新しい資本主義、成長と分配の好循環で分厚い中間層を復活させようといった「これは何かありそうだ」と感じられる岸田構想が打ち出され、これで低迷ばかりのアベノミクスから抜け出せるかと国民に期待感を持たせた岸田内閣です。
その誠実な態度、物言いから支持率も上がって来ている岸田内閣ですが、この所の動きを見ていますと、なにか次第に精彩を欠いて来ているように思われます。
政府の経済政策の根幹をなす財政の問題について、5月31日の経済財政諮問会議の動きを見ますと、結局財政再建を目標に掲げる岸田構想は消え、財政再建は目標だが、2025年に基礎収支の均衡といった具体的目標はなくなったようです。
補正予算でも予備費が増え、アベノミクスがやってきた財政で景気を支えるという形に変えるようです。
アベノミクスの3本の矢、円安の実現、財政の出動、民間活力、の現在をみますと、円安は「悪い円安」になり、財政出動は突出して世界トップクラスの財政累積赤字の国となりましたが、それらはまったく民間活力につながっていないのです。
その結果は、相変わらずのゼロ成長の近傍を上下するだけの日本経済という現状となっている事はご承知の通りです。
結局、岸田構想も、アベノミクスの失態の二の舞になるのであれば、一体政権交代は何だったのか、何が変わるのか、と改めて問わねばなりません。
そうなっていく理由が何処にあるのか、やっぱり自民党は安倍一強が続いているのかという、自民党内の政治勢力の状況によるのか、それとも、「新しい資本主義」、「成長と分配の好循環」という岸田構想に中身が追い付いてこなかったからなのか、改めて原因は何処にあるのかという事になるのでしょう。
この原因については、マスコミ報道などから、また結果の状況から判断すれば、その両方の相乗効果という事のように感じられます。
もう少しはっきり言えば、「新しい資本主義」、「成長と分配の好循環」は素晴らしくいい発想ですし、これらに良い肉づけが出来れば、「アベノミクスって一体なんだったの」と国民が振り返って呆れるような、よい経済社会政策になる可能性があった(今でもある)はずのものでしょう。
残念ながら、政策スタッフに、こうした岸田構想を現実の政策に展開するための広汎の知識、内容の本格的な洞察や理解、具体策につなげる知恵と技術と能力などが大きく不足していたという事になるのではないかと思われます。
この30年の長期経済不振の中で、政治家は勿論、経済官僚も、ダイナミックな経済活動の適切な理解や国を経営するという経営学のノーハウを積み上げるチャンスを持てなかったのかと思われてなりません。
その結果、実体経済を健全なものに作り変えるはずの岸田構想に対しては、中身が解らない、中身がないのではないかといった批判が生まれて来ているようです。
総理も、何かないか考えられた結果、2000兆円の個人貯蓄の大半を占める貯蓄を投資に振り向ける「貯蓄から投資へ」という意見を取り上げ、「資産倍増計画」といった誤解を生むメッセージを拾ってしまったのではないでしょうか。
ロンドンのシティーでの「岸田に投資を」は、日本人として些か恥ずかしく感じました。
高度成長期なら兎も角、30年も成長しない日本に投資する事には大変勇気がいります。
正直言って、NISAやiDeCoで資産が増えても、それは本当の豊かさではありません。岸田構想の中の「成長と分配の好循環」で、実体経済が成長拡大し、その結果個人所得も個人資産が増えるというのが、本来の所得・資産倍増計画の在り方でしょう。
経済成長しない国で所得・資産倍増などを考えれば、その結果は多分、格差社会化の促進になって、結果はさらに悪くなるのではないでしょうか。
その誠実な態度、物言いから支持率も上がって来ている岸田内閣ですが、この所の動きを見ていますと、なにか次第に精彩を欠いて来ているように思われます。
政府の経済政策の根幹をなす財政の問題について、5月31日の経済財政諮問会議の動きを見ますと、結局財政再建を目標に掲げる岸田構想は消え、財政再建は目標だが、2025年に基礎収支の均衡といった具体的目標はなくなったようです。
補正予算でも予備費が増え、アベノミクスがやってきた財政で景気を支えるという形に変えるようです。
アベノミクスの3本の矢、円安の実現、財政の出動、民間活力、の現在をみますと、円安は「悪い円安」になり、財政出動は突出して世界トップクラスの財政累積赤字の国となりましたが、それらはまったく民間活力につながっていないのです。
その結果は、相変わらずのゼロ成長の近傍を上下するだけの日本経済という現状となっている事はご承知の通りです。
結局、岸田構想も、アベノミクスの失態の二の舞になるのであれば、一体政権交代は何だったのか、何が変わるのか、と改めて問わねばなりません。
そうなっていく理由が何処にあるのか、やっぱり自民党は安倍一強が続いているのかという、自民党内の政治勢力の状況によるのか、それとも、「新しい資本主義」、「成長と分配の好循環」という岸田構想に中身が追い付いてこなかったからなのか、改めて原因は何処にあるのかという事になるのでしょう。
この原因については、マスコミ報道などから、また結果の状況から判断すれば、その両方の相乗効果という事のように感じられます。
もう少しはっきり言えば、「新しい資本主義」、「成長と分配の好循環」は素晴らしくいい発想ですし、これらに良い肉づけが出来れば、「アベノミクスって一体なんだったの」と国民が振り返って呆れるような、よい経済社会政策になる可能性があった(今でもある)はずのものでしょう。
残念ながら、政策スタッフに、こうした岸田構想を現実の政策に展開するための広汎の知識、内容の本格的な洞察や理解、具体策につなげる知恵と技術と能力などが大きく不足していたという事になるのではないかと思われます。
この30年の長期経済不振の中で、政治家は勿論、経済官僚も、ダイナミックな経済活動の適切な理解や国を経営するという経営学のノーハウを積み上げるチャンスを持てなかったのかと思われてなりません。
その結果、実体経済を健全なものに作り変えるはずの岸田構想に対しては、中身が解らない、中身がないのではないかといった批判が生まれて来ているようです。
総理も、何かないか考えられた結果、2000兆円の個人貯蓄の大半を占める貯蓄を投資に振り向ける「貯蓄から投資へ」という意見を取り上げ、「資産倍増計画」といった誤解を生むメッセージを拾ってしまったのではないでしょうか。
ロンドンのシティーでの「岸田に投資を」は、日本人として些か恥ずかしく感じました。
高度成長期なら兎も角、30年も成長しない日本に投資する事には大変勇気がいります。
正直言って、NISAやiDeCoで資産が増えても、それは本当の豊かさではありません。岸田構想の中の「成長と分配の好循環」で、実体経済が成長拡大し、その結果個人所得も個人資産が増えるというのが、本来の所得・資産倍増計画の在り方でしょう。
経済成長しない国で所得・資産倍増などを考えれば、その結果は多分、格差社会化の促進になって、結果はさらに悪くなるのではないでしょうか。