29日(月・祝日)。昨日はさすがに1週間の疲れが残っていてどこにも出かける気が起きませんでした1日中ベッドに寝転がって音楽を聴きながら新聞や本を読んで過ごしました
昨日の日経朝刊「サイエンス」欄に「働かないアリにも働き~集団存続への有事に備え?」という記事が載りました 記事を要約すると、
「北海道大学の長谷川英祐准教授らは、働くアリばかり集めると必ず働かないアリが出てくる現象を実験で立証した 働かないアリがいるから、不測の事態に対応できるとみている。長谷川准教授は生き物も疲れる点に注目し『疲れて働けなくなったアリが出てきた時に、代わりに働くためではないか』という仮説を立てた
『感度がばらばらで多様性がある集団は有事にも強く、巣を長く存続させるために重要な戦略となっているのではないか』と語っている」
記事は「グローバル競争に負けじと効率性ばかりを追求する人間社会だが、アリ社会に潜む巧妙さに見習うべき点があるかもしれない」と結んでいます
とくにリーマン・ショック以降、日本の経営者は経費節減やリストラで経営規模を縮小してきました。その結果、世の中には閉塞感が漂っています。政権交代で自民党が復権、安倍首相による”アベノミクス”で景気の浮揚を図ろうとしていますが、1年後には消費税の引き上げが待ちうけています。今の日本には”アべノミクス”よりも、余裕のある”アリノミクス”が必要なのかもしれません
閑話休題
御厩祐司著「『知』のシャープナー~人生が変わる知的生産日記」(光文社新書)を読み終わりました著者の御厩祐司さんは1970年香川県生まれ。京都大学を卒業し、文部科学省、文化庁で要職を歴任、現在、内閣府企画官を務めています
この本で扱われている「知的生産日記」とは、エクセルなどの表計算ソフトを用いて、縦1列に365日を綴り、年が変われば次の列に追加していき、無限に日記をつけていくというものです
エクセルなのでセルの幅を変えることができるため、日によって書くボリュームが異なっても自由にスペースを拡大することができます また、すぐ隣の列を見れば1年前の同じ日の日記が見られるので、瞬時に振り返ることが出来ます。また、過去に遡って簡単に自分の行動を検索することができ、将来の展望を見通すことができます
著者がこの日記を「知のシャープナー」と名付けたのは、「物事を広く知り、その本質を鋭く見抜き、わかりやすく人に伝え、多様な人々とつながりながら、物事を円滑にマネジメントしていく道具として、つまり知を鋭く磨くためのシャープナーとして位置づけているからです
著者は、ただ日記をつけるのではなく、自分を冴えさせる技法(シャープナー)についても触れています。その中で、「情報」の取り方について著者は食事になぞらえて次のように分類しています
〇主食 活字 本、新聞、雑誌など
〇副食 音声 ラジオ、CD,オーディオブックなど
〇酒・デザート 映像 テレビ、インターネット、DVDなど
活字中毒の私などは、頷くところ大です。とくに「新聞」は”バランス栄養食”のようなもの、と言っています。その理由として①政治、経済、国際、生活、文化など「分野のバランス」や、年齢、性別、職業などの読者の「属性のバランス」に配慮して作られている、としています また、「レイアウトのバランス」も絶妙だとして、見出しや記事の大きさで情報の重要度を”格付け”している点を挙げています。さらに最初に結論を述べ、細かい点はあとで補足していく「逆三角形」の構成についても文章を書くうえで参考になるとしています。さすがは文部科学省、文化庁出身のエリートです
日記を書いても三日坊主で続かない、という人は1行ずつでもいいからエクセルでつけてみてはいかがでしょうか。1行が2行に・・・・と増えていき、日記をつけることが楽しみになるかも知れませんよ