副将、470リーダーを務めておりました470スキッパーの古橋です。
引退ブログを書く日が来るとは頭ではわかっていたものの、実際に書くとなると正直何を書いたら良いのか、引退ブログに相応しい内容なのだろうか、そんなことばかりを考えてなかなか筆を取ることができませんでした。端的にズバッとかっこいいことは言えないかもしれませんが、お付き合いいただければと思います。
「果たして自分はヨット部に何を残せたのだろうか。それはきっと後輩たちが証明してくれる。」
これは昨年引退された470リーダーの天木さんが引退ブログで綴った言葉でした。この1年間、僕はこの言葉の重圧に悩まされ、そして同時に励まされながら一選手として、一最上級生として走り切ることを目標に頑張ってきました。
今年の1年生が入るまで、470チームは総勢14人と今までにない人数でこの一年が始まりました。
年明けまでの練習はひたすら新入生の教育と自分たちの新体制を確立させるので必死になって終わりました。冬から春にかけては上級生と下級生の配艇をどう組むかでとことん悩んだり。そこからレースメンバーを決めるとなると、何から何をどうやって決めたらよいのか五里霧中で、最上級生としての立場と選手としての立場の兼ね合いがすごく難しかった。何回にも渡り同期との話し合いをしたのにもかかわらず、無情にもコロナの関係で春インカレは中止となり、不完全燃焼になったまま八景島へと引っ越し。気付いたら最終章の始まりである夏になっていて、自分の実力不足に焦ったり。とことん乗り込むしかない、とほぼ脳死状態でいつがオフだったのか忘れるくらいヨットに乗りまくりました。秋インカレの時期になって、もしかしたらここで引退するかも、といった不安と戦いながらヨットに乗れる幸せを噛み締めて練習をしたり。そして全日本インカレに行けたと思いきや、最後の2日間はレースをすることなくもう引退。
果たしてこの一年の結果はどうだったのでしょうか。470チームが目標としていた関東インカレ決勝での入賞には及ばず7位、全日本シングルという目標には程遠い18位。結果だけを見ると先輩方の期待には応えられなかったようにも思います。
ただ僕が在籍していた4年間を取って見ても、歴代の先輩達が築き上げてきた礎のもと確実に東大ヨット部が年々強くなっていると感じるのは事実です。ヨットの技術はもちろん、部員への思いやりや時間の使い方、練習に対する姿勢も年々強豪校の風格に近づいており、今や東大ヨット部は自分が1年生の頃では考えられないくらい多い部員数によって成る組織になりました。
先輩達が残してくれたものがきちんと伝承され、毎年強くなっている過程で東大ヨット部に在籍することができて本当に良かった。自分たちの代が残せたものが何かはわからないけれど、今の後輩達には何の心配もしていません。
陸シュミを誰よりも熱心にしていて、こいつのヨットに対する熱意にはかなわないと思った工藤は、この一年で磨きがかかり誰しもが認める実力を伴ったエースクルーになってくれました。来年の彼が作る470チームには期待しかありません。1年の時はヨットに乗ってもいないのに、2年生だった僕よりもずっとずっと楽しそうに部活に参加していた調は、今や全日本インカレでシングルを取れるだけのスーパースキッパーです。辛い時、何度君の笑顔に救われたか知る由もないでしょう。人数の関係でレース等に出してあげられる機会は少なかったかもしれないけれど、高原はサポートに回ってもらうのがもったいないくらいメキメキと上達して、共に切磋琢磨してくれました。来年はきっと今年の分まで爆発してくれるはずです。こんな可愛らしい子が荒れ狂う海に出て帰って来れるの!?と入部時に感じていた郁ちゃんは、今年レギュラー陣を脅かす4番艇の役目をしっかりと果たしてくれました。来年は荒れ狂う波を乗りこなす1番艇ですね。
ちょうど1年前のこの時期に入ってきてくれた加藤、松尾、丸山、吉田も本当によく頑張ってくれました。寒い時期からの入部だったのにも関わらず、誰も辞めずにここまでついてきてくれました。まだ1年しか経ってないと考えると、君たちの成長は無限大の可能性を秘めています。期待してますよ。少し遅れて入部した佐藤も、そのブランクを埋めて彼らを越えるくらい上手くなってほしいです。
まだ何が何だかわからない1年生。ヨット部で過ごせる時間があと3年も残っている君たちが正直羨ましくて仕方ないです。今後経験するかもしれない辛いことも全部ひっくるめて思いっきり楽しんでもらいたいです。きっと4年間1つのことを続けて得られるものは言葉では言い表せないくらい素晴らしいものだと思います。
同期のみんなには感謝を伝えたいです、本当にありがとう。4年生にもなると会うたびにもうお前の顔を見るのは飽きたよ、と言ってしまいたいくらいに常にいた仲間ですが、引退と共にそれもなくなってしまうと考えるとやはり寂しいです。各々が自分の色でチームを引っ張っていって、最後まで成長していた姿はとても頼もしかったです。470チームに関しては自分が何度も開いた突発的なミーティングに嫌な顔一つせず付き合ってくれてありがとう。みんなが毎回本気で向き合ってくれたから自分も妥協せずにできました。4年間、共に切磋琢磨してくれてありがとう。
言いたいことはもっともっとあります。スナイプチームやマネージャーのみんなにも、本当は一人一人に伝えたいです。ただ自分には上手く伝え切るだけの才がないので、この場を借りて感謝したいです。今までありがとう。みんなに囲まれてヨット部にいられることが幸せでした。
こんな素敵な4年間を過ごせたのも日頃から多大なる支援と応援をしてくださっているLBの皆様、どんな時でも練習に付き添ってくれた小松コーチ、そして一度たりとも自分の活動を否定することなく応援してくれた家族のおかげです。今まで随分とわがままを言って、貴重な経験をさせていただきました。本当に感謝してもしきれません。ヨット部で過ごした4年間は私の宝物です。
思えば4年前、新歓がとうに終わった6月初旬、最後の最後まで入部するかを悩んで最終的に入る決断を下した自分には拍手を送りたいです。決して生ぬるいものではなかったけれど、これ以上濃い4年間は他では過ごせなかったと思います。
なんだか言いたいことが全然言えてない気もしますが、そもそもこの4年間をたった一回のブログで振り返るというのは無理な話なのでここら辺で失礼します。
楽しかったなあ。
もう一度大学生活をやり直せるとしても自分はまたヨット部に入るでしょう。
4年間、ありがとうございました。
前副将、470リーダー
古橋恒太