tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

キリギリスの逆襲

2017年02月02日 10時48分42秒 | 国際関係
キリギリスの逆襲
 このブログではイソップの寓話になぞらえ、日本人をアリに例え、ギリシャやアメリカをキリギリスに例えてきました。

 いま日本は「アリ精神」が行き過ぎて、消費と貯蓄のバランスが貯蓄超過になって、経済成長にブレーキがかかっていると見ています。

 一方アメリカは「キリギリス型」で消費に偏り、万年赤字になっています。国内が消費中心で投資がないと、生産は外国に頼ることになり、国内では生産があまり行われなくなり雇用も減ります。
 
 トランプさんは、国内の雇用を増やすことを掲げて当選したのでしょうが、「みんな働いて競争力のある生産をしよう」というのではなく、「輸入先の外国が安くて良い品を売り込むのがいけない」と日本の自動車産業などを口撃しています。

 これではまさに「キリギリスの逆襲」です。イソップの教えは「遊んでばかりいると後から苦労しますよ」という事なのでしょうが、イソップならぬトランプによれば、「働き好きのアリが怪しからん」という事になるようです。

  ツイッターのような不十分なコミュニケーション手段で、世界中に影響するような大事な事を伝えようとしても、多分、本当の思いはうまく伝わらないのが通常でしょう。あとからいろいろ補足したりしていますが、広がった情報はそう簡単には変えられません。混乱は起こすのは簡単ですが、収めるのは大変なのです。

 大統領令になると、内容はもう少しはっきりするのでしょうが、トランプさんが大統領令に署名するときのあの誇らしげなお顔は何となく不気味ですね。

 安倍さんも、近じかトランプさんとの首脳会談という事ですが、「信頼関係を築きたい」という発言は、当を得たものだと思っています。
 首脳会談といっても、人間どうしですから、首脳どうし個人間の信頼関係がなければ、まともな二国間関係は成り立たないでしょう。

 権謀術策の上でのバランス関係という外交もあるでしょうが、日本人はそういうのは多分下手で、すべては信頼関係が出来てからというのが、日本人には向いていると思うからです。
 
  現状は世界中が混乱といった状況ですが、批判や悪口の言い合いだけではない、「正常な」でしょうか、「まともな」でしょうか、「合理的な」でしょうか、世の中を丸く収めるような首脳どうしの人間関係をまず考えるのが、日米のためにも、世界のためにも大切だという気がします。

 世界の平和はそこから始まるのでしょうし、そうでないと不信と混乱が、「終末時計をさらに進めるような」ことになりかねません。人類の知恵が試されているのでしょう。