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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京芸術劇場パイプオルガン復活・お披露目コンサートを聴く

2013年04月01日 07時00分14秒 | 日記

4月1日(火)。もう引っかかりましたか?今日は4月1日(月)エイプリル・フールですね 

昨日は年度末だったので、コンサートのプログラムを整理しました 定期会員になっている新国立劇場、バッハ・コレギウム・ジャパン、東京交響楽団(サントリー・シリーズ、オペラシティ・シリーズ)、東京フィル(文京シビック・シリーズ)、新日本フィル(トりフォニー・シリーズ、室内楽シリーズ)だけでも50冊を超え、他のも加えて1年間で130冊前後タマッてしまうので、もうタマリません 新国立オペラとバッハ・コレギウム・ジャパンのプログラムは10年以上保存していますが、その他は基本的には1年後に棄てています。代わりに外来オケやオペラの引っ越し公演等は保存しています。あっ、それからピアノの萩原麻未が出演したプログラムもとっておきます

 

  閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場でパイプオルガン復活お披露目コンサートを聴きました この劇場のパイプオルガンは2011年の3.11東日本大震災の後、4月から施設改修工事の一環として、オーバーホールが開始され丸2年かかって完成したものです 実は、お披露目を前にして前日の30日に秋山和慶指揮音楽大学フェスティバル・オーケストラによりレスピーギの「ローマの松」が演奏され、このパイプオルガンのモダン面での演奏を聴いたばかりなのです

東京芸術劇場のパイプオルガンは約9,000本のパイプから成る世界最大級の規模を誇るもので、背中合わせにオルガンケースが2つ作られ、第1の面はヨーロッパの伝統に沿ったデザインで、ルネッサンス様式とバロック様式という2台のオルガンがはめ込まれ、第2の面にはフランス古典期と19世紀フランス・ロマン派を中心に20世紀の音楽にも対応できるようにしたモダンタイプのオルガンが入っています

 

          

 

プログラムは「復活祭」をテーマにした曲で、3つの様式を使用した内容になっています 演奏はルネッサンスタイプオルガンを平井靖子、バロックタイプオルガンを小林英之、モダンタイプオルガンを平井靖子と新山恵理が演奏します なお、ルネッサンスとバロックは同じ面ですが、調律法が異なる(ルネッサンスはA=467ヘルツ、バロックはA=415ヘルツ)とのことです。モダン面はA=442ヘルツ。

自席は3階C列33番。パイプオルガンを聴くのに1階のS席を選ぶことはありません 3階で十分です。会場に入ると、正面にオルガンのバロック面がブルーの光線でライトアップされて美しく輝いていますナビゲーターの梅田陽子(フリー・アナ)が登場し、歓迎のあいさつを行い「この日のチケットは売り切れで、キャンセル待ちもあるそうです」とアナウンスした通り、会場は文字通りの満席状態です

最初に東京芸術劇場の福地茂雄館長が簡単に挨拶しましたが、残響の長いこの会場でマイクでの挨拶は聞きにくいものです その後、梅田アナが「パイプオルガンは紀元前2世紀頃からあったそうですが、調べたところ、日本では石器時代、弥生式土器の時代に当たるようです」と薀蓄を披露、聴衆の関心を集めていました

演奏は、最初に東京藝大大学院修了、東京芸術劇場副オルガ二ストの平井靖子が「ルネッサンス・オルガン」を使用してH.シャイデマン「ハレルヤ、われらの神を賛美せよ」、作者不詳(16世紀)「楽しみのために」、アンドリュ「ティエント」の3曲を演奏しました。両手でオルガンを弾きながら両足をさかんに左右に移動させてペダルを踏んでいる様子が見え、なぜオルガ二ストのイスは横長なのかが良く分かりました 曲に合わせて背景の照明がブルーからイエローへ、そしてピンクへと変わります。演奏者が一人なので、聴衆を飽きさせない工夫なのかもしれません。なかなか凝った演出です

 

          

 

次に東京藝大大学院修了、東京芸術劇場オルガ二ストの小林英之が「バロック・オルガン」を使用してJ.S.バッハ「オルガン小曲集」より復活節のコラールから6曲を、続いてバッハの弟子J.L.クレープスの「ファンタジー:大いに喜べ、おお、わが魂よ」を演奏し、最後にJ.S,バッハ「幻想曲とフーガト短調」を会場を揺るがさんばかりに演奏しました

 

          

 

再度、梅田陽子が登場し「20分間の休憩時間を利用して、モダン面に転換しますが、休憩時間中に限って写真撮影が許可されます」とアナウンスしたので聴衆は大喜びです 私もケータイのスイッチを入れ直して3階席からパイプオルガンを狙いましたが、何せ遠くてフラッシュも炊けないので、バロック面の状態と、転換するちょうど中間あたりを撮影してから、エレベーターで1階に降りました。ところが1階席に着いた頃には、すっかりモダン面に転換した後でした とにかくその速さには驚きました。数年前に一度この転換の模様を見学したことがありますが、その時はもっとゆったりと時間をかけていたように記憶しています。オーバーホールに合わせて、レベルアップを図ったのでしょうか

 

          

           (ルネサンス/バロック面から回転を開始したところ)

 

          

            (3つの部分がそれぞれ時計回りに回転している)

 

          

            (モダン面に転換終了。これのみ1階席から撮影)

 

さて、休憩が終わり、いよいよ「モダン・オルガン」を使用しての演奏です 最初に平井がJ.F.ダントリュー「復活祭のための奉献唱”おお子らよ”」を演奏、そして、最後に東京藝大大学院修了、東京芸術劇場副オルガ二ストの新山恵理がCh-M.ヴィドールの「オルガン交響曲第5番」より第1,2、5楽章を繊細にそしてカラフルに演奏しました ルネッサンス/バロックと比べて、モダンの方が立ち上がりが鋭いというか、粒立ちがはっきりしているというか、そういう印象を持ちました

演奏終了後に、このオルガンのオーバーホールに当たったオルガン・ビルダー、マルク・ガルニエ・ジャポンのマチュー氏が登場し、梅田に「これだけの聴衆の前でお披露目公演を聴いていかがでしたか」と訊かれ、感激で言葉に詰まり、何とか「うれしく思います。私だけでなく、チームとして取り組んできたので、喜びを分かち合いたい」として、2階左サイド後方席に陣取っていた”パイプオルガン復活チーム”に賞賛の拍手を送っていました

アンコールに、小林がペータースのコラール「大いに喜べ おのれが魂よ」を穏やかに演奏しました まさか、アンコールまであるとは思っていなかった聴衆は大喜びでした

いつか、このオルガンの「モダン面」で、サン=サーンスの「交響曲第3番”オルガン付”」かマーラーの「交響曲第8番”千人の交響曲”」を聴いてみたいと思います

 

          

           

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