2日(火)。一昨日の3月31日の夜9時からNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家」を観ました35歳で聴覚を失い闇の中で音を紡ぐ佐村河内守(さむらごうち・まもる)を、人は「現代のベートーヴェン」と呼びます
佐村河内守の作曲した「交響曲第1番”HIROSHIMA"」のCDがタワーレコードの店頭に並んでいるのを見たのは、あの大震災の年、2011年7月末だったと思います その後、NHKで彼のドキュメントが放映されたらしく、「オリコン・アルバム・ウィークリー・ランキング」で9位に入るなど、音楽界に一大センセーションを巻き起こしました へそ曲がりの私は、クラシック界のベストセラーなどと謳われると、逆に敬遠して、絶対買うものか!と思っていました したがって、彼の交響曲を一音たりとも聴いたことがありませんでした
今回の放送で、大友直人が指揮をして大阪交響楽団と日本フィルが演奏したコンサートの模様を垣間見て、がぜん興味が湧いてきました インタビューで作曲家の三枝成彰氏が「どこかで21世紀の音楽を作らなければならない。佐村河内守の音楽はその端緒となるものだ」と語っていたのが印象に残っています
現在49歳の佐村河内は一日15錠の薬を服用し、意識が朦朧とする中で、頭に浮かぶメロディーを紡いでいきます それが可能なのは”絶対音感”です。それがなければ作曲はできません しかし、自分が生みだした音楽を自分で聴くことが出来ないのです
彼は日光を避けてカーテンを引きサングラスをかけて暮らしています。重低音の耳鳴りが激しくなると立っていることさえできなくなり床に伏してしまいます。そしてトイレにも行けない状態になり、1週間のうち3日間は紙おむつで過ごさざるを得なくなります 救いは、耳は聴こえないが話すことは出来ること、まだ自分の足で歩けること、発症前に結婚した奥様がいらっしゃることです
この交響曲第1番は、あの大震災後、「希望のシンフォニー」と呼ばれるようになりました。被災地のだれかが、そのようにつぶやいたのがきっかけと言います
あの番組を観て、しばらく何もする気が起こりませんでした 気分が落ち着いてから考えたのは、「コンサートに行くっきゃないな」ということです。”希望のシンフォニー”と呼ばれる交響曲とはどんな曲なのか、自分の耳で確かめなくてはなりません
交響曲第1番は7月6日(土)午後2時半から東京芸術劇場で東京フィル(指揮者未定)により、7月21日(日)午後2時から横浜みなとみらいホールで金聖響指揮神奈川フィルにより、8月18日(日)午後2時からミューザ川崎シンフォニーホールで大友直人指揮東京交響楽団により演奏されます
私は、7月6日は別のコンサートの予定があり、7月21日は神奈川フィルのコンマスが好きではないので行きません。したがって4月6日にチケット発売開始となる8月18日の東京交響楽団のコンサートに行こうと思います