医療通訳士協議会の倫理規定(草案)がまとまり、意見を募集している。草案の作成に関しては手話通訳士の団体へも声かけとお願いをされたらしいが…。
私も草案を読ませていただいたが、日ごろ気をつけないといけない、基本的なことが書いてある。
手話通訳者だけは別ということではなくて、やはり広く手をつないでいくべきではないかと思う。
倫理委員会についての詳細は http://blog.goo.ne.jp/jami_ethics
医療通訳士倫理規定(草案)
前 文
医療通訳士は、すべての人々がことばや文化の違いを超えて、必要とされる医療サービスを受けられるようにコミュニケーションの支援を行う専門職であり、医療従事者と患者等がお互いを理解しあい、健康と福利の促進のために必要な信頼関係の構築に寄与することを使命とする。そのために医療通訳士は、自らの技術、知識、経験を最大限に活用する。
医療通訳士が、専門職として広く社会に認識され、有意義な業務が行えるように、ここに倫理規定を定める。
条 文
1:守秘義務
医療通訳士は、医療従事者と患者等に関する業務上知り得た情報を、その意に反して外部に漏らしてはいけない。
2:正確性
医療通訳士は、医療従事者と患者等の発言の意味するところを忠実に通訳するとともに、社会・文化・習慣・宗教などの違いを考慮し、良好なコミュニケーションの成立を図る。
3:公平性
医療通訳士は、すべての人に対して公平に通訳を行う。また、医療従事者と患者等の会話の内容や状況を把握している唯一の存在であることを認識し、その立場を利用して特定の恩恵を被らない。
4:専門職としての態度
医療通訳士は、自己の業務遂行能力について自覚し、中立性を保てない場合や自らの能力を超える場合は、適切な対応を講じ、あるいはその業務を断ることができる。
5:知識・専門技術の維持・向上
医療通訳士は、業務上必要な知識・専門技術を常に維持向上するように努める。
6:医療通訳環境の整備ならびに他専門職との連携
医療通訳士は、医療従事者や社会に対して医療通訳士の役割を知らしめ、医療場面でのコミュニケーションが円滑に進むように通訳環境の整備に努める。また、医療従事者やその他専門職の役割を理解し、連携協働していく。
7:権利擁護
医療通訳士は、すべての人の尊厳と健康で文化的な生活を送る権利を尊重し、患者等の主体性を損なわない範囲でその実現に努める。
8:医療通訳士の自己管理
医療通訳士は、自らのプライバシーの保護を行い、心身の健康保持と増進に努める。
9:専門職としての社会貢献
医療通訳士は、公益を優先し、その能力は広く社会に役立てるために使われるものである。
以上