昨日・今日といい天気が続いています。今日は大阪弁護士会館で開かれた「薬物事犯受刑者社会復帰の際の包括的支援について」に参加してきました。
まずは大阪弁護士会刑事弁護委員会委員長の下村忠利さんがあいさつ。
大阪での刑事裁判の半数が薬物からみで裁判そのものが形式化している。「親和性が高く、累犯である」「規範意識が鈍磨している」と裁判官も検事も決まったことしか言わないし、何の解決にもなっていない、もちろん弁護士も分かっていない。弁護人が自信を持って語りかけていかなくては…
そして、この春から立正大学の専任講師に就任された丸山泰弘さんが「薬物政策の動向~治療的・福祉的支援に向けて~」と題して講演されました。
新・旧二つの薬物乱用防止5カ年戦略は取り締まりに重点が置かれ薬物依存症をケアするという視点は見ることができなかった。年末受刑者の内訳、新規受刑者の内訳いずれをみても窃盗とともに薬物事犯で約50%を占めており同じ犯罪の繰り返しが多いことは効果的な支援がなされていないことを示しているのではないか、また2008年の第3次戦略ではそれまでの徹底した取り締まりから乱用防止支援に重点を置くことが決められ、さらに2010年の加速化プランではより早期に治療的・福祉的支援の重要性が注目されている。
また、薬物裁判は定例化され迅速化が進んでおり 単純自己使用や所持の裁判手続きは簡略化される基盤が整いつつあること、また大バージョンが行えるようになってきておりこれまでプログラムを受ける機会が十分でなかった人に回復の機会を提供できる。さらに未決拘留段階において都道府県レベルで歳乱用防止プログラムが始まりつつあること など 裁判において反省の態度を示すだけの定例化から、より早い段階で医療・福祉につながる薬物弁護の新たな基軸が求められている。
米国で始まったドラッグコートを日本へ導入する中で司法・医療・福祉の協働が求められている。この制度を支える受け皿が圧倒的にたらない中でRCとRFを養成する研修会を始めている…
その後、大阪地域生活定着支援センターの益子さんが、センターと「寄り添いネット」の紹介をされました。
京都ダルク加藤武士さん、大阪ダルクの坂本高司さんがダルクの行っている支援についてお話され、矯正施設からダルクにつながった2人がそれぞれ体験を語られました。