東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

夢物語と現実と。

2021年12月06日 22時49分00秒 | j24全日本

 お世話になっています。クルーザー班新4年タクティシャンの萩原です。

全日本の振り返りをしたいと思います。


リザルトは

1-2-10-13-4-10-8 総合7/14



です。世界選手権の出場権を無条件で獲れる目標の5位まであと少しでした。


 具体的に各レースの振り返りをしていきます。


1日目。

 1R1上、スタートで出遅れ右に伸ばす。足りなめレイでタックし、前を4艇切っていく。レイ前までは風位で6位。マーク10艇身前でツータックするとギリギリのレイ。オーバーレイした他の船より前に出れたことで2位回航。回航後、艇団をカバーし続け、2上で1位艇を抜けたことで21位回航。そのままカバーし続け、真後ろについた月光に抜かれることなく1位フィニッシュ。幸運でした。完璧でした。胸が震えました。


 2R。トップフィニッシュでの興奮でも集中力を切らさないように。艇内で鼓舞し合いながら参戦。11位回航。その後シエスタに抜かれるも2位を保ち2位フィニッシュ。2レース連続で1.2位。興奮で鼓動が止まりませんでした。


 3R。手堅いコースで17位回航目前。レイでポート艇が無理矢理タック。避けてプロテストしたものの風位を失いマークに入り切れずマークタッチ。1回転。そのあと少しあげたものの10位フィニッシュ。

 

 4R。成すこと成すこと裏目に出た最悪のレースでした。完璧なスタートが決まり、シエスタ2艇と右に伸ばしました。他の船を左に追いやり理想の右海面へ。完璧なコースのはずでした。ずっとリフトし続ける。左に振りきれる海面で最終的に左の艇団が完勝するレグだったのに。第3R10位で第4Rは叩けないと思っている自分は右へ伸ばし続けても勝ち目がないことを認められず、今にヘダーが入る!、右に振れ戻る!、と思い込み右に進み続けることを選択。シエスタ2艇がタックしてヘダーを走りながら左海面に行っても右に伸ばし続けました。あまりに愚かでした。シエスタ2艇は1上では下位に沈むもののその後追い上げフィニッシュは2位と5位。111位の仰秀はその後もセパレートを果敢に選択し続け順位を落とし、13位。


 この日のミーティング。トップフィニッシュ、2位フィニッシュの喜びを噛み締める一方、後半でのひどいレース結果、内容への反省。カットレースありで1日目5位。

 

 2日目。

5R。手堅いレースでした。基本に忠実に。4位。実力をきちんと発揮できたレースでした。1位、2位フィニッシュの喜びとは違う、自信のみなぎった喜び。前日の不安を払拭できたレースでした。


6R。スタートで追い出される&プロテストかけられる。最悪のスタート。スタート前想定外に右振れして何艇も追い出されました。プロテストされ1回転。この後追い上げるも10位。


3日目。

 最終レース。前日までで5位Foxと1点差、だぼはぜと同点の6位タイ。目標の5位は目の前でした。文字通り最終レースにかかっていました。


 7R。スタート。ほぼ満点のスタート。ただ下にだぼはぜ、上にフォックス。両艇とも満点のスタート。ライバル2艇の影響をくらい、左に伸ばせず右へ。左海面が伸び、だぼはぜ、フォックスが1上、2位と3位回航。仰秀は7位回航。2下。ランニングで追いつき真後ろにつけるも下回航が甘く、内側を後ろの艇に刺される。タックを余儀なくされる。結果は8位フィニッシュ。悪くないレースでした。ただライバル艇が凄かった。


総括

 目標の5位まであと少しでした。遠かった上位艇の背中に肉薄できました。最高でした。ただ詰めが甘かった。あと数点だった。あと数点で完璧だった。もっとシビアにできた。ケース、タクティクス、回航。もっとシビアにならないといけなかった。ミスが少なければ。もう1艇抜けていれば。




 だぼはぜとFoxに勝つ。全日本選手権前日にこの目標を掲げました。一年前ならあまりに夢物語でした。現実がわかっていない御伽噺でした。1Rですら勝てたら奇跡。それがこの一年で本当に競えるレベルになりました。フリートレースでだぼはぜに勝った。全日本選手権で2艇と最後まで競った。フリートレースでも全日本選手権でもトップフィニッシュを成し遂げた。こんな景色を一緒に見れて本当に最高でした。嫌になるほど一緒に過ごした、変な癖まで知り尽くした、落合さんと中野さんと見れて本当に最高でした。


 今後は自分たちが先輩から頂いたこの感動を、この興奮を、後輩にも見せれるように。頑張っていきます。


クルーザー班 新4年 萩原和眞