tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

家計消費支出の行方を占う

2022年06月08日 17時04分30秒 | 経済
昨日家計調査の今年の4月分が発表になりました。そろそろ何か変わった動きが出るかなとも思わせるところもあります。

コロナウィルスも、なんとかオミクロンで終わりになってくれるでしょうか。
国内に関する限り新規感染者数はかなりの減少を示してきていますが、問題はインバウンドの受け入れの積極化が予期せぬ影響を持つか持たなくて済むかでしょう。

これまでも毎月書いて来ていますが、家計の消費支出はコロナウィルスの跳梁とほぼ逆相関という形で動いて来ています。

この2年間の消費支出の動きを実額でグラフにしますとこんなことになります。
      消費支出(月額)の推移 (単位:千円)

(勤労者世帯の方が高いのは、平均家族数の違いで、1人当たりにするとほぼ同じ水準です)

少しでも増えていると言えば言えない事はありませんが、グラフの始まりは2020年4月で、最初の緊急事態宣言が出たときです。その前の3月までは、レベルが一段高かったのです。

家計調査の消費支出は伝統的にはボーナス月の6月と12月に消費支出額は増えるという季節変動が常識でしたが、この所はコロナ変動で、緊急事態宣言で下げ、解除で上がるという様子が明らかではないでしょうか。

最近で見ますと昨年8月のデルタ株の猛威が落ち着くにしたがって消費資質が増え、12月はボーナス月と重なってピークでした。しかし今年に入ってオミクロン猖獗で低迷、やっと3月からオミクロン株鎮静の様子見の回復といった動きです。

こう見てきますと、ウクライナ問題の国際的混乱はともかく、コロナウィルス問題は、世界でも終息を予想する動きで、日本政府もインバウンドの枠拡大に踏み切る取ったところに来ていますから、様子は少し変わるのでしょうか。

コロナについての世界主要国の予測が確実なものになってくれば、今後の家計消費の2人以上所帯、同勤労者所帯の消費支出も増え、GDP統計の四半期報の個人消費支出も増え、結果的に(今日のGDP1-3月期二次速報でマイナス成長の幅が少し減りましたが)日本の経済成長もいよいよプラス方向に向かうか、といった見通しも可能になりそうです。

毎月見てきている2人以上勤労者世帯の平均消費性向も4月に至って、前年同月の77.0から78.8に1.8ポイント上がり、低迷していた2月、落ち込んだ3月から再浮上に向かうのではないかと思われるところです。

安易な楽観はいけませんが、家計が少し先行きに明るさを感じているかと思えば、思えないこともなさそうです。

ところが、今度は物価上昇という問題が起きて日本銀行総裁の楽観的発言が問題以なったりしていますが、あまり感情的にならずに、庶民の本音の行動に注目する事が大事かと思うところです。

物価については毎月、色々な物価の中身をグラフにして、正確なデータをこのブログで出していますので、今後の予測の材料にも活用頂きたいと思います。