tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経常収支黒字21兆6000億円、9年ぶり高水準

2017年02月08日 11時51分04秒 | 経済
経常収支黒字21兆6000億円、9年ぶり高水準
 財務省が今日発表した2016年の我が国の経常収支は、21.6兆円余の黒字だったとのことです。これは2007年の24兆円以来の高水準だそうです。

 2007年と言えば、リーマンショック直前の年で、直後のリーマンショックで日本の金融機関や証券会社はバランスシートに大穴が空き、多くの方々が、一生懸命貯蓄に励んでいた投資信託や外貨建て証券、外貨預金なども価格が暴落して折角の貯蓄が大きく目減りしてしまったなどという経験をお持ちの方も多いと思います。

 そんなことを書いたのも、このところ日本の家計の貯蓄率は高まり、消費支出は停滞して、そのせいで経済成長率は低迷、政府の経済政策が、どうにも思うようにいかない原因になっているといった状況があるからです。

 勤倹貯蓄は立派な精神ですが、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」で状況を見ながら、適切に判断しないと結局無駄になっていしまうという事も良くあるからです。

 このブログでは、政府の政策が、将来不安を作り出しているので、国民は将来の生活防衛のために貯蓄に励むといってきています。そして、国民が日本の将来、自分たちの生活の 将来に希望や安心を持てるような政策の必要を指摘し続けています。

 その意味から考えてみますと、経常黒字21兆円というのは、この1年間で日本人が稼いだ金の内21兆円を使い残したという事です。
 つまり21兆円は日本として貯蓄になっているのでから、もしこの21兆円を使い切れば、経済成長率は4%ほど高くなりことになります。貯蓄を半分にして、10兆円を使っても経済成長率はプラス2%で、安倍さんは大喜びでしょう。

 もしこうして経済が成長すれば、将来についてもそれなりの展望も出来てくるわけで、賃金も利益も共に増えるようになり、金利も正常化して、定期預金に預けておいてもきちんと利息が付いて、貯金が自動的に増えるといった昔に返ることにもなるでしょう。
 年金設計などもしやすくなり、将来不安も次第に和らぐことでしょう。

 もう一つ付け加えれば、トランプさんは、アメリカの赤字の元凶として黒字国の中国や、日本などを標的にしているようですが、多分その手段としてドル安、円高を考えているのでしょう。理不尽なことですが、対応は至難でしょう。 
 その予防策としても、日本は大幅黒字ではありません、アメリカに損害を与えているようなことはありませんよ、といえるようになります。

 経常黒字は日本人の勤勉の証でもありますが、それがかえって仇になって、日本人自身が損をするようなことを避ける工夫が、政府、企業労使、国民の皆に必要なようです。