人の命の重み！

今日、名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯を描いた「約束」と言う映画を見ました。

先ず嬉しかったのは、会場がほぼ満席になったことです。暗く、重たいテーマだっただけにどれ位の人が来てくれるかとても心配でした。

死刑判決を受け、独房につながれている奥西勝さんの事件とのかかわりを見ました。奥西さんを仲代達矢、その母を樹木希林が演じているます。」



事件発生から51年、死刑囚奥西さんは86歳になりました。胃がんを患い、生死の境をさまよっている状況です。

母親は息子の無実を信じて三重県の山奥から名古屋拘置所に通っていましたが、無実の息子を見ることも亡くなりました。奥西さんの長男も父親の無実を見ることもなく62歳で亡くなりました。

私は、この「約束」をみて、奥西さんの無罪を信じると共に、冤罪だと確信しました。

映画の中でも弁護士が言っています。「先輩裁判官の下した判決を見直すのは縦社会の裁判所ではきわめて難しい。再審を認めた裁判官は辞職覚悟で再審を決め、結局、裁判官を辞める。再審を却下した裁判官は出世をしてゆく」こんなことが事実として描かれていました。自白だけを唯一の根拠にし、新たに出てきた新証拠を科学的に検証しようとしない裁判官には驚きました。
司法全体が、奥西さんの病死を待っているように思えて仕方ありませんでした。冤罪を放置して、囚人の死を待つとしたら、国家による殺人としか思えません。

今日は、「イスラム国」のテロにより日本人フリージャーナリストの後藤さんが理不尽にも殺されたと報じられました。

同列には論じられませんが、人の命を軽々しく扱うとしたら、同じような過ちを犯しているとしか思えませんでした。