降って来るもの

写真と散文とぽえむ

あとがき

2023-01-17 20:30:55 | SI27

           

                       あとがき

 

 2022(R4)6.22に”まえがき”を書いてから凡そ半年と少しで、今だタイトル未定の詩27の原稿が今日思惑のページ数(140)に到達した。

 逃れられない時の呪縛の中で、僕等は一体どの様に踠けばいいのか、或いは、どんな風に折り合いをつけて刹那でしかない日日を遣り過ごしてゆくのか?

 それは人類がHomo sapiensとしての歴史を勝ち取った夢の行体。それ故その代償としての義務でもある問題なのだが、世界にはそれを思惟する為の当たり前の安全がままならない人々や、その基本になる安定が失われた幾十億の民が居る。

 そんな幸不幸のことを思えば、この様に五情五感を言葉に浸し、その時期の其々の滴るinochiの形として一冊の詩集に収納できる、我が魂の自由さなどは天国の其れに違いない。

 まずはその幸運に感謝し、不幸なる人々の呻吟のほんの細やかなる代弁者になり得るのなら、そこにも物書きの一つの価値は在ると信じ、この”あとがき”の締めの括りとする。

 時間も時も、我が思いも日々新たになるもの。それ故、この原稿の最後にperiodを打った後、僕は又速やかに歩き始める。

 何時もの様に、百tの紙と百本のペンを傍らに備えて・・。

                 2023(R5)1.17 万甫

 

          

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LANGUAGE~ 行体~

2023-01-17 04:33:03 | SI27

     LANGUAGE~行体~

 

Ⅰ章

 

頭の中に溜まった言葉たちが

少しずつ連携を保ち

縁を結び,関係を築き

同じ想念を纏って

一行に整列してゆくと

軈て

一聯のUtaになる

 

Ⅱ章

 

頭骨内の言葉溜まりから

一個の泡あぶくのように

飛び出した一語が

連れを誘い

何時しか思念の虹になる

僕は唯

その色の順列を確認する

 

Ⅲ章

 

障子の隙間から

降り続く雨を見ている

そんな束の間に

時として

languageが侵入する

囚われて僕は

四苦八苦を味わう

beadsのように

上手く連携が取れれば

誰かさんのnecklaceになるかも・・と

奮闘する

可笑しな時の経験

 

Ⅳ章

 

指先に刺さった棘のように

或る日或る時

ふと、一個のlanguageが

僕の神経に棲みつく

抜かなければ

Utaに昇華させなければ

それが宿命のように

言葉の成人まで付き合う

寄り添って

あどけないカップルのように

 

Ⅴ章

 

inochiの粒子のように

ひとつの言葉を抱き締める

あらゆる縁を頼って

ひとつの姿に成形するまで

僕は時間を惜しまない

旅立ってゆく時の

あの幸せの笑みを想像しながら・・

 

Ⅵ章

 

道端の草叢や空気の渦や

石榑の呟きやから

漏れ聞こえる言葉の不思議

世の中の全ての出合いが

幸せなそれぞれの形であるように

慈しんで

言葉達と共生してゆく

ひとつの

幸運のmodelのように

 

Ⅶ章

 

言語の手土産を下げて

真空地帯をゆく

絡んでくるものは拒まず

握手を厭わず

語り掛けを怠らず

触れ合いを忌避せず

道中は楽しみに満ちて

何処を探しても

こんなに愉快な成り行きはない

 

Ⅷ章

 

湧き水のように

胸の空海から滲みだすもの

月日の醗酵でエキスになったもの

放置された言語の残骸

空洞の奥のsizuku一滴

 

生きるとは出合いと出会い

inochiとは融合

poemとは我が行体

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