北越コーポレーションと大王海運を巡る株主総会でのバトルは経済紙で大きく取り上げられました。
社長解任は否決されたものの、後味の悪い展開となりました。
日経ビジネス誌2024.7.1号の特集記事は、「同意なき買収の時代 第一生命・ニデック・ブラザー、攻防の内幕」。
米国であっても日本では難しいだろうと考えていた企業買収が起こり始めました。
Contents
Part1 仁義なき対抗TOBへ 第一生命、タブー打破
Part2 15年超しの再挑戦 あえて待った永守流
Part3 覚悟の甘さを露呈 ブラザーが3つの教訓
Part4 買収が育む新陳代謝 競争法、労組という壁
「全ての上場企業は、いつ買われてもおかしくない」
株式を公開している以上、つねに買収リスクはあると同誌は指摘します。
また、市場の秩序を乱す野蛮な手法とされていた「敵対的買収」は「同意なき買収」に衣替えしたと解説します。
この背景には、証券取引所や経済産業省の指針があるようで、どうやら米国のようなM&Aが普通の出来事になると思います。
経産省の買収行動指針は、3つの原則で構成されています。
1 企業価値、株主共同利益の原則
2 株主意思の原則
3 透明性の原則
米国流の会社は株主のものというコンセプトが全面に出されています。
物言う株主(アクティビスト)対応で困惑していた企業が、今度は買収対策、TOB対策を取らなければならない時代になりました。
上場企業で働く従業員も、うかうかしてはいられません。
ある日、突然、剛腕社長が率いる会社が乗り込んできて職場や組織文化が一変するかもしれません。
海外のファンドや中国やアジアの企業からのアプローチがあるかもしれません。
上場企業の経営陣もXデーに備えて対応策を練っておかなければなりません。
従業員も自身の高度専門性、ポータブルスキルを磨き、なくてはならない人財にキャリアアップしていかなければなりません。
大変な時代になったものです。