15日(月)。昨夕、たまたまNHK-Eテレをつけたら「クラシック音楽館」という番組をやっていました昔のN響アワーみたいな番組です。明らかに20世紀の音楽、ピアノ協奏曲のような曲をやっていました。番組表で確かめるとバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」でした。驚いたのはその曲ではなく、その曲を演奏しているオーケストラです 男性の比率が高いところはN響らしいのですが、コンマスは欧米人で、何人か見覚えのある楽員もいるのですが、見知らぬ人、しかも若い人の方が多いのですホルンやヴィオラなどは見たこともない人ばかりです。しかし、オーボエの茂木大輔氏をはじめ首席クラスを見るとN響そのものに違いないのです
早い話が、ここ数年のうちにN響は定年退職者などにより大幅に若返りが図られたのです。私の場合、在京オケで定期会員になっているのは東京交響楽団、東京フィル、新日本フィルなので、この3つのオケはメンバーの顔が判るのですが、他のオケはほとんど聴く機会がないので”浦島太郎”状態なのです。あの愛すべきスヴェトラーノフがN響を振った頃はN響の定期会員だったのですが、ここ数年は魅力を感じませんでした。しかし、メンバー交代が大幅に進んだ今、N響を久しぶりに聴いてみてもいいかな、と思い始めました
閑話休題
今日は新聞休刊日。朝から新聞が無いと何だか気が抜けたような、物足りないような気分です もう20年以上前から朝日と日経を取っていますが、休刊日は同じ日です。それは、日経が専売店を持っておらず、朝日、毎日、読売などの販売店に配達を委託しているからです したがって朝・毎・読が休刊して日経が配達されることは有り得ないのです。いっしょに配達しないと、新聞販売店の従業員が1年中休むことが出来なくなるのです。そんな訳で、朝、新聞が無くてもガマン、ガマン
も一度、閑話休題
13日(土)に新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ザンドナーイ「フランチェスカ・ダ・リミ二」を観ました 今年3月16日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ映像です
キャストはヒロイン、フランチェスカにエヴァ・=マリア・ヴェストブルック(ソプラノ)、義弟のパオロにマルチェッロ・ジョルダ―二(テノール)、パオロの弟マルティスティーノにロバート・ブルーベイカー(テノール)、パオロの兄ジョバンニにマーク・デラヴァン(バリトン)ほか。指揮はマルコ・アルミリアート、演出はピエロ・ファッジョー二です
舞台は13世紀のイタリアです。ラヴェンナの領主ポレンタ家のフランチェスカは、リミ二の領主マラテスタ家の長男で、片足が不自由で粗野な性格のジョヴァン二(あだ名はジャンチョット)と政略結婚させられます 実は、フランチェスカが結婚を拒否しないようハンサムな弟パオロを結婚相手と思わせてだまし討ちにしたのです その後、フランチェスカはパオロを「自分を騙した」と責めますが、パオロは企てを知らなかったと弁明します。初めて会った時から魅かれ合っていた二人は、お互いに感情を抑えきれなくなって熱いキスを交わします。ジョヴァンニの末弟のマラテスティーノがフランチェスカに言い寄りますが拒否され、彼女とパオロの秘密の恋を兄のジョバンニに暴露します 嫉妬に怒り狂ったジョバンニは妻の寝室でパオロとフランチェスカを殺害します
ザンドナーイの音楽は、いろいろな作曲家の影響を受けていると思います リヒャルト・シュトラウス、プッチーニ、ワーグナー、まだまだ居そうです。ただ、一番影響を受けていると思ったのはリヒャルト・シュトラウスです 第1幕最後の二人の出会いのシーンは、まさにR.シュトラウスの「バラの騎士」の騎士の登場シーンと同じです 「ばらの騎士」では騎士が仲介役としてバラを”婚約者”に捧げるのに対して、このオペラではフランチェスカがバラを持ってパオロに渡すところが違いますが
フランチェスカ役のエヴァ=マリア・ヴェストブルックはオランダ出身で、MET出演はワーグナーの「ワルキューレ」のジークリンデ役に次いで2回目ですが、深みのある美しい声に加えて見事な演技力で聴衆を魅了しました
パオロ役のイタリア出身マルチェッロ・ジョルダー二はMETの看板テノールですが、無理のない伸びやかな声で義姉への愛を歌い上げました
ジョバンニ(ジャンチョット)役のマーク・デラヴァンは底力のあるバリトンで、気性の激しい役柄を見事に演じ歌い上げていました
その弟マラテスティーノ役のロバート・ブルーベイカーは、いかにも悪役ぴったりのテノールですが、カーテンコールでは人気があります
その他にも、フランチェスカの世話係の女性(黒人)や、彼女を取り巻く4人の女性たちも、歌と演技に素晴らしいものがありました
もう一つ、今回の上演の特徴は、懲りに凝った衣装と舞台づくりです。相当お金をかけています
上映時間はインタビュー・休憩3回を含めて3時間32分です。新宿ピカデリー、東銀座の東劇ほかで19日(金)まで上映されます
ところで、このオペラのMET上演は27年ぶりのことだそうです。27年ぶりと言えば、ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんが13日から7日間の日程で日本を訪れています 彼女は1985年から1年間、京都大学の客員研究員として日本に滞在していました。彼女が日本に居たころ、METではフランチェスカ・ダ・リミ二が上演されていたわけです