記法(平成16年法律第123号。以下「法」という。)の一部改正を含む部分が同年9月29日に施行される(土地基本法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(令和2年政令第182号))ところ,これにより,地方公共団体が,その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは,筆界特定登記官に対し,当該対象土地の筆界(法第14条第1項の地図に表示されないものに限る。)について,筆界特定の申請を行うことできることとなる(改正後の法第131条第2項)。
 本省令案は,上記の改正法の一部の施行に伴い,不動産登記規則(平成17年法務省令第18号。以下「規則」という。)その他の関係省令の規定の整備を行うものである。

○ 施行期日
 令和2年9月29日

 意見募集は,令和2年8月20日(木)まで。
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