支払能力シリーズ5: 適正労働分配率へのアプローチ
検索しやすいように、今回から「支払能力シリーズ#」を先に持ってきました。
前回、労働分配率論争という言葉を使いましたが、この言葉には長い歴史があります。
マルクスが資本論を書いたのは「剰余価値」(現代で言えば「付加価値」でしょう)の分配が資本家に偏り、現実に剰余価値は労働者の働きによって生み出されているのに、労働者は資本家に搾取され、ごく少ない取り分しか受け取っていないと考えたのがきっかけでしょう。
こうして労働分配率が低すぎると、それは革命にまで発展することにもなります。現代でも、労働分配率が少な過ぎれば、ストライキに繋がるというのは起こりうることです。さらに、1929年の世界恐慌のように、富が偏在、プロレタリアは購買力がなく、需要不足から恐慌に発展する可能性が高まります。
逆に労働分配率が高すぎるとどうなるのでしょうか。これは1980年代のヨーロッパアメリカに見られた現象です。
2度の石油ショックの後、原油値上がりにより発生した輸入インフレを、賃上げでインフレをカバーするという理由で賃金を引き上げましたが、、結果は競争力の低下で、企業収益は低迷、高インフレやスタグフレーションが一般化し、経済成長率は低下、先進国病と言われ、主要国の多くで政権交代が起きました。
労働分配率は、高すぎても、低すぎても、企業経営、国民経済はうまく行かないようです
という事になれば、推論の結果は「真理は中間にあり」、つまり両極端の中間のどこかに、望ましい労働分配率があるという事になるのでしょう。
この辺りが、労働分配率論争の「解」を探る適正労働分配率へのアプローチの入り口になるのではないでしょうか。
さらに論を進めるために、次回は、適正労働分配率を考える場合の、よって立つ2つの考え方を見てみましょう。
検索しやすいように、今回から「支払能力シリーズ#」を先に持ってきました。
前回、労働分配率論争という言葉を使いましたが、この言葉には長い歴史があります。
マルクスが資本論を書いたのは「剰余価値」(現代で言えば「付加価値」でしょう)の分配が資本家に偏り、現実に剰余価値は労働者の働きによって生み出されているのに、労働者は資本家に搾取され、ごく少ない取り分しか受け取っていないと考えたのがきっかけでしょう。
こうして労働分配率が低すぎると、それは革命にまで発展することにもなります。現代でも、労働分配率が少な過ぎれば、ストライキに繋がるというのは起こりうることです。さらに、1929年の世界恐慌のように、富が偏在、プロレタリアは購買力がなく、需要不足から恐慌に発展する可能性が高まります。
逆に労働分配率が高すぎるとどうなるのでしょうか。これは1980年代のヨーロッパアメリカに見られた現象です。
2度の石油ショックの後、原油値上がりにより発生した輸入インフレを、賃上げでインフレをカバーするという理由で賃金を引き上げましたが、、結果は競争力の低下で、企業収益は低迷、高インフレやスタグフレーションが一般化し、経済成長率は低下、先進国病と言われ、主要国の多くで政権交代が起きました。
労働分配率は、高すぎても、低すぎても、企業経営、国民経済はうまく行かないようです
という事になれば、推論の結果は「真理は中間にあり」、つまり両極端の中間のどこかに、望ましい労働分配率があるという事になるのでしょう。
この辺りが、労働分配率論争の「解」を探る適正労働分配率へのアプローチの入り口になるのではないでしょうか。
さらに論を進めるために、次回は、適正労働分配率を考える場合の、よって立つ2つの考え方を見てみましょう。