tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

参院選モードへ、与野党、国民の意識は

2022年06月16日 12時44分41秒 | 政治
通常国会は順調に閉幕、法案通過も上々のようで、与党にとってはこのまま順調に参院選に入っていけると過半数獲得に着々と狙いを定め、出発進行でしょうか。

当面する問題点は、やはり1にコロナの終息、2に物価対策、3に子供(貧困家庭)政策委というところでしょうか。

与党にしてみればコロナには「感染症危機管理庁」を作ったし、物価問題には「物価賃金総合生活本部」構想を準備したし、子供問題には「こども庁」の発足を決めたし、国民の要請にはきちんと答えたから、後は、国民にポピュラーな(人気者)を集めて参院選勝利に邁進というところでしょう。

国民は大人しいし、野党は俺が俺がの分裂専門家が多くて結束などは夢の夢ですから、まあほぼ安心というのが本音でしょう。

その意味では岸田政権はこの難局をなんとかスマートにこなしてきたようです。後の問題は「仏作って魂は?」でしょう。

昔と違って、政治家も官僚も、国民や日本国の将来の事よりも「自分ファースト」の傾向が強くなっているようですから(世界的にそうですから仕方ないかとも思いましが)、魂はなかなか入らないでしょう。

感染症危機管理庁も、ワクチン開発の現状のように、多少の補助金を出しても、研究開発そのものがどうも上手くないようで、長年の研究開発手抜き政策で人材を育てて来なかったからだという声もあります。

「生活総合対策本部」構想も、物価問題についての正確な認識が出来ていない中で何をしようというのか(給付金・補助金の額を競う?)中身不明です。

かつて1970年代の石油危機で、消費者物価がピークで26%も上がった時、労使の協力でインフレ抑制に世界に先駆けて成功した日本の労使と政府の協調も今は昔の夢でしょう。

こども庁も立派な仏像は作ったが、「魂が入らなかった」などという事にならない事を切に願うところです。
少子化と育児負担の悪循環の問題は、上に括弧内で書きましたように「貧困家庭」の拡大(結果国民の将来展望が暗い)に大きな原因があります。

この問題の原因を詰めていけば、長期不況の中で急速に進行した格差社会化の問題です。「こども庁」を作ってみても、格差社会化が進むようでは「魂」は入りようがありません。
物には原因がって結果があります。この所の与党の政策は、結果に湿布を張る後追い政策が主流です。野党は、その湿布をもっと十分にというばかりです。

参院選はそんな状況の中で行われます。また投票率は下がるのではないでしょうか。
当選と投票率を上げるためには人気のある有名人(ポピュラーな人)を候補者にすればいいといった傾向はますます強まりそうとの意見もあるようです。

ポピュラーにはいい意味もありますが、現実には、こうした状況が進んでいくと結果は民主主義のポピュリズム化でしょう。国民は政治と人気投票をを混同し、民主主義は空洞化し、時に独裁者を生み出すことは歴史が実証しています。

参議院は本来「良識の府」です。今回は参院選なのです。
人格、識見、発言、行動などが、日本国民のための政治を創り出すような人を、いかに選ぶか、国民の良識ある審判を以て結果を出し、日本の将来を明るくするような参院選にしたいものです。