25日(日).わが家に来てから393日目を迎え,オヤツを求めて居間をさまようモコタロです
閑話休題
昨日,NHKホールでNHK交響楽団の第1819回定期演奏会を聴きました プログラムは①トゥール「アディトウス」,②ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲イ短調」,③バルトーク「管弦楽のための協奏曲」です.②のヴァイオリン独奏は五嶋みどり,指揮はN響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィです
自席は2階R15列3番,右グロック左から3つ目です.会場はほぼ満席 NHKホールでのN響定期は高齢化が進んでいて,時に「ここは老人ホームか?」と思うことがあるのですが,この日は,ざっと見渡したところ若い人もかなり見受けられました これってヤルヴィ効果
舞台上のオケは左奥にコントラバス,前に第1ヴァイオリン,右にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります コンマスは伊藤亮太郎です.この人は第1コンサートマスターの篠崎史紀(マロ)のように,オケが揃った後に堂々と登場することはありません オケのメンバーと一緒に出てきて,いつの間にかコンマスの席に座っています.N響のコンマスに招かれて間もないので遠慮があるのかも知れません
1曲目のトゥール「アディトゥス」は,ヤルヴィと同郷の作曲家トゥールによる「接近,入口,始まり,偶然」を意味する曲です ヤルヴィのタクトで曲が始まります.冒頭はNHKのど自慢の”キンコンカン”のチューブラー・ベルと金管の下降音型から始まります トゥールはロック・バンド出身ということがすが,作品にはその片鱗も見い出せません.立派な”現代音楽”です
さて,2曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調」です 白と黒を基調とするシンプルでシックなドレスに身を包まれた五嶋みどりがヤルヴィに伴われて登場します
ヤルヴィの合図で第1楽章「ノクターン」が開始されます.ひと言で言うと「暗い」音楽が続きます 独奏ヴァイオリンが叙情的かつ陰鬱なメロディーを奏でていきます 第2楽章「スケルツォ」を経て第3楽章「パッサカリア」に移ります.終盤のカデンツァでは,五嶋みどりはまるで何かに憑りつかれたように身体全体を使って何かを訴えかけます そのまま第4楽章「ブルレスカ」に突入します.フィナーレのプレストは圧巻でした
五嶋みどりの演奏を生で聴くのは,多分今回が初めてですが,これが”世界の五嶋みどり”か という存在感抜群の堂々たる演奏でした
休憩後は,バルトーク「管弦楽のための協奏曲」です この作品はアメリカの指揮者クーセヴィツキ―からの依頼によって書かれました.バルトークはこの曲で,楽器によって馬の鳴き声を表現したりして”遊んで”います バルトークというと何となくとっつきにくい感じがありますが,この曲を聴くとユーモアに溢れた人だったのだと再認識します ヤルヴィのタクトさばきは見事だったし,それに着いて行ったN響のメンバーも見事でした