tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

民主主義の「トリセツ」 第3回

2022年06月20日 11時42分31秒 | 政治
民主主義の「トリセツ」も第3回になりました。
過去2回にも、何故、こんなテーマで書くのかという理由を書いています。

理由は大体こんなものです。民主主義というのは優れた哲学であり、思想であり、政治システムでありますが、優れた道具や機械装置と同じように、使い方を間違うと、怪我をしたり、感電したり、燃え出したり、爆発したり大変なことになる可能性があるので、誰にも解り易い「トリセツ」つまり『取扱説明書』を用意した方がいいと考えたからです。

ロシアも中国も、それなりに民主主義の形を取っています。しかし。現状は、独裁国家になってしまっているようです。

民主主義の「トリセツ」として、解り易く、みんなの役に立つものが出来れば、国民のより多くが望まない戦争といった事は起きなくなるのではないかと思っているのです。

そんなことで、今回も民主主義の心臓部である、選挙という場面で、その取扱いに際して「こんな事に気をつけたら良いのではないでしょうか」という事を2点付け加えていくことにしました。
これまでに4点挙げていますので、今回は5点目と6点目です。(1~4は、第2回に載せてあります

5、強い被害者意識を持っていて、それへの共感を求める人をリーダーに選んではいけない。

ロシアは常にヨーロッパからの膨張圧力に曝されているというのがプーチンの心情のようです。メルケルさんはその氷の様な被害者意識を融かそうとしましたが、結論は「あの人の意識は誰にも変えられない」という事だったようです。

トランプさんの「アメリカは損ばかりさせられている。」「世界がアメリカを利用して得をしているのは許せない。」だから俺は「アメリカ・ファースト」と言ってアメリカの被害者意識を持っている人の支持を得ようとしましたし、今もしているようです。

加害があるから被害が生じるので、加害の総量と、被害の総量は同じはずですが、大抵の社会では被害者意識の方が加害者意識より何倍も大きいのです。ですから、被害者意識に訴えた方が得票は多くなるという傾向があるようです。

被害者意識は、往々に、報復、叛乱、抗争、戦争に向かい、社会に混乱を齎します。

6、選挙権を持つ人は、候補者の「信者」にならないように気を付けなければいけない。

信者になると、その人の一挙手、一投足にも共感を持つようになる可能性が大きくなります。
宗教の世界は別として、民主主義や選挙は世俗の行為、行動です。合理的に割り切ってすべてについて客観的に判断し、感覚や感情的な思い込みや、不用意・安易な信頼感に頼り、「自分の責任で判断する」という民主主義の基本原則から外れないようにすることが大切です。

かつては日本人も、教えられた通り「天皇陛下万歳」と国の為に死ぬ事が本望だと大日本帝国主義の信者になって国の行く先を誤りました。

同じ頃、「ハイル・ヒットラー」とナチズムを信仰したドイツもあり、結果は同じでした。

第二次世界大戦後の平和と民主主義の一般化は、その反省の上に立ったものでしょう。

(以下宜しくお気づきのことを挙げて頂ければ幸甚です)

多くの人の知恵で、民主主義がより良い物になりますように。