16日(金).一時的にパソコンが復旧したので,パソコンから書いています そもそも,ここ数週間,スイッチを押してもすぐ消えたり,立ち上がってもすぐにフリーズしてしまったり,ひどい状態にあったため,もう4年近くも使用したから新しいのに替えるか,という訳で新規に購入することにしたのです 昨日,新しいパソコンの注文も済んだので,今のパソコンは使える間は使おうと思います(またフリーズすることは目に見えていますが).新しいパソコンはD社の新製品なので届くまで2週間以上かかるとのこと.安定的にブログが書けるのは11月に入ってからになりそうです.という訳で,わが家に来てから384日目を迎えたモコタロです
閑話休題
筒井康隆の「傾いた世界~自選ドタバタ傑作選2」と「中村文則の「世界の果て」を続けて読みました.毒のある筒井作品は横に置いといて,中村文則著「世界の果て」(文春文庫)について書くことにします 中村文則は1977年愛知県生まれ,福島大学卒業.2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞してデビュー.2005年に「土の中の子供」で芥川賞を,12年に「掏摸(すり)」で大江健三郎賞を受賞しています
この本には「月の下の子供」「ゴミ屋敷」「戦争日和」「夜のざわめき」「世界の果て」の5編が収録されていますが,いわゆる連作短編集です
この中では標題になっている「世界の果て」が一番長い作品です 「部屋に戻ると,見知らぬ犬が死んでいた.誰がなぜそこに捨てたのか分からない.”僕”は犬の死体を自転車のカゴに詰め込み,犬を捨てる場所を求めて夜の街をさまよい歩く」
全体的にほの暗い雰囲気の作品ですが,中村文則は巻末に「文庫解説にかえて~『世界の果て』について」を書いており,小説を書く姿勢を表明しています
「僕の読者さんからすると今さらだけど,全体的に暗く,こういうのが苦手な人には,世の中にはこういう小説もあるのだなとご容赦願うしかない でも,何というか,明るさは時に人を阻害することもある.単行本の方のあとがきにも書いたことだけど,世の中に明るく朗らかな小説だけしかなくなったら,それは絶望に似ているのではないかと個人的には思っている そんな小説は世の中に溢れているから,別に僕が書く必要はないのではとも 自分の暗さをいい訳にしてもしょうがないのだけれど,色んなものがないとその文化は痩せていくとか,思っていたりする」
「どうも暗いな」「暗いマックスな作品だな」と思いながらも,書店に行くと「中村文則」の名前に引き付けられて作品をつい手に取ってしまうのです そういう不思議な魅力のある小説家です