人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

準・メルクル+小菅優+水戸室内管弦楽団のベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」のチケット入手

2013年04月11日 07時00分06秒 | 日記

11日(木)。先日、コンサートのチケットを買いました 7月8日(月)午後7時からサントリーホールで開かれる水戸室内管弦楽団の演奏会です。プログラムは①細川俊夫「室内オーケストラのための”開花Ⅱ”(日本初演)、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番ハ短調」(ピアノ独奏:小菅優)、③シューベルト「交響曲第8番”グレイト”」の3曲。指揮は準・メルクルです

先日「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン」を聴いて、30人規模の小オーケストラで聴くベートーヴェンもいいな、と思うようになり、チラシの束から厳選した公演です。3曲の中では、何と言ってもベートーヴェンのピアノ・コンチェルトでしょう。小菅優のキビキビした小気味のいいベートーヴェンが期待されます

 

          

 

  閑話休題  

 

道尾秀介著「月の恋人」(新潮文庫)を読み終わりました 著者の「あとがき」によると、この小説は、道尾が書き下ろしでストーリーをつくり、それをもとに連ドラを制作、そのドラマの放映とほぼ同時期に原作本を刊行する、という形で進んだようです

派遣社員の弥生は、正社員のミスを押し付けられ、キレて会社を辞めてしまいます おまけに付き合っていた彼氏が心を入れ替えて勉強したいというので大金を貸したのに、パチンコをやっているところを見て嫌気がさします 何もかも嫌になった弥生は中国の上海に一人旅に出ますが、そこで、ひょんなことから高級家具を扱うレゴリスの若き経営者・葉月蓮介に出会います それ以来、蓮助の方が弥生のことが気になってしかたない存在になり、彼女の住む谷中の居酒屋に行ったり、北海道の彼女の祖父母の家を訪ねたりします

一方、上海に住むシャウメイは、その美貌を買われてレゴリスのCMモデルにと誘われますが、それを断ります しかし、日本で極貧の生活をする父親の借金を返済するため最終的にはモデルになります。ところが、彼女はそうなるために万引きをしていたのです。それをストーカーが写真に収め、ある筋に売りつけていたのです

蓮助と弥生、蓮助とシャウメイ、弥生とシャウメイとの関係が複雑にからまってフィナーレに向かいます最初は経営のためには温情を一切排する冷徹な態度をとっていた蓮助が、弥生やその祖父母とのかかわりの中で人間的な心を取り戻していくところは、一人の青年経営者の成長物語ともいえるでしょう

この本を読んでいて最初から気になっていたのは上海から日本にやってきてモデルになったシャウメイの行方です。過去の万引きがバレてモデルを諦めなければならなくなった場面では「どうか最後にはシャウメイに幸せになってほしい」と祈っていました。「たかが小説」を読んでいてこんな気持ちになったのは初めてです。「されど小説」。それ程入れ込んで読んでいたのだと思います。久々に読んだ純恋愛小説です。道尾秀介はますます冴えています

 

          

コメント
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