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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「最終目的地」は「人性の特等席」~2つのアメリカ映画をギンレイホールで観る

2013年04月12日 07時02分17秒 | 日記

12日(金)。飯田橋のギンレイホールで映画を2本観ました 1本目はロバート・ロレンツ監督の「人生の特等席」、2012年アメリカ映画、111分です

メジャーリーグ最高のスカウトマンと言われたガス(クリント・イーストウッド)ですが、コンピュータによるデータに基づく最新のスカウト法には賛成出来ません 契約も残り3か月となり、地方にスカウトの旅に出ますが、彼は目の衰えが激しく、いい選手の発掘に困難を来します そこに子供の頃から野球を教え込んだ一人娘のミッキー(エイミー・アダムス)が、ガスの友人に頼まれて弁護士の仕事を休んでガスのもとにやってきます。ガスは、スイングの音、ボールがミットに収まる音を耳で聞き分け、ミッキーの目を借りて”本物”を見極め、そうした行為を通して、父と娘の絆を深めていきます

久しぶりにクリント・イーストウッドをスクリーンで観ましたが、顔も手もシワだらけです。しかし、味わいの深い演技は相変わらずです 最後に、ガスの意見を取り入れずに球団がスカウトしたバッターを、ミッキーが発掘した素人ピッチャーが三振に打ち取るシーンは小気味がいい場面です そして、球団がガスに契約更新を打診したとき「考えておく」と答え、ガスがミッキーに弁護士事務所で昇進の話が来ていることについて「いい話だから、仕事に戻れ!」と言った時「考えておくわ」と答えるところは、親娘そろって格好いいのです ガスとミッキーは共にスカウトとして活躍するのだろうか、と思わせるラストシーンです

 

          

 

もう1本はジェームズ・アイヴォリー監督の「最終目的地」、2009年アメリカ映画、117分です

コロラド大学の教員オマー・ラザギ(オマー・メトワリ―)は、自殺した作家ユルス・グントの伝記執筆の許可を得るため南米ウルグアイに渡ります。たどり着いた人里離れた屋敷で待ち受けていたのは作家の未亡人キャロライン(ローラ・リニー)、作家の愛人アーデン(シャルロット・ゲンズブール)とその娘、作家の兄アダム(アンソニー・ホプキンス)とそのパートナー(真田広之)達が暮らしていました

キャロラインは頑なに伝記の執筆を拒み、兄アダムは公認する代わりにオマーに宝石の密輸を手伝うよう持ちかけます そうした中、オマーとアーデンはお互いに惹かれあっていきます。最後に、オマーは性格の合わない恋人と別れ、アーデンと一緒になります

さて私が興味があるのは、この映画で使われていた音楽です 兄アダムがLPレコードをかけるシーンがあります。その時流れたのはレハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」第2幕冒頭でヒロインのハンナが歌う「ヴィリアの歌」です これは未亡人キャロラインを暗示しています。「メリー・ウィドウ」とは「陽気な未亡人」のことだからです。違う点はキャロラインが陽気ではないところです

キャロラインが絵を描いているところに、オマーの恋人が訪ねてくるシーンで流れていた音楽は、キャロラインの言葉を借りれば「プーランクよ。ゆったりとした良い曲でしょう」。ヴァイオリンとピアノの組み合わせだったようですが、曲名は判りません 残念ながらCDラックにあるプーランクのCDは6枚しかなく、その中にヴァイオリンとピアノの組み合わせによる曲はありません。悔しいです

 

          

 

しかし、この映画をきっかけに、俄然プーランクの音楽が聴いてみたくなり、室内楽集のCDを選びました。プーランクで一番有名な曲”フルート・ソナタ”をパトリック・ガロワのフルート、パスカル・ロジェのピアノで聴きましたが、フランスのエスプリを感じました

 

          

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